表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/368

第十二話『二百万分の一』

「ぇ、ええええぇぇぇぇ!!きゅうまんきゅうせんきゅうひゃくきゅうじゅうきゅう!!??」

Lv.1の僕がスライムに与えた、ダメージ「99,999」を見て、驚き、叫ぶサラ。先ほど、スライムと死闘「?」を繰り広げたサラは納得が行かない様子だった。


「お、おちついて、サラちゃん!」

魔法使い奈緒子が、武闘家サラに言う。

しかし、サラは続ける。


「だって、だって、99,999だよ!!さっき私が、かかと落としでスライムを倒した時のダメージ、15とかだよ!!同じLv.1なんでしょ??」

と、テンションの上がりつづけるサラ。

確かに同じLv.1なのだ。ただし、この世界最強のLv.1なのだけど。

実際攻撃力は最大だがHPは同じなので、何回かスライムにぶつかるだけで死んでしまう。最強で最弱のLv.1なのだ。


「SSSクラスの武器だからね。このくらい出ちゃうかもしれないよね」

と、僕は言った。存在すら確認されなかった、最強の武器を最初から手にしてしまったのだ。まさか、こんなに強いとは思わなかったけれど。


「SSSクラス!!」

奈緒子が驚く。

ある程度RPGに詳しい奈緒子は信じられない、というようなジェスチャー、顔に手を当てて驚いた。

そして、一拍置いて続ける。


「実在するんですか、そんなの!」

「ここに確かにあるみたいだね。」

と、僕も応える。SSSランクの武器を最初に手に入れるのは、雲をつかむような確率の話でまだ地に足がつかない、でも、確かに本物のようだ。


「99,999って私が与えたダメージの一体何倍なのよ一体!!」

「およそ、6666.6倍」

と間髪入れず、僕が応える。


「それ、およそじゃ、ありませんよ」

と、クスクスと笑う奈緒子。


「多分、SSSランクって、200万分の1とか、もっと低い確率の武器なんだよ」

「そうなの!?」

と、サラが驚く。


「だから、200万倍強くないだけマシかも。」

と笑う僕。


「そういう計算〜??」

と笑い返す、サラ。


「じゃ、いっか!与えられた武器で戦うのが人生ってもんよね」

突然、哲学的な事をいう。たまに驚くような事をいうサラ。多分真剣に運動部をやってきて、勝負の世界に身を置いている感じがするので、そこでたどり着く境地なのだろう。


「与えられたもので、最大限楽しむのが、人生よね!!あなたはその武器でこの世界を存分に楽しむのがいい!!」

「うん、ありがとう!そうする」

と笑った。SSSランクのあまりの凄さに、僕もとまどっていたのだが、サラの言葉で前向きになれた。楽しむ。それがほんとに一番いい。


「なんだか、サラちゃんは先生みたいですね。」

「そうかな〜」

と照れるサラ。満更でもない様子だ。そして、調子にのったときの悪い笑顔を浮かべた。


「先生になんでも相談するがいいよ、若者たち!」

と、腰に手をあてて、エッヘンというジェスチャーを取りながら笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ