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第十七話『ファンファーレ』

「た、倒した。」

なんと、Lv.1の僕らが、本来最初のクエストでは倒すことが出来ないほど、強力な力を持つ、超巨大竜「ドラゴノス」を倒したのだった。


「やっ、やったんですね」

魔法使いの少女奈緒子が呟く。

まさに、超巨大竜「ドラゴノス」に食べられるの寸前だった。サラが、大粒のナミダをポロポロとこぼし、奈緒子に抱きついた。


「こ、こわかったぁー。」

サラは、奈緒子に抱きついたまま、涙を流し続ける。

いきなり、最強に近いモンスターに襲われたのだから、その恐怖も当然のものだろう。本来このクエストは、スライムを何体か倒して、「ふつうのきのこ」を手に入れるという、クエストのチュートリアルのようなものであるはずだからだ。


「よっ、良かった!!」

僕も、心からそう思った。SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」と、そのスキル「疾風」によって、本来Lv.1では倒せるはずのない、最強クラスのモンスター「ドラゴノス」を倒したのだった。


少し泣きやんだ、サラが、こちらにトコトコと歩いてきて、僕の袖をぎゅっと掴んだ。


「ありがと」

なんとか絞り出したであろう、小さな声を聞いて、「うん」と返すのが精一杯だった。いつもの活発な様子のサラと違い、とても可愛かったので、心臓がドキドキした。


そして、そう言った、サラはまた、奈緒子のところに向かい、抱きついて、わんわん泣いた。

「よしよし」と、奈緒子は、強く抱きしめ返した。


そうすると

「パララパッパッパー」というファンファーレの効果音が鳴り響いた。


「お、レベルがあがったよ!サラが楽しみにしていたLv.2だよ!!」と、効果音を聞いた僕が、サラに説明する。


「お、やった!」

と、さっきまで泣いていた事をすっかり忘れたかのように、サラはぴょんぴょんと飛び跳ねていた。彼女は切り替えが速いらしい。うらやましい。ぼくは心臓がまだドキドキしていた。ドラゴノスのせいなのか、サラのせいなのか理解らないほど。


「Lv.2で魔法覚えるかな〜!」とワクワクしていた。

僕の次に、サラのレベルも上がった。さらに奈緒子もLv.2になった。


「さっそく、ステータス確認してみよ!!」

と、サラがコンフィグボタンに手をかけようとすると、その時。


「パララパッパッパー」というファンファーレの効果音がまた、鳴り響いた。


「え?」

「え!?」

僕と奈緒子が驚いた。


「なんでしょう、またファンファーレがなりましたね」と奈緒子が言う。

「うん、なんだろう。」

と、僕が返事をすると。


「パララパッパッパー」

というファンファーレの効果音がまた、鳴り響いた。


「パララパッパッパー」

「パララパッパッパー」

「パララパッパッパー」

「パララパッパッパー」

「パララパッパッパー」


まだレベルアップの音が鳴り止まなかった。

僕のステータス画面のLvはすでに9を表示していた。

そして、あとから考えると、これは運命が変わる音だったのかもしれない。

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