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四天王最弱だった俺、処刑されたら冥府で最強になってました  作者: ふりっぷ


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2/7

泥:HP5からの這い上がり

冤罪で処刑され、

HP5・魔力ゼロのまま冥府へ落とされた最弱四天王。

チートも祝福もありません。

あるのは、毒と執念だけ。

冥府最下層《慟哭の原野》ー無欲の泥沼。


【HP 5/5000】

【MP 0/3000】(枯渇)

【状態:全身崩壊・毒沼化進行中】


――三日目の夜。


立ち上がっては見たものの

俺は、また泥の中に沈んでいた。


足を取られて頭からダイブだ。


MPは完全にゼロ。

スキルすら使えない。


ただ息をして、泥を飲み込み、

吐き出すだけ。


「……冥府の毒沼手ごわすぎだろ……

 魔力ゼロ……

 気力だけじゃどうにもならねぇ……」


その時だった。


冥府の女王モルゴーラの幻影が、

呆れたように泥の上に立っていた。


「まだ死んでいないのか、四天王最弱」


「……うるせぇ……

 こうして力を蓄えてんだ……」


「くっくっくっ」

モルゴーラは器用に喉の奥で笑う。


俺の頭に灰が降りかかった。


「愚かなお前に教えてやろう。魔力など最初からいらん。

 毒吸収を使え」


ピシッ!


【パッシブスキル《毒吸収》強制発動】

効果:毒・猛毒をHPに変換(MP消費なし)


体内の毒が、熱に変わる。


溶けていた肉が、わずかに再生を始める感覚。

「……なんだこれ……力が……戻ってくる……!」」


「毒沼に三日も漬かって身に付けたスキルだ。

 お前の耐えた時間は無駄ではなかった。


 どうだ、動けるだろう」


HPが 5 → 6 へと微回復。


ほんの少しだけ、痛みが引いた。


「……ふぉぉ……泥に癒される!」


泥の中で、

俺は指を一本動かした。


《毒吸収》

【HP 6 → 7 → 8……】


動く、動くぞ。


「くそ……くそ……

 くそぉおおお!!」

 

あいつらの嘲笑を思い出すだけで、力が湧いてくる。」


泥を掻き、這い、

進む。


「今度こそ脱出だ。くそったれな沼から」


腕が千切れても、肋骨が折れても、

前へ。


【移動速度:這いずり 0.1m/s】


モルゴーラの声が、

上から落ちてくる。


「第六階層まで三キロだ。


 冥府最下層に埋もれたくなければ這え。

 死ねば終わりだ」


その瞬間、


黒い火花が、指先から離れずに残った。


消えない。

まるで、俺の一部になったかのように。


【現象:《腐食の黒炎・微》の片鱗】


「……これで……少しは……

 少しは戦える……」


泥から完全に抜け出し、

俺は――立つ。


膝は逆向き。

足は腐って崩れかけ。


それでも。


――立つ。


「……カプリチェス……

 マルゲリウス……

 ディアボルス……」


震える声で、名を呼ぶ。


「待ってろ。

 お前らは泣いても許してやらねぇからな」


HPを回復させながら、漆黒の大地を歩く。

ここは冥府最下層《慟哭の原野》


まずは上層を目指さなくちゃな。


 漆黒の大地を、よろめきながら歩き出す。

 まずは第六階層。


 そして――いつかは地上へ。


【ステータス】

クアトロ=フォルミア・デッドロット


【現在状態】

 HP:18(回復傾向)

 MP:0(枯渇)


 俺は、歩ける。


次話から冥府での実戦が始まります。

魔力ゼロ縛りで、どこまで這い上がれるのか。

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