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四天王最弱だった俺、処刑されたら冥府で最強になってました  作者: ふりっぷ
第二章 地上で渦巻く陰謀

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四天王筆頭撃破! 劫火を腐食で喰らう冥府の王、復讐の第一歩

冥府から地上へ帰還したクアトロ。

最弱と嘲られ、すべてを奪われた復讐の第一歩が、

ここから始まる。

領地を毒沼にして味方を全滅させた元・四天王。

その汚名を、奴は嘲った。


……いや。


あの事件のあと、帝国中が俺を笑った。


三万の援軍が、毒沼化した前線で腐死したとき。

指揮官だった俺一人だけが生き残ったとき。

そして帝国は「最弱の無能の失敗」として、俺を処刑した。


だが本当は——。


「お前が俺に渡した魔道具が暴発したせいで、

 三万が溶けたんだが」


カプリチェスは静かに笑った。


「知っていたか。

 毒沼はお前が計算した防衛線。

 あの魔道具も魔力で暴走するような代物ではない」


胸の奥で、何かが切れる音がした。

黒炎が、渇望するように暴れはじめる。


「ディアボルスが呪印を仕込んだって言いたいんだろ

 ……それでお前を許すと思ってんのか?」


「弱者は犠牲になる。それが帝国の理だ。

 最弱のお前を庇って

 聖晶同盟と戦い続けた私が、どれほど苦労したと思う?」


苦労?

あのとき、俺は前線で血を吐くほど闘っていた。

光の戦士二人を同時に相手取りながらなぁ。


「だったら、お前の炎で俺を灰にしてくれよ」


「望むところだ」


その瞬間、大地が割れた。


《紅蓮の劫火・極》


灼熱の奔流が一直線に走る。


俺の視界が真紅で塗りつぶされ、

焦土平原の石も砂も溶けて液状化した。


帝国最強の炎。

劫火公爵カプリチェス・インフェルノの必殺魔炎。


だが——。


俺は膝の震えを止め、冥府の重みを思い出す。

王とは、逃げない者のことだ。


《灰の呪冠・冥府の権能》発動。


ズズズズズズズズッ!!!


紅蓮の灼熱奔流が、俺の右手に吸い寄せられていく。

黒い冠の形を取り、脈動しながら完全に取り込まれる。


カプリチェスの顔が、初めて凍りついた。


「な……!? 私の劫火が

 ……吸われて……消えていく……?」


冠が黒く輝き、喰らった炎を腐食の力へと変換。


「悪いな。冥府の全土を治めた俺には

 すべての階層の地脈が流入する」


「返すぜ。《紅蓮・腐食の黒炎》」


紅蓮と黒が混ざり合い、黒く燃える嵐が爆誕。

逆流する炎が、カプリチェスを飲み込もうと襲いかかる。


「が……あああッッ!!?」


「冥府で這い上がったんだよ。

 お前が捨てた最弱が、


 お前の炎を喰らって帰ってきた」


黒炎がカプリチェスの体を侵し、装束を腐らせ、

皮膚を炭化させていく。


「……クアトロ……!

 俺の炎はぬるくない!!」


 弾き返したはずの劫火が俺の体にタトゥーのように

 巻き付いてくる。


 一方、炎耐性を持つカプリチェスの足元も黒炎で腐り落ち、

 膝が落ちる。


 俺は荒れ狂う痛みを押さえつけ、静かに歩み寄る。


 劫火公爵がマントで黒炎を搔き消した。 


「聞け…!

 聖晶同盟の……お前と戦った聖騎士がどうなったか……!」


「関係ない。まずはお前だ」

 もたもたしていると冥府の力が俺ごと焼き尽くしてしまう。


《腐食の黒炎・極》


ジュワァァァァァァァァァ——。


全身が黒炎で染まり、

劫火公爵カプリチェス・インフェルノは、なおも続ける。


「聖女ルミナは毒沼に落ちたが…聖騎士フィンは軽傷だ。

 明日にもここに攻めてくる」


「俺にどうしろと?」


「力には責任が伴う…お前はもう最弱ではない。

 冥府の王かは知らんが、四天王の務めを果たせ。

 

 俺の領民を守ってくれ…」


カプリチェスが炭化した指を俺の額に当てると、

土の紋章に火の紋章が加わる。

同時に、俺に巻き付いていたタトゥーが消えた。


冥府の力逆流

【HP1500/5500】


【劫火公爵 撃破】

【新称号:《劫火を喰らう王》】

【火の紋章継承:劫火耐性+魔力上限上昇】


ドラミィが勢いよく飛びついてくる。


「主様ぁ~! 一匹目、溶けましたぁ~♡♡

 毒吸収で回復ですっ!」


俺は膝を付きながら視線を北の大地へ向ける。

地上で冥府の力を使うと、こうなるのか…。


「……何が四天王の務めだ、今更」


遠く、聖晶同盟侵攻の警鐘が鳴り響き始める。

人々の悲鳴が風に乗る。


俺は、誰かの理想のためには戦わない。

だが――奪われたものを取り返すためなら、聖晶同盟も喰う。

カプリチェス戦、いかがでしたでしょうか。

冥府の力は万能ではなく、地上では代償も伴います。

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