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四天王最弱だった俺、処刑されたら冥府で最強になってました  作者: ふりっぷ
第二章 地上で渦巻く陰謀

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ドラミィ潜入回――帝都酒場と嵐潮公爵

今回はドラミィ、帝都に潜入しちゃいましたぁ~。

お酒と噂と危険がいっぱいで、ちょっとドキドキですぅ。


どうぞ最後まで見ていってくださいねぇ~♡

 帝都酒場《赤獅子の喉笛》・裏口


 夜の帝都は、炎の匂いがした。

 溶鉱炉の熱、香辛料の煙、酒と血の混じった臭い。


 そんな街の片隅、

 酒場《赤獅子の喉笛》の裏口が、きぃ、と音を立てて開く。


「おはよーございまぁす♡

 今日からお世話になりますぅ~」


 現れたのは――

 銀髪ポニーテール、やや露出多めのメイド服に、

 ぴょこんと揺れるカチューシャ


 ドラミィである。


 人間形態。

 完全な擬態だった。

 胸元は帝都基準で合法ギリギリを攻める。


「……誰だ、お前」


 酒場の主人が胡乱な目で見る。


「新人ウエイトレスのラミィですぅ♡

 元・南方出身、身元保証は《炎軍補給部》さま経由でぇ~」


 差し出された書類を見て、主人は舌打ちした。


「……最近は、ほんと補給部の横紙破りが多いな」


 だが帝都ではよくある話だ。

 劫火公爵領は、書類があればだいたい通る。


「ま、いい。

 皿割るな、オーダー間違うな、客に噛みつくな」


「はぁ~い♡

 おさわりも禁止ですぅ~」


「当たり前だ!!」


 こうしてドラミィは、帝都のど真ん中に潜り込んだ。


◆酒場内部


「いらっしゃいませぇ~♡

 灼熱酒二杯ですねぇ~」


 にこにこ。

 ぴょこぴょこ。

 スカートがずり上がり、しっぽが揺れる。


「……おい、あの新人、なんだ?」


「知らねぇ。でも可愛い」


「毒耐性ありそうだな」


「当たり前ですぅ~♡

 あ、かぶれない程度なら、触っても――」


「おさわり禁止だっ!!」


 主人の怒号が飛ぶ。


(ふふっ、ちょろいですぅ)


 ドラミィは内心で笑う。

 だが耳は、完全に情報収集モードだった。


◆帝都の噂


「聞いたか?

 光水晶が動くらしいぞ」


 酔った兵士の声。


「聖晶同盟のか?」


「らしい。

 同盟がバタついてる」


 ドラミィの耳が、ぴくりと動く。


「へぇ~♡

 光水晶って、そんなに大事なんですかぁ?」


「当たり前だろ。

 あれは聖晶同盟の心臓だ」


「でもよぉ、帝都に持ち込むって噂もあるぞ」


「皇帝陛下が動いた、って話だ」


 別の兵士が声を潜める。


「四天王招集令も、そのためだってよ」


(ふふっ、皆さんとっても親切ですぅ。

 主様、嵐のど真ん中ゾン)


 ドラミィは皿を運びながら、頭の中で地図を描く。


 その後ろ姿を、酔った兵士たちがだらしない顔で見守る。


 (おい、誰かしっぽのこと教えてやれよ)

 (嫌だよ、ずっと見てたって思われるじゃねぇか)


 帝都。

 宮殿地下。

 そして――光水晶。


◆不穏な影


「……おい」


 低い声。


 振り返ると、

 床に落ちた酒が、逆流していた。


 その中心に、水をまとった男が立っていた。


 長身。

 冷たい笑み。


「お前、見ない顔だな」


(あっ♡

 当たり引きましたぁ)


 ドラミィはにっこり笑う。


「新人ですぅ~♡

 何かご注文ですかぁ?」


 男は、じっと彼女を見る。


 その視線は、

 服でも、胸でもなく――魂を見ていた。


「……面白い。竜でも、人でもないな」


 そう言って、男は背を向けた。


(やっば。

 気づかれましたぁ)


 ドラミィは、そっと月のイヤリングに触れる。

 それは――主と繋がる魔道具。


(主様。四天王、来てますぅ)


◆捕縛


 閉店後。


 裏路地に出た瞬間だった。


 ――風が、止まった。

 帝都の喧騒が、音ごと遠ざかる。


「残念だな。

 もう少し泳がせるつもりだったが」


 嵐潮公爵マルゲリウス。


 その背後で、兵が動く。


「可愛いウエイトレスが、

 帝都で何を探っていた?」


 ドラミィは、にへらっと笑った。


「えへ♡

 主様のご飯代ですぅ~」


 床の水が、意思を持ったかのように蠢いた。


(あっ……この人、帝都ごと沈められます)


 元の姿に戻ろうとした時、付けたままのイヤリングが

 どうなるか頭をよぎる。


 (ご主人様の初めてのプレゼント…失くせない)


 次の瞬間、

 水が檻となって、彼女を包んだ。


 意識が遠のく直前、

 ドラミィはイヤリングに手を触れる。


(主様……

 嵐公爵に確保されましたぁ……)


 そして、心の底から――


(ご褒美、期待してますぅ~♡)


 闇が静かに落ちた。

えへへ、ちょっと捕まっちゃいましたけど、

主様、きっと助けに来てくれますよねぇ?

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