表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/368

第十五話『ドラゴノスとサラ』

「うああぁぁぁぁ」

巨大な瞳と目が合い。大声で叫ぶサラ。

こんな大きい瞳は、現実世界には、ないから、仕方がない。

サラが、あれだけ楽しみにしていたとはいえ、ファンタジー世界の住人に、いきなりあの近距離で出会ったら、だれだってびっくりする。


「これは、まずいな」

あの近距離でドラゴンと会ったら、叫んでしまうのは仕方ないとはいえ、本来のクエストでは、やり過ごすことが出来るが。サラの声が、超大型モンスター「ドラゴノス」を刺激する。


バサアアアアアァァァァァァ、と大きな翼を広げる。

大きく土煙が発生した。まるでヘリコプターのようだ。

ある程度、遠距離にいる、僕と奈緒子もその風圧を抑えるために足を踏ん張ってなんとか耐えた。


近距離にいるサラはもっと大変だっただろう。

陸上少女の身体能力を活かして、なんとか、その場にとどまる。サラ、さすがのバランス能力だった。


「で、でけえ」

もちろん僕も初めて、ドラゴンと出会ったのでその巨大さに驚愕する。これこそがVRMMOの醍醐味であった。これが、ドラゴン。恐怖と同時にワクワクも止まらなかった。


「グオオオオォォォォ」と、咆哮をあげる超大型モンスター「ドラゴノス」

その咆哮を浴びても、僕と奈緒子はなんとか正気を保ち、サラを心配する。


「ゆっくり、ゆっくり、戻ってくれば、まだ大丈夫だ。」

さきほど、本来のクエストの、「ふつうのきのこ」はサラが手に入れたので、このまま無事に帰れば、このクエストは達成だ。この戦いは、きちんと戻ることができれば、我々の勝利だ。


「ゆっくり、ゆっくり!」

「ゆっくりもどってきてください!」

と、僕と奈緒子の二人は、サラに向かって、小声で言う。

今度はジェスチャーも控え目だ。大きく動くと、我々が「ドラゴのすを刺激してしまう。


「ゆっくり、ゆっくりね」

と、自分を言い聞かせるように、ゆっくり、一歩一歩進むサラ。手の動きもゆっくりだ。慎重に慎重に自分の体をコントロールするサラ。


「よし、その調子。そのままくれば大丈夫。」

僕が小声でサラに伝えた。


ところが、その時、さらに翼を広げて、「グオオオオォォォォォ」という咆哮をあげる、超大型モンスター「ドラゴノス」


その、大型龍「ドラゴノス」の咆哮を一身に浴び、ゆっくり歩いていた、サラが、咆哮と翼の風圧に押される形で、走りだしてしまう。


「やばい!」

僕が呟く。ドラゴンも動物と同じで、動く物体に対して攻撃する性質があるのかもしれない。

僕の予感は的中してしまい、ドラゴノスはその走る獲物目掛けて、飛びかかってきた。


超大型飛行物体は、加速度をつけて、サラの方に飛び続ける。まさに、サラがドラゴノスの口に吸い込まれようとしたその時。


「疾風!!」


僕が叫んだ。そしてSSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」のさらにレアスキル「疾風」を繰り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ