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だいさんわ

 ロクな食事がでないことも多々あるが、時折運ばれてくる肉団子に関しては

デュカリス的に割と美味であった。

何の肉かわからなくはありましたが、普段食べているものと比べれば肉であるだけマシである。

一番最初は、いわゆる前世の知識が少しだけ抵抗を示したが、残飯を出した時の折檻や

虫としての本能の前では、

そんなもの炉端の石ころ以下であった。

 さらに極稀に姫種の幼虫らには、琥珀色のゼリーっぽいものが与えられることがあった。

俗にいうローヤルゼリーである。おひるねの後のおやつの時間に働き蜂のお姉さんが、

ローヤルゼリーを持ってきた日には、興奮のあまり姫にあるまじき行動をとったり、

妹のを奪おうとしたのを発見され、没収されてしまう姫たちもいる。

 デュカリスも、毎日のちょっとアレな食事の中で食べ物なんて栄養が取れればよいと、

若干やさぐれていたが、初めてローヤルゼリーを食した時には、

食べることの楽しみを思い出せたほどであった。

その歓喜の姿は、どう見ても淑女ではなかったが、初回のため見逃された。

その後2度目のローヤルゼリーを

食べる機会があった際にははしたなく喜んだために没収されたが、それ以後賢いデュカリスは

同じ轍を踏むことはなかった。

 何度かローヤルゼリーを食べたときにデュカリスは、他のものを食べた時とローヤルゼリーを

食べた時では、

己の成長具合が違うことに気が付いた。具体的には、ローヤルゼリーのほうが経験値とか

素質の上昇がが強化されている気がした。

それにデュカリスも前世の知識で、ローヤルゼリーが高栄養であり蜂の中でもえらいやつらが

食べるということをなんとなく覚えている。そして、その認識は間違っていない。

ローヤルゼリーを食べたときに、自身のレベルがまた上がったことを感じた。


 基本的にこの世界は弱肉強食だ。

っていうか弱者が生きられるのは夢に出てきたヒトとかいう種族ぐらいだ。

戦って強くなり、殺して強くなり、食って強くなる。他にもいろいろあるが

そうやってとにかく強くなることがこの世界で生き残る術だ。

特に食って強くなるこれは素晴らしい。

 なんでかっていうと私たち幼虫組は育児部屋でごろんごろん寝てるだけで。

エサがもらえるからだ。

うん働き蜂君達ご苦労様。まぁ、ほんとに食っちゃ寝だけだと。世話係やらなんやらに

怒られちゃうので、

時折勉強や運動もするよ。一人称が|『私』になったのもその|『教育』のおかげだし。

 でも食事の当たりはずれが酷い。女王の教育方針らしく文字通り|『なんでも』

食わなければならない。

私姫だよ?エサがなければケーキを食べればよくなくないですか?

っていうか肉食の昆虫に植物とかおかしくないですか?っていうか、

ソテツもどきの木皮や昼顔もどきの種はともかく、

泥ってなんですか。というと、思い切りつつかれた。

なんでもその昔、独り身のころの女王が文字通り泥をすすって生き延びたことからきているらしい。

昔は昔今は今。毎日ランチにデザートを希望します。

――言っただけです。つつくのはやめてー。でももう泥はたべたくないよー。



ジャイアントヴェスパ幼虫|(姫種) 名称:デュカリス

属性 大地 虫 毒 弱点火、水 RANK E+ Lv3→7


HP498 SP500 ATK90 DEF83 INT2300│(種 限界値) MAG54 RES68 DEX83 AGI27

種族特性 強力なる顎 糸射出 穴掘り 高速成長 毒耐性 毒

スキル 遺伝2│(封印) 統率 知性大 巣作り 環境適応大 美貌 体温上昇

成長促進 吸収効率上昇小 寿命増加小 食の多様化

new 観察力向上

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