表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/21

マネーキャッスルのミーナ

勢いを無理矢理取り戻すようにライトはボスエリアに向かい音速で駆けながら迫る敵を倒していく。フィーバータイムの為、ボスエリアまでは無制限のようにバトラーが現れ続け遠距離攻撃が出来ないライトを取り囲んでいった。それを後方からサポートするユキは落ちそうになるとんがり帽子を抑えながら構える。右の拳に白い粒子が収束し――ユキの必殺技が炸裂する。

「ストライクドリーム!」

 散りばめられた星屑が爆弾のように爆発し周囲のプレーヤーを一掃した。その隙をつき二人はテンプレ学園の裏庭まで走る。そのエリアは携帯やパソコンでプレイしている一般プレーヤーは侵入が出来ないゲーム内のキャラクター専用エリアだった。

「案外早く見つかったわね。ここが目的地よ」

「これがマネーキャッスルか……」

 そこはマネーキャッスルという看板がある金色に輝く一戸建ての大きな建物だった。このマネーキャッスルにインブレで課金されたマネーの全てが蓄積し、この場所から新しい武具や防具、そしてガチャガチャを試してレアアイテムを得るインブレの心臓部の一つでもあった。

「ここを潰せばインブレは俺達のものになんのか?」

「いえ、心臓部とはいっても肝心なのはマザーコンピュータの方よ。この場所は稼働さえしていれば内部の電子マネーが消えても一月はバレないわ」

「一月か。じゃあ、一月後にインブレの社長とかがチェックする時までにマザーコンピュータまでを抑えなきゃいけないんだな?」

「そうよ。でも、わずか四十分ちょっとでここまでこれたんだから余裕よね?」

「とーぜんよ。俺は金色竜王の血を引く存在だからな」

「中二病ね」

 フンッと鼻息を吐きそれを聞き流すライトは、堂々と正面からマネーキャッスルに進入する。内部を散策する二人は様々な武具やガチャが生産される工場内部を見て驚きながら最上階にたどり着く。そこは大量のインブレ内で使用される小判が整然と置かれていて、ライトは息を呑んだ。

「おい、ここに電子マネーの塊が山積みになってんぞ! まさかここは――」

 頷くユメもライトと同じ事を思う。

 ここはインブレの全ての課金者から得た金を管理する小判センターだった。

 大量の黄金の小判が整然と積まれているが、それに触れてもデータとして固められている為に崩れる事は無い。課金された小判を眺めながらこの建物のどこかにいるミーナというボスをライトは思う。

「ミーナまでは後どれくらいだ?」

「……到着みたいよ」

「?」

 背後にある異様な殺気に二人は振り返る。

 そこには青く長い髪をトリプルテールにしてなびかせる水の加護を受ける豊かな乳を揺らす水神の衣というドレスを着た幼女がいる。

「……私の本体に辿りつくという事は、貴方達はイレギュラーという事ね。排除します」

 通常のプレーヤー達は個々の端末に現れるコピーミーナと戦っているが、この場所はインブレのマザーコンピューターから生み出されている本体のミーナの為、ここのミーナを倒せばインブレのマザーコンピューターの一部を支配する事が出来る。それは一般のプレーヤーにも確実に影響が出るものであった。

 先手必勝と仕掛けるライトは数度の激突の後、ミーナの小判投げを足にくらい倒れる。

 戦闘モードに入るミーナは突如、小さな手を口元に当てて表情を崩した。

「氷の女王……」

 不振な顔でミーナはユキを見据えるが、立ち上がるライトの一撃が頬をかすめる。

 瞬時にミーナは両手に小判を生み出し、全方向に向けて放つ。

「バリアドリーム!」

 白い小さな星屑の塊がライトとユキの身体をガードするバリアとなる。

 ジジジッ……! と周囲にある課金された電子マネーの小判にノイズが走り、空間が爆発の余波で起こる煙で乱れる。小判を武器に使う以上、ミーナはチートじゃないのか? という疑問を感じたライトはユキの何気ない告白に衝撃を覚えた。

「もうインブレで戦う覚悟が決まっただろうから言うけど、このインブレ内部でのダメージは基本的に引き継がれるわ。だから腕とか無くすような回復スキルやアイテムで完治しないダメージは受けないでね」

「何……だと?」

 この状況になってようやく現実にもダメージが引き継がれる事をライトは知る。それに恐怖し、相棒であるユキという少女がまだ自分に話している事があるんじゃないかと疑問に思う。だが、今はそんな細かい事を考えている暇は無い。目の前のミーナの行動にやはりな……という思いとマジかよ……という思いに駆られた。

 バリバリ……と積み重なる小判の一部を手に取りミーナは口に入れる。

 多少減っていたミーナの緑色のHPゲージが満タンになっていた。

(こいつ……先手必勝で与えたダメージが回復してやがる)

 青いトリプルテールを揺らす幼女は瞳孔を広げながら多少首を傾けてプレーヤーから得た小判を食べ続ける。

「お腹が空くのよ! すごくね!」

(ミーナは所詮はプログラムされた存在……こいつの空腹が課金で満たされる設定をしたのはおそらく……)

 頭の中に思い浮かべた京乃グループという存在を今は打ち消し、ライトは拳を構えた。

「ここは奪う。ここを拠点にする」

 ガッ! と拳を叩き、ミーナとの第二ラウンドが開始される――。





「格ゲーは読み合いだ」

 スッ、スッ……とミーナの間合いに入るライトはジャブやアッパーを叩き込む。

 サクヤに敗れてミーナにも敗れれば二連敗になるのがインブレ一位のプライドが許さない。それを援護するユキは相棒の少年の冷静ないつものインブレのライトの音速の動きに頼もしさを感じた。課金小判がある限りチート状態のミーナは徐々にインブレ一位のプライドを守る意思の堅い金髪の少年に圧され出す。

「このっ、このっ!」

 黄金の神々しい剣である小判ソードが空を斬り裂いている。ミーナはライトに一方的に攻撃を仕掛けるが、ひらりひらりと表情を変えずにかわされる。ライトはミーナの攻撃よりも、自分の反応速度のニブさが気になっていた。

(――遅いぞライト! もっと激しく! もっとしたたかにインブレに没頭しろ! 俺はインブレの一位のライトなんだぞっ!)

 心で葛藤するライトは自分ばかり見て、まるでミーナと戦っている感じがしない。

 接近戦はライトに委ね、魔法スキルを詠唱するユキは拳に白い星屑を発生させ――。

「ストライクドリームー!」

 と白い星屑の閃光を放つ。ミーナは右手の小判ソードでライトの拳を受けると同時に、手の平をかざし小判シールドを生み出した。ズゴウンッ! という音と共にストライクドリームは消滅した。

「上手く隙をついたつもりらしいけど甘いのよダミーちゃん♪」

 呟くミーナはパチン! と指を鳴らしライトを剣圧で吹き飛ばす。

 そのライトを受け止めるユキは自分の技が防がれた事に驚きを隠せなかったが、ライトを受け止めた一瞬の隙でミーナを見失う。

(……どこ? アタシが動揺してる?)

 周囲には隠れる場所も無い。ユキは辺りを警戒するが、小判の山がジジジッ! と発光を続けるだけで何の変化も無い。嫌な静寂が周囲を包んで行き――。

「ユキっ! 雪崩だ!」

「えっ……」

 ズガガガガガガガガッ――という小判の雪崩が二人を襲った。

 その津波に呑まれながらライトはユキに手を伸ばすがその手は無残にも離される。

 空間で嵐のように渦巻く小判の山は次第に落ち着きを取り戻し、ゆっくりと元置かれていたような形に整列した。必死にドリームという空間に干渉できるスキルを使ってこの小判達の動きを制御した。体力を使い果たしたのはユキは肩膝を地面につく。

 ボロボロになる黄色い学ランを脱ぎ捨て黒いTシャツ一枚になるライトは、

「ユキは無事か。あの青髪のクソ美人はどこに――!」

 ズボッ……と言う鈍い音と共に腹部から血が吹き出た。

 背後からライトは小判ソードに突き刺されていた。

「ライト!」

 立ち上がるユキは投げ飛ばされるライトを受け止め、回復スキルを発動しようとするがスキルが発動しない。先の小判干渉のファンタジックドリームでスキルのゲージを使い果たして残りは3しかなかった。意識を失ったままのライトは反応が無い。

「スキルゲージも底をついるからもうダメね。貴方達は正規ルートを辿る一般プレーヤーじゃないからここまで来る間にアイテムも獲得してないはず。後はダミー女を消せば終わりだけど……」

「!?」

 ユキは本能のまま、自分の頭上に拳を一閃した。

「ぐ……まさか空を飛べるとはね」

 肉が少し持っていかれた左肩を抑えつつ、空に浮かぶミーナを見上げた。

 ミーナはトリプルテールの一本で遊びながらあくびをしつつ、ユキを見た。

「諦めなさい。全ての事をね」

 少し表情を曇らせつつ、ユキに言った。

「何を諦めろというの? 私は諦めないからこそこうしてここで立ってる……京乃ユキとしてね」

「ダミーが本体を超えるなんて有り得ないわよ? どうなってるかは知らないけど、同一人物が二人存在するのは人間の世界ではないと聞いたけど?」

「……システム風情が何の情報を知っているわけ? 返答次第ではデリートするわ」

「マザーコンピューターは貴女をダミーだと導き出している。今は良くてもいずれこのインブレを破壊する得意点になる存在」

「答えになってないわよ」

 じっ……と鬼のようにユキは空中のミーナを睨む。

 芝刈り機のようにウィーンと両手を動かすミーナは両手の小判を構えながら、

「機械でもなく人間でもない貴女はどこへいくのかしら?」

 微笑むミーナは自分の豊かな胸を揉みほぐし、ユキに向けて矢のように迫った。ユキは拳で応戦するが空中を疾走するミーナを捉えきれず、すれ違いざまに胸を揉まれた。

「変態がっ!」

 苛立つユキはまたも空中に逃れたミーナに怒りをぶつけた。

 そして小判を放ち回避され地面に刺さって行くのを見ながら、

「いいオッパイですこと。でもサヨナラですわ」

 首を右に傾け、微笑みながら言った。

 瞬間、辺りの空間に違和感を覚えた。

「小判の監獄」

 ミーナは冷たく、鮮やかな声で囁いた。

 悪感を覚えユキは一歩後ずさると、黒のニーソがスパッと切れ血が流れた。

「やってくれるわね……」

「おしゃべりの間に編んだ小判の監獄よ。もう逃げられない」

 目をこらすと、金色のオーラの檻に閉じ込められている。

 ユキの周りはミーナの小判による死の檻になっていた。

 いわば、全てを切り刻みエネルギーを吸収する脱出不可の檻である。

 ミーナはまたあくびをしながら、

「なかなか良い出来ね。課金者が増えれば私も強くなるし、空腹も満たされる。眠いから死んで頂戴」

 いつまでもふざけた青髪の幼女にユキは呼吸を落ち着けて答えた。

「貴女は必ず管理する。今のメモリは書き換える」

「無理よ。このステージに来るには早すぎたの。レベルも力も足りなかった。ただ、貴方の外見だけは素敵よ」

「ありがとう」

 という言葉を残しユキは電撃を放つ小判の監獄に屠られた。

 空からその様をニィ……と眺めていたミーナは頬に小判を当てながら地面にそっと降り立つ。電撃で焼かれ煙を上げながら倒れているユキの頬に触れた刹那――。

 野獣のような殺気が真横からミーナに迫っていた。

「終わりよ――」

 突如、瀕死であったライトの音速の一撃がミーナの頬をブン殴った。

 確実にKOを取る一撃をかましたライトは肩で息をしながら口元を抑えた。

 ズザァ! と地面に手をつきながら小判シールドで顔を保護して渾身の拳に耐えた。

「甘いわね。もう負けられない貴方が生きてる事なんてわかっていたわよ。でも負けるんだけどね♪」

 ライトがまだ動ける事を予測していたミーナは殴られるであろう頬に小判を貼り付けていて防御の体制を整えていた。

 すでに残るスキルゲージも1で絶体絶命のピンチである。それを知るミーナの金色の剣の一撃が迫る。もう絶対不可避の攻撃には右腕を引いてカウンターをかまそうとするが決して間に合う時間は無い。容赦無く心臓に小判ソードの切先が突き刺さり、意識を取り戻したばかりのユキの顔が呆気に取られた顔に変化した。

「ライトニングカウンター!」

 瞬間、まばゆい閃光が発してミーナを吹き飛ばした。右拳を突き出すの全身からは光の粒子が散る。

「な、何なの今の技は? 確実に心臓に後一秒あれば突きさせてたのに……いや、スキルゲージが10もないのに何でそんな……」

「ライトニングカウンターはHPが10を切ればスキルゲージ1で放てる技なんだ。お前の一秒なんざこっちからすれば十秒になるさ。閃速のライトニングをなめんなよ」

「早漏……のくせに」

 そして、ミーナは青いトリプルテールを揺らしドサッ……と地面に倒れた。

 グッと自分の右拳を握るライトは、

(……そうだ。ライトニングカウンターがそう簡単に防がれてたまるか)

 思うライトはサクヤ戦で敗北した自信を少しずつ取り戻していった。

 よろめきながら歩くユキは落ちたとんがり帽子を広いかぶる。

「閃速を移動で使うにはまだでしょ? まだ必殺技以外は音速の域を出てないわね」

「まぁな。俺のライトニングは世界で一つのオンリーアバターだからいつクラスチェンジするのかさっぱりわからん。まー、その内音速を超えるだろ――?」

 すると、マネーキャッスル内部だけではなくテンプレ学園エリア全てに祝福の旋律が流れ始める。聞き慣れたこの音にライトは全てが終わったと溜息をつく。

 ――朝のフィーバータイムが終了しボスエリアの時間が終わったのである。

「勝ちね。もうミーナには何も出来ないわよ」

「そうなのか? いきなり復活しないよな?」

「昼のフィーバータイムまでメンテが入るから何も出来ないでしょう」

「じゃあ、フィーバータイム以外に来れば良かったんじゃないか?」

「メンテ中じゃボスには会えないのよ」

 そして、このミーナの存在をどうするか二人で相談した。

 あくまでもシステムごと人格を変更したいユキとそれはどうだろうか? というライトの話は続く。その中で、ユキの言葉の強さに多少辟易する感情をライトは抱いていた。

「ミーナは課金されないと存在出来ない存在よ」

「課金されないと存在出来ない……。なら、それを変えてやるよ」

 倒れるミーナの身体を起こすライトにユキは、

「始末しなくていいの? こいつはシステムごと書き換えるくらいしないと……」

「そりゃゲームキャラとはいえ可愛そうだろ。用は俺達がインブレをクリアするまでにこいつを悪さをしないようにしときゃいいんだろ?」

 言うなりミーナの豊かな乳をまんべんなく揉む。それを見て唖然とするユキは叫ぶ。

「何で胸もんでんの!?」

「仕方ないだろ! 左胸がメインメモリなんだから!」

「メモリに何の関係があるのよ?」

「サジェスト汚染させた」

「サジェスト汚染?」

「こいつはインブレのメインコンピューターなんだろ? ならここで俺達に不利にならないように仕込んどくのが一番だ」

 ライトはミーナをサジェスト汚染させる事によってインブレ内部での自由な立ち位置を得た。これにより課金システムなども一部の未成年ユーザーに対して返金が可能になるが、今はしない。何とかこのまま一ヶ月後のアップデートまで今のままにしなければ、ゲーム内部で勝手に動いている存在がいる事がバレてしまうからである。

「……これで一月はもつはずだ。次はどこへ向かえばいいんだ?」

「インブレが管理下におかれたなら次はランケーブルに侵入してのマザーコンピューターに向かう……けど」

「けど?」

「そろそろログアウトしないと不味いわね。定期課金チェッカーの巡回が来るから」

 すると、白いやかんのようなロボットが現れ周囲を目のライトでサーチしながら異常がないかチェックしていく。

「これでこいつはしもべにした。これで課金問題はもう起こらない。後はここの金をインブレの開発者にバレばれないように一月以内にマザーブレインを破壊するだけだな」

「そうね。でもミーナがサジェスト汚染でやられた以上、どんなにカモフラージュしてもバレるわよ」

「後はマザーコンピューターだけだろ? なら一月もいらねーだろ」

 微笑むユキはかつての相棒であるサクヤに敗北しながらもミーナに勝つ事で完全に立ち直った金髪の少年を見据えた。

 すると、ミーナの身体が青く発光し周囲の空間を青白い光が満たす。

 ムクッ! と起き上がるミーナは身体が小さくなり妖精になった。

 しかし、基本的に電子マネーの小判を食べている。

「妖精になれば、多少は食べても多くは減らないだろ」

 妖精サイズになって背中の羽根でパタパタと飛びながら小判を機械的に食べるミーナは強烈なカンチョーをされたようなハッ! とした顔で自我が目覚めた。

「――ぬ? 私はミーナここはどこ? 小判はそこ?」

 新しい小判を求めるミーナをライトは指で弾く。すると、圧倒的強さを誇っていたミーナは蚊トンボのように地面に落ちて行く。え? と思うライトとユキは何故か弱体化しているミーナに驚きを隠せない。自慢の金髪をクシャクシャとかき倒れるミーナを拾うライトは、

「敵が仲間になって弱体化とかスタロボのショウクロカワかよ」

「ショウクロカワ?」

「敵が味方になると弱体化するってゲームのテンプレなんだよ。特にボスキャラとかが弱いとかなりショックだ」

 するとハッ! と空腹によって目覚めたミーナが言う。

「それはそうね。嫌なゲームもあるものねぇ」

『お前がそうだ!』

 二人からデコピンによるツッコミを受けた。

 そして、ミーナからインブレのマザーコンピューターである場所はどこにあるか聞くが場所まではわからないという。そのマザーコンピューターは氷の女王と言われるらしい。二人はミーナから見せられた氷の女王の画像を見せる。

『……』

 インブレのラスボスである氷の女王は冷たい培養カプセルに入った胸の前で手を交差させる一糸纏わぬ電子の妖精と呼ばれる美少女だった。透き通るような素肌の少女の顔を見てライトは思う。

(どっかで見た顔だな……)

 コツン! とユキの手が額に当たり、

「早く出るわよ。メンテがもう始まってるだろうから」

 言いながらユキがマネーキャッスルにフンタジックドリームのスキルである空間干渉の力で星型のマークを地面に刻んだ。それをミーナと共に見るライトは、

「ワープポイントか?」

「そう。もしもの時にすぐにここにこれるようによ」

「そっか。じゃあなミーナ。あんまり小判食うなよ」

 了解! と言いながら妖精サイズになるミーナは敬礼した。

 そして、ライトとユキはテンプレ学園ステージからログアウトした。





(現実か……――!?)

 薄目を開けるもうライトニングのライトではない電閃は電車内の蛍光灯のまぶしさに多少の不快感を感じながらゆっくりと目を開けて行く。目の前にはさっきまで一緒だった相棒がいた。やけに近いと思いながら思考が電脳世界から回復し、拡がって行くと唇に柔らかな艶かしい感覚が伝わってくる。

「!?」

 それはインブレにヒューマンログインした時と同じくまだキスシーンであった。

 同時に、無限駅で鬼瓦線はプシュゥゥゥ……と停車した。

「……! マ、マチかよ!」

 真っ赤になる電閃は一目散に鬼瓦鉄道から下車した。

 ヒューマンログインという貴重な経験をしたインブレランンキング一位の電閃は様々な人間の欲望を知りながらも、自分の強さへの自身を高めながら無限学園へと登校した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ