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靴を履く。

病院に入ったものの、私は何をすればいいんだろう。




とりあえず、靴の持ち主を探してみようと思った。








白衣を着ている人たちが忙しそうに廊下を行ったり来たりしている。



赤い服に赤い靴の私はとても目立っていた。





私の横を患者を乗せた台が過ぎて行った。


シーツから小さい裸足の足が見えている。



医者が深刻な顔で後を追う。




そんな光景を見ていたら、何だか酷く気持ちが悪かった。




とりあえず2階に上がったが、1階と何も変わらなかった。




屋上に行けば靴を投げた人がいたりして。


そんな考えを持ちながら早く屋上に向かう為にエレベーターを探した。




エレベーターの扉が開く音がしたのでそこに向かうと


車椅子に座った男の子がいた。




男の子はそのまま私を見ていた。





・・・降りないの?




私が肩をすくめて乗ろうとすると男の子は急いで閉のボタンを押そうとした。


私は慌てて開のボタンを押した。




ふと、男の子が靴を見ている事に気がついた。




・・・この靴、ひょっとして・・。



ただ男の子が興味を持って見つめていたのかもしれないけど


何故かこの男の子がこの靴の持ち主だという確信があった。




そして男の子が頷いた。




頷いた?



何も言ってないのに。



私は男の子の目を見た。




・・・私の言ってること分かるの?




男の子は眉をひそめた。




・・私、青いワンピース着てる?



「・・・それ、赤いワンピースだろ」



男の子は確かにそう言った。




そんなのありえるはずがなかった。




だって私は両親が事故で亡くなった日から喋れなくなっていたから。


なのに私は今、この男の子と話している。

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