表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四天王最弱だった俺、処刑されたら冥府で最強になってました  作者: ふりっぷ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/7

冥土第五層で出会った最悪にかわいい階層主

こんな冥府の奥底でさえ、

たまに――本当にたまにだけど

――予想外の救いが転がってるんだよな。


たとえば、腐れかけのドラゴン娘とか。

溶岩の赤が大地を染め、

死体が空をゆっくり漂い、


地の下からは絶え間ないモンスターの咆哮――

まさに煉獄のBGM。


【HP 152/5050】

【MP 0/3000】


辛うじて歩くことが出来るが、

骨はずっとギシギシ鳴っている。


連戦が続き、どこかで一息つきたいが

周りはマグマで溢れている。


「……もう、限界ってレベルじゃねえだろ……」


熱風が吹き、皮膚がパリパリに乾いて剥がれていく。

五感を奪う煉獄。


そのとき――。


ドゴォォォォォォン!!!


大地が裂け、

溶岩が滝のように噴き上がる。


その中心から、

巨大な影がぬるりと姿を現した。


ドラゴンゾンビ《第五層階層主》

【HP:2500】


所々骨が覗き、口元に腐食のブレスを蓄えている。


「休憩どころじゃねぇか」

俺は生命力を指先に集め、黒炎を作りだす。


だが、ドラゴンゾンビは喜色を称え、姿を変え始めた。


「わぁ~~!

生きてる人(死んでる?)発見~~♡」


銀髪ロング。腐食の象徴、徴紫の瞳

破れたドレス。

溶けかけの翼。


「いや、どんな変化だよ。

銀髪がサラサラ揺れて、笑顔が天然すぎて

……ドレスから覗く腐れかけの肌が、なぜかエロ可愛い!?」


超巨体の腐れドラゴン娘。


満面の笑顔で、

俺に手を振ってきた。


だが、その奥にあるのは紛れもなく――

階層主の圧。


溶岩が一斉に逆流し、亡者の悲鳴が遠のいた。


「……お前が第五層の主か。

マジで勘弁してくれ……」


ドラゴン娘は胸を張り、

誇らしげに名乗る。


「オデ、ドラゴン・ゾンビガール!

 みんなドラゾンって呼ぶけど、

 もっと可愛い名前でもいいですよぉ~♡」


「なごむんじゃねえ!」


咄嗟に黒炎を叩き込む。


ジュッ!


熱い息が顔にかかる距離で、

腐った肉の臭いが鼻を突くのに


……なんで回復してんだよ!?


【《すべての毒吸収》発動】

【HP 2500 → 2458 → 2500】


ドラゾンは首をコトンと傾げ、

嬉しそうに尻尾を振った。


「オデ、《すべての毒吸収》持ち、腐敗の体なんですよぉ~。

 触ると普通は死んじゃうゾン♡」


「普通じゃねえ体してるな!?」


直後、巨大な尻尾がしなる。


ドガァァァッ!!


【HP 65 → 30 → 毒吸収 → 60】


「ひゃぁぁ!?

 あなたも毒吸収持ってるのぉ!?」


……わかった。


俺が攻撃する

→触れる

→毒吸収で爆回復。


つまり、


【HP 60 → 100 → 200 → 300……】


ドラゾンの紫の瞳が、

まるで仔犬みたいにキラキラ輝いた。


「主様ぁ……

 もっと……もっと触ってください~~♡」


「誰が主様だバカ!!

 いや触るしかねぇけど!!」


抱きつかれ、押しつぶされ、

殴られ、転がされ、

ついでに頬ずりされ――


攻撃されるほどHPが増えていく謎の地獄。


――10分後。


【HP 850/5050】


「……ぐふっ……

 もう嫌だ……」


ドラゾンはうっとりした顔で敗北宣言。


「主様っ!

 オデ、負けましたぁ!

 これから一生ついていきますゾン~~♡」


「勝った気はしねぇんだが……」


立ち上がった俺を見て、

ドラゾンが首を傾げる。


「でも主様、

 最大HPまだいってないゾン?」


「これでも元・四天王だからな!」


その言葉に、

ドラゾンの紫の瞳が妖しく輝いた。


「じゃあ……

 もっと回復させてあげますぅ~~♡」


ズゴゴゴゴゴゴッ!!


ドラゾンが本気の姿に変身。

超巨大・腐敗ドラゴンゾンビ形態!


翼はボロボロ。

鱗は剥がれ落ち、

口元には腐食の紫光が渦巻いている。


『腐食のブレス・全開』


「ちょ、待て――」


ドゴォォォォォォォォォォォン!!!


辺り一面が毒の沼に変わった。


毒の雨、

毒の霧、

毒の地面。


【《すべての毒吸収》暴走発動】


【HP 850 → 1500 → 3000 → 5050/5050】


【状態:HP全快】


毒の暴風の中心で、

俺は天を仰いだ。


「暴発で毒沼化……なんか、昔の俺みたいだな」


少女姿に戻ったドラゾンが、

頭をポリポリ掻く。


「ちょっとやりすぎたゾン~。

 でも主様ピンピンで嬉しいですぅ♡」


俺はため息をついて、

ドラゾンの背にまたがる。


「……まあいい。

 行くぞ、ドラミィ」


「えっ、それってオデの名前ですかぁ?」


「一応、女性だからな。本体の時はドラゾンって呼ぶぞ」


「嬉しい!

 主様と一緒ならどこでもですぅ~♡」


毒沼を背に、

俺たちは第四層へ向かった。


【HP 5050/5050】

(初のフル回復)


【新仲間:ドラゾン (ドラミィ)

(第五層階層主・天然最強腐れゾンビ)】

新称号〈ドラゴン使い〉

【共闘補正:全能力+20%】

(毒回復コンボが極悪)


――こうして俺は、

冥土の煉獄で

最悪にかわいい味方を得た。

勝ったのか負けたのか、よくわからんまま仲間が増えた。

でもまあ、ドラゾンは強い。

天然すぎて怖いくらいに。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ