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王様の放浪日記

緑のある景色

作者: 東雲 一鞠

 人間の立ち入らない、かつての地球を思わせる静かな森。土は緑で覆われ、侵入者を拒むように木々が生い茂る。泥濘んだ地面を踏み、鎮守の森の結界を破る。俺を通せよ、と行く当てもないくせに、奥へと進む。遠くで鳥が、鋭く鳴いた。

 冷たい空気の向こうに、巨大な黒い塊が見えた。地球の核だとでも言わんばかりの大木が、聳え立っている。なだらかに脈打つ肌、空を掴む腕。あまりにも力強いそれに、思わず息をのんだ。

 鳥の影が、森の緑を黒く染めては去っていく。大木の根元に腰をおろし、その肌に耳を当てる。かすかに、水の流れる音が聞こえた気がした。


 青かった空が、オレンジ色に染まっている。いつの間にか眠っていたようだ。空気が澄んでいると、よく眠れるらしい。うん、と伸びをする。生命の源に背を向けて、俺はまた歩きだした。

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