舞い降りる死神
「ライトニングのスキルは使えねーな。ヘタしたら成仏させちまうかもしれん」
この元は一般人であるゴースト達を倒す事は死に繋がる為に出来ない。気絶させて突破していくのが一番だがこの中にもインブレのプレーヤーがおり、その連中の動きだけは段違いで非常に戦いずらい状況である。
「トーシロとそれなりのプレーヤーを混ぜられたら加減の使用を間違えるぜ。いつまでもこのままじゃいられねーし……」
三体のゴーストにボディブローをかまして、首筋に手刀を入れて気絶させた。だが、誘っても相手はプログラムされているのか車両と車両の間を繋ぐ扉の前から出て来ない。その隙に手前のゴーストの攻撃をくらい、間違えてライトニングカウンターを使ってしまう。鋭い閃光が弾けてゴーストは煙を上げながら倒れる。
「やっちった! ここは十両目だから後、九両も前に行かなきゃならねーのかユキ……って、ユキはいねーし、わかってるし!」
と、ライトは自分で自分にツッコミを入れながら目の前の敵を倒す。完全に焦ってどうにもならなくなってるのは自分でもわかっていた。まだ一両目なのにもう五分も経過しているのを確認し、身体が硬くなり出しているのを感じているとゴーストの蹴りが腹部にクリーンヒットし、ライトニングカウンターを当ててしまったゴーストの上に倒れた。それを追撃しようとするゴーストの群れを見ないライトはライトニングを当てたゴーストを見ていた。瞬間、群がるゴースト達はライトニングで一掃された。
「なーる。このゴースト見て解決作が浮かんだぜ」
ライトニングカウンターを間違えて当てたゴーストは何故かゴースト化が解除され人間に戻り意識は失ったままだが元にに戻っていた。つまり――。
「電気ショックでゴーストにしたんなら、また電気ショック決めりゃいーだろ!」
偶然にもライトニングを放つ時に発生する微弱な電気能力が役に立ち、ゴーストの群れをなぎ倒して一気に先頭車両に進む。連結部を抜けて次の車両でもゴースト達をライトニングを纏う拳で倒し、ついに八両目の扉を開けて九両目の連結部の狭い通路まで来た。時間は三十分を過ぎているが、この調子ならボス戦に二十分近くかけられる。つまり、勝利は手堅い状態にあった。
「よーし、次も一気に決めるかな……っとお!」
突如、列車と列車の連結部分から次なる車両に移ろうとすると、死神のデスサイズがライトを急襲する。危うく列車外に落ちそうになりながらライトニングドーンをサクヤにかますが、デスサイズの刃で受け止められた。同時に、ライトは身体を大の字にして叫ぶ。
「デススパーク!」
バリバリバリッ! と高出力の電撃が周囲に散った。それを受け止めきれないサクヤは感電し、よろける。
「やるわね」
トントンッ! とサクヤは九両目の車両の扉の前に立ちライトを見据える。息を整え鉄の柵につかまったままスッ……とライトは暗闇の外に向かって腕を出す。ジジッ! という反応と共にログアウトのメニュー画面が現れる。
「……やっぱこっちからはログアウト出来ても向こうからはログイン出来ないシステムか。くだらねぇ事しやがって」
「そんな事をわざわざチェックするなんて相変わらずの早漏っぷりね」
「早漏はお前だサクヤ。ボスならボスエリアにいやがれコノヤロー」
「知ってるでしょう? 私は昔から気まぐれなの。もうデススパークは使った。遠距離攻撃はこれで封じたわよ」
「そうだな。このデススパークは昔、サクヤから言われて得た力。音速で動く俺の第二の切り札になった」
音速で動くライトはそのスピードで物体にかするなどして微弱な電力を溜め込んでいた。その溜めた電力をフルで放つのが第二の切り札であるデススパークであった。唯一の遠距離攻撃もまた電力が溜まるまでは相当かかる為にもう魔列車で使える事は無い。
しかし、その事よりも目の前の少女が何故引退したのにも関わらずまたこうして自分の前にインブレ内部で現れたのかが気になった。
「サクヤ……引退したんじゃないのか? いい加減答えろ!」
クスクス……と笑いながら紫のツインテールの少女は自分の過去を語りだす。
インブレのテスター時代からの相棒であった少女の過去にライトは驚愕する。
サクヤは金持ちのライトとつり合う為にゲームに課金し過ぎて親のカードを使い借金を重ねていた。その時、父親はリストラにあい母親は鬱になり路頭の挙句一家心中になったが、サクヤだけは海の藻屑にならずに生き残った。大海原に沈んでいく愛する家族を捨てて生き残った。そして潮に流されるまま沖についてさ迷っていると、とある老舗旅館に拾われた。
そこで下働きをしながら自分の身体を売ってでも借金は返さなければと思うサクヤは裏で客を取った。金持ちそうな初老の着物を着た老人を見つけた為その老人を相手に選んだが、選ばれていたのはサクヤの方だった。京乃来托である着物姿の京乃グループの社長はサクヤをインブレのヒャーマンプレーヤーとして登用したのである。そして、借金は完済され京乃来托の私兵としてインブレ内部で暗躍するデスガールとなったらしい。
「……色々あったみたいだな。その借金は俺が作ったようなもんだ。あの時の俺はテストサービスが終了して本稼動を始めたインブレに夢中だった。相棒であったお前を見てなかったんだな……」
「そう、貴方は私を見てはいなかった」
突如、死神の鎌が目の前に振り下ろされた。入ってきた扉まで飛び下がり、穴が空いた連結部の床を見てから九両目の屋根部分を見上げると、ゴスロリファッションの死神少女が無機質な瞳をこちらに向けていた。
「……」
いつの日からかサクヤとの距離が空いていた事にも気付かずにいた事に後悔した。
そして、改めてサクヤの小さい頭の顔を見つめた。
「あの頃ほどの眼差しの熱さが無いわね。もうインブレの闇に触れて飽きたのかしら?」
「飽きた? 飽きるわきゃねーよ。京乃イマジンの親会社の社長の京乃来托とやらがこのヒューマンログインで何をしてんのかも気になるしな」
沈んだ気持ちを立て直すライトはガッ! と拳を叩き気合を入れる。しかし相手の死神は何の反応もせず次の攻撃に移る。敵の攻撃は大型の鎌のわりには早く、この足場と狭い空間では戦いづらくてしょうがない。赤いスキルゲージの半分をすでに消費している為、ライトニングカウンターの一撃で今度こそ仕留めたい。残りの時間が十五分を切るのを確認し、無表情の死神に対し無駄口を叩く。
「久しぶりなんだからもっと話そうぜ。俺はサクヤについてもインブレについてももっと知りたいんだよ」
「そんなに口を動かさなければ隙を作れないなんて、落ちたものね」
何故か下を見たまま九両目の屋根から動かないサクヤはデスサイズを振りかぶる。その行動に疑問を抱くライトは全身に恐怖の電流が流れる。下を向く死神は列車と列車を繋ぐ命綱である連結部を切り裂こうとしていた――。
「チッ!」
それをやられたら強制ログアウトだと思い必死に九両目に飛び乗る――が、連結部を切断せず振り向き様に勢いのまま投げ飛ばされたデスサイズはライトの背中をとらえていた。
「が……はっ!」
突き刺さるデスサイズは左の腰から前の脇腹を突き抜けていた。
痛みと衝撃で着地は成功せず、九両目の屋根から転げ落ちそうになる。痛みにたえながらデスサイズを引き抜きサクヤに投げつけるが、簡単にキャッチされる。そのサクヤの口元は微妙に笑っていた。
「野郎……絶好調じゃねーか」
かつて、あの冷気を纏う笑みを出したサクヤの圧倒的な強さを思い出し、微笑むと同時に血が吹き出る腹を抑える。この傷は現実にも引き継がれる為、早めの治療が必要だがアイテムを使う為のメニュー画面を開く隙が無い。
「あー、相当イメチェンしちゃったよ……そっちは黒でこっちは真赤。これを合わせりゃ、ダースモールじゃねーか。なぁサクヤさんよ?」
傷口の酷い出血でHPゲージが毒をくらった時のように徐々に減り続け、足元が血溜まりになりながらもライトは減らず口を叩く。相手がお喋りだろうが、無口だろうがこのスタイルだけは変えない。無駄口こそサクヤから言われた自分の成長の糧とするスパイスだと信じているからである。
(サクヤ…お前の言われた事は実践してるぜ。そのおかげでここまで来れた。そして俺はライトニングカウンターで勝つ)
ガタンゴトン……という魔列車の揺れにライトは息を呑んだ。
血が流れる感覚が列車の振動で早まって行く。
長い一秒、一秒が流れていき両者の必殺の一撃を放つ瞬間を待ちわびるように一筋の汗がライトの額から流れ落ち――。
『――うああああああああああああああっ!』
シュパア! と黄色と黒の閃光が一閃した。
完全にライトニングカウンターをかましたライトは、魔列車から落ちそうになり柵を掴んだまま身動きが取れないサクヤを見た。
「おい、サクヤ。いい夢見ろよ」
「――?」
「縁があったらまた戦おうや」
その言葉と共にライトはデスサイズを投げ、死神の首が飛んで消滅するのを見た。
「……」
そしてタイムリミットまで十分となり一気に駆け抜け九両目の車両に入る。
途中の車両にはすでにゴースト達は誰かに倒されたかのように倒れていた。
(……何だ? サクヤを倒したからもうゴーストは動けないのか? なら先頭車両までいって魔列車を止めるだけだ!)
扉をブチ破り先頭車両に突入した。
そのボスエリアにはとんがり帽子をかぶった白いセーラー服の少女が待ち構えていた。
「よっ! 大将! 景気はどうだい?」
「上々だぜネーチャン! って何でユキがここに!?」
そこには何故かこの電車に初めからいなかったユキが待ち受けていた。
※
ボスエリアの先頭車両で待ち受けていたユキにライトは多少の不信感を覚えながら問う。
その間、ユキはライトの腹部の傷を回復スキルで癒して行く。
「どうして来れた?」
「無理矢理電車に飛び乗ってログインしたの」
何度か連結部で手を出してログアウトしそうになった結果、現実世界で暴走列車と化す魔列車に飛び乗っていたユキはその一瞬を利用しログインに成功していた。
「あれ結構前だぞ? 早く来いよ」
「到着したら死神と戯れてんだもん。ちょっと焦らして登場してやろうと思ったのよ」
「おかげで腹に穴が空いたんだけど?」
「回復させたから許しなさいな。それとももっと大きな穴あける?」
笑っていない目をしているユメに首を振ってライトは車掌室に侵入すると、目の前の空間に黒い渦が発生した。
『――!?』
のっそりと闇をかきわけるように現れた紫色の毛先がピョンと跳ねたツインテールの少女に二人は戦慄する。倒したはずのサクヤが生きているのである。サッと戦闘モードになるライトは構えながら問う。
「お前……何で生きて……」
「捨てアカウントよ。本気を出していないのは他にもいるでしょう?」
悪意に満ちた目で一瞬、ユキを見た。
今のサクヤこそが本物で、今までのサクヤはただのデモンストレーション用の捨てアカウントにしか過ぎなかった。
そして、このインブレでのラスボス戦の話になる。
「インブレのラスボスを倒すのに必須のアイテムを教えてあげるわ」
「何だ?」
「三種の神器よ。知ってるでしょ?」
「インブレの初のイベントの三種の神器か……あれは俺がテスターとしてプレイしてた時代に手に入れて消えた代物だ。あれはチートすぎる力だからテスター全員に回収依頼が出たんだ。その時の活躍でライトニングとしてゲーマーに認められたんだがな。お前と共に」
二人は、小学校六年の時にキョーノでテスターをしていた時を思い出す。常にライトとサクヤは最強として存在し、二人の戦績はどちらかが勝てばどちらかが負けるといったシーソーゲームで千対千のドローで終わっている。ツーマンセルやパーティバトルでも無敗を誇ったインブレの礎を作った二人。
昔の事を思い出したライトは苦虫を潰したような顔をし、
「今更、三種の神器を集めてどうなるんだ? お前がインブレをクリアする英雄になって世界の廃課金共を救おうっていうのか?」
「そうでもあるし、そうでもない。三種の神器にはこの世の全ての課金エネルギーが注がれている。それは人間の欲望そのものと言ってもいい」
「あれがインブレ内に存在してるとして、どこにあるか検討はついてんのか?」
「えぇ。だから私は無限中学に転校して来たんじゃない」
「……どういう事だ?」
デスサイズを構えるサクヤはじっ……と強い眼差しで電閃を見据え、
「京乃来托は表のボス。現実とゲーム世界を融合させる欲望強き老人。でもゲームキャラに意思がある以上は裏のボスもいるのよ」
「裏のボス……?」
「ラスボスはキョードリーム。人間と電子の構成体を成す二人の悪魔」
「キョードリーム?」
「その女は麻痺、毒、石化、全ての状態異常を司り、様々な事象に干渉出来る夢の女。この女がインフィニティ・ブレインを現実と混同させる悪魔の女よ」
聞いた事も無いボスである、キョードリームという名の女の存在を知ったライトは欲望の深い怪物であろう女を想像する。その悪意の魔手である執念の触手は子供達の無用な課金を促し、それだけでは飽き足らず現実世界との融合までもを行おうとしているらしい。
ゆっくりとライトは想像の世界から帰還すると、ガタンゴトン……という魔列車の揺れに現実を思い出した。目の前の死神の少女の紫の唇が動く。
「貴方が三種の神器を手にした時、貴方の全てをキョードリームは奪う事を忘れないで」
「待て! 何でそんな事を俺に教える――」
そして、サクヤは魔列車の窓を突き破り車内から姿を消す。タイムアップまでのカウントは一分前でそれに焦るライトは動くが――。
「勝ったか……」
祝福の音色が車内に鳴り響き、安堵の溜息を漏らす。そのまま床にへたり込みそうになるが、とりあえず後部車両に戻ろうと歩く。
「……魔列車が止まってない?」
そう、魔列車のボスであるサクヤに勝利したにも関わらず何故か魔列車は走り続けている。息を呑んだライトはサクヤが逃げた窓から外を見る。想像通り魔列車は鬼瓦線を走行し続けていた。タイムカウントは五十秒を切り、焦りや不安。焦燥と慟哭が一気に襲いかかってきてライトの心は折れそうになる。このままでは魔列車は脱線し、国家議事堂に突っ込むはめになり千人近い乗客と共に死産血山の山を築く事になる。
「……どうする? どうすれば……」
「このまま突っ込めばいいんじゃない?」
「はぁ?」
マチかよと思うライトはユキの白い顔をまじまじと見つめた。
止まらない魔列車にいる事に動じないユキは召喚魔法を使う。
「……我が夢より生まれし傀儡よその身を我に捧げよ。ドリームドール!」
シュパアァァァ! という白い閃光と共に一匹の青いトリプルテールの妖精が召喚された。そのインブレの金庫番である妖精は口に小判をくわえたままよだれを垂らして寝ていた。
「ミーナを召喚したのか? でも基本的にマネーキャッスルの管理しか出来ないこいつに何が…」
「ミーナはあの場所でしか戦えないようプログラムされてるけど、サポートなら出来るわよ…っていい加減起きなさい」
バシッ! と叩かれたミーナはここはどこだ? 私は誰だ? と言わんばかりに目をこすりながら周囲を見渡し起きる。そして、ある程度の現状を理解しその小さな身体の妖精は両手を天に掲げ意識を集中した
「ビッグマネー小判でこんな列車止めてやるわ! 行くわよ~!」
ミーナの言葉と共に魔列車の前方には黄金の大きな小判が出現し、魔列車の進行速度を急激に落とす。だが、魔列車を止めるには弱く魔列車は国会議事堂に突っ込むワープゲートまで進み続ける。それに対しユキは、
「ライト、私の転移スキルで列車の外に出てライトニングドーンをかますのよ。ビッグマネー小判とライトニングドーンのコンボでこの魔列車を止める」
「でも、外はすぐにログアウトするんじゃないのか?」
「ところがどっこい、この魔列車は鬼瓦線全体をカバーしてる現実の電脳空間。つまり、鬼瓦市全体はタイムリミットまでは現実世界と繋がってるインブレなのよ。だから外でもインブレのスキルが使えるの」
「成る程な。なら善は急げだ!」
すぐさまライトはライトニングドーンのタメに入る。これがスキルゲージ最後の一回分のエネルギーの為にこれで止まらないと三十秒後には日本の政治の中心部はゲーム世界から飛び出して来た列車によって多数の命と共に崩壊する。
「転移スキルは五メートルが限度。列車前方に張ったビッグマネー小判で相殺してる列車の進行を止めるには更なる力で押し返す必要がある。タイミングは一瞬よ」
「能書きはいい。音速で決めてやるよ」
微笑むユキはライトの背中に手を当て転移スキルの詠唱を始めた。瞬間、ライトの目の前に魔列車が現れ、勢いよく突っ込んで来る。腰を落としアゴを引き、右拳に黄色い閃光を纏わせ――。
「ライトニングドーン!」
ズバーッ! という黄色い閃光の一撃がビッグマネー小判に激突し、魔列車は車輪から凄まじい火花と轟音を上げる。
「ぐっ…ああああっ!」
ザアアアッ! と一気に魔列車に押し切られるライトは歯を食いしばり、ビッグマネー小判の壁と一瞬に暴走列車を止める為に苦心する
限界を超えるミーナのビッグマネー小判が粒子を散らし消え始める
何も出来ないユキは列車の車掌室の窓から右の拳一つで列車を止めようという金髪の少年を祈るように応援する。
「……ミーナも限界か。ここいらで止まれよ……ガッ!?」
グキッ! という鈍い音が右腕の肘辺りでした。この押し返しの無理がたたりライトの右腕は折れてしまった。これは現実にも引き継がれる怪我である。
「こ、こんな怪我の一つや二つ!」
ライトニングドーンの効果も切れてライトは両手で列車の車体を押し返す。ビッグマネー小判も解除された現状では列車のスピードを減速させるものが何一つとて無い為にライトはひたすら線路を引きずられ後方の国家議事堂に魔列車を転移させるワープゲートに向かって行く。スキルを発動しようにもスキルゲージも切れてガス欠の状態では何も出来ない。
(こんな……こんな所で俺は……!)
テスター時代から今までの日々を振り返り、自分が常に最強であった歴史を走馬灯のように思う。しかし、その最強とは課金のなせるもので、課金サポートの無いこの魔列車のフリーマッチでサクヤに結果的に勝たされた事にライトは今の自分の弱さを知り、ただひたすらに相手とのテクニックを競い合っていた初心に返る。その一つの成長の光明が指すと同時に、現状を打破するかもしれない光明も指した。ライトの隣には茶髪のポニーテールの少女と青いトリプルテールの妖精がいた。
「ユキ、ミーナ!」
「こんな列車さっさと止めるわよ金髪の大将!」
「腹が減ったから急ぐわよん♪」
その二人の支えは心の支えになりライトのパワーは増す。
「たりめーよ!」
二人と一匹で魔列車を押し返す。その力は前より弱いはずであるのにも関わらず、魔列車の進行速度が若干削がれた。そして、心を一つにして暴走する鉄の塊を押し返す。
『うああああああっ!』
黄色と白と青の閃光が弾け、魔列車は抵抗する三人の障害物を弾き飛ばした。
そして、魔列車はワープゲートを突き抜けた――。




