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第十三話『ラスト・オンラインに必要な能力』

「与えられたもので楽しみましょう!」

サラの一言で大分救われた気がする。


与えられたもので楽しむ。つまり、与えられた武器で楽しむ。現実世界でもその考え方は重要だ。足りないものはいくらでも目につく。もっと金持ちな家に生まれていればなぁ。もっと身長が高かったらなぁ。もっとイケメンだったらなぁ。けど、そこに引っ張られすぎてしまうとつまらないことになる。


逆に、普通、いきなり、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を手に入れてしまったら、ともすれば天狗になってしまうところだろう。その力に振り回されてしまう。サラの言うとおりに、楽しもう!と思えばそういう誘惑に負けないですむ。


僕が幸運なのは、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を引けたことではなく、一緒にたのしむことができる、サラと奈緒子に出会えた事だろう。この世界初にして世界最高のVRMMO「ラスト・オンライン」を楽しもう。


「ジュンは無敵なんだから、一番前にでて敵をバンバン倒してもらいましょう!」

心のなかでサラに、精一杯感謝を浮かべていると、持ち前の小悪魔のような笑顔でサラが言った。この子は優しいのか優しくないのか、どっちなのか。そこが魅力なのかもしれないけど。


「ふふふ」

と奈緒子も笑っている。助けてくれないんだ、奈緒子、と僕は思った。


「それはいいんだけど、実際にはLv.1だから、ダメージ受けると、すぐ死んじゃうんだよ」

「え、そうなの?」

気を取り直して説明する僕。あまりRPGがわかっていないサラ。最強。という単語が分かりづらかったのだろうなと思う。


「攻撃力だけ最強なんだよね。このゲーム攻撃力が高ければ勝てるゲームじゃないからね。避けたり、攻撃当てたりできないと」

「あ、そうなのね。そういえばそうね。スライムの攻撃早かったしね。攻撃はオートで出来ても防御はオートでできないものね。」

と、実は気がつくのが難しいことにさらっと気がつくサラ。実は天才なんじゃないか。


「そういう『当てたり避けたりする』能力は普通じゃないからね。サラの方がずっと凄いんだよ!」

「そうですね、サラちゃんのその能力はこの世界ではかなり貴重ですね」

このゲームは身体能力と反射神経などのゲーム的技術、敵の情報や武器防具の知識、そういうものバランスがすごく良いゲームなのだ、チームで遊ぶゲームなので、人はそれぞれ自分の得意な部分を活かして、ゲームを楽しむことができる。これが200万人があそでVRMMO「ラスト・オンライン」の凄いところなのだ。超美麗グラフィック。筋電位コントローラー「バーチャルウォーカー」の新技術部分が目立つが、MMOとしてのバランスが最高に良いのだ。なので、サラの身体能力の高さは、このゲームでは貴重な才能として扱われる。


「あー、そうなの〜?」

とまんざらでもない様子。


「じゃ、みんなで頑張ろっか!」

と笑った。かんたんなサラであった。

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