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四天王最弱だった俺、処刑されたら冥府で最強になってました  作者: ふりっぷ


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1/7

腐ったチーズは冥府に落ちる

―腐敗の四天王が裏切られ、

冥府最下層に落とされたところから始まる復讐劇です。


最弱と蔑まれていた男が、

這い上がって帝国を腐らせていく……かも?

焔帝王国ヴァチカン――中央処刑台。


俺、クアトロ=フォルミア・デッドロットは、

鎖で逆さに吊られたまま晒されていた。


鎖が揺れるたび、血が頭に集まって視界が赤く滲んだ。


「クアトロ=フォルミア・デッドロット!

 貴様は自領を毒沼へ変え、

三万の帝国軍を腐死させた裏切り者である!

 称号を剥奪し、ここに死罪とする!」


宰相が苛立たし気に罪状を読み上げる。

腐死公爵の処刑とあって、帝国中の貴族が集まった。


「領地まるごと毒沼とは、笑えるわねぇ」

「三万の兵を溶かした最弱四天王か。

 見事な無能ぶりだ」


壇上から見下ろすのは、

四天王筆頭、劫火公爵カプリチェス・インフェルノ。

炎の鎧を纏いながら、冷えた声で吐き捨てる。


「クアトロ。お前の腐敗は制御不能だった。

 領民はおろか、俺の援軍もまとめて溶かしやがって

 ……死んで詫びるがいい」


嵐潮公爵マルゲリウスが舌を出す。


「敵から領地を守る為に自分の領地腐らせるって、

 四天王の面汚しだよ」


暴風公爵ディアボルスがクスクスと扇子を振る。


「腐ったチーズは冥府に落ちるだけよねぇ」


……胸が焼けるほど悔しかった。

俺は確かに最弱だ。でも、だからこそ信じていた。


同じ四天王が俺を裏切るなんて、想像もしていなかった。


「暴発は──お前らが仕込んだ呪式のせいだ」


 


六ヶ月前──聖晶同盟 第三次侵攻時。


俺は最前線で聖騎士と戦っていた。

毒沼で敵の進軍を防ぎつつ、カプリチェスの援軍を待つ。

いつもの戦術だ。


だが、紫の毒沼が、意志を持ったように広がった。


俺の制御を離れ、

兵も、領民も、味方も――区別なく溶かしていく。


その中心で、あの魔導器だけが、

静かに脈打っていた。


「聖晶同盟が攻めてきたら、この魔導器で毒沼を作れ」


「これを俺に?いつも援軍を出してもらっているのに、すまん」


「なに、四天王筆頭は損するもんさ」


あの時、カプリチェスの笑顔を信じちまった。


証拠は消され、俺だけが大虐殺の首謀者にされた。


「冤罪だ……お前ら、知ってるだろ。

 俺が最弱だって

 ……三万なんて殺せるわけ──」


皇帝ドミノ・ルーメンは無慈悲のに宣言した。

「言い訳は冥府で亡者にするのだな。処刑を執行しろ」


足元の床が裂けた。

俺の身体は奈落へ――落ちていく。


何秒落ちたのか分からない。

叫び声すら、途中で自分の耳に届かなくなった。


「覚えてろ……貴様ら……!

 皇帝だって関係ねぇ、蘇ったら、お前らの領地も帝国も

……全部、腐らせてやる!!」




冥府最下層〈慟哭の原野〉


――ゴンッ。

骨が、石に叩きつけられた音だった。


何度か叩きつけられながら、最後は毒沼に落下する。


【HP:5000 → 5】

【MP:3000 → 0】

【状態:全身崩壊/毒沼化進行】


粋がってみたものの

泥の底で動けなくなって早三日。


骨が砕かれ、ゆっくりと溶けかけた身体。

ひどい。俺は泣き続けた。


「……確かに、俺は弱かった。

 でも……弱いだけで、こんな最下層に落とすかよ……」



そのとき、泥の奥底から

――黒炎が小さく灯った。


冥府の女王モルゴーラの声が、闇を震わせて響く。


「いつまでも泣くな、鬱陶しい。噂に違わぬ四天王最弱。

 だが……復讐が真なら、這い上がってみせろ」


黒炎が、泥の闇で小さく灯る。


半分溶けた腕はまだ動いた。

骨だけになった足でもまだ立ち上がれる。


「クアトロ、根性みせろや!」

自分に叱咤し、毒沼を這いずる回る。


――このときの俺は、まだ知らなかった。


冥府最下層には、

弱者の居場所が一つもないことを。


クアトロ=フォルミア・デッドロット(元・四天王腐死公爵)

HP:5/5000

MP:0/3000

称号:〈四天王最弱〉→〈冥府の咎人〉

プロローグ的な処刑から冥府落ちまでをお届けしました。


これから冥府を這い上がり、

裏切り者たちに復讐していく展開になります。

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