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人のいる村其ノ壱。その名を○○村

拝啓。師走に入り、皆様大変ご忙しいことお察しします。

私は現在3ヶ月ほど森の中でございます。

もしこれを見ている方がいたら、紙面上の地図は用意しましょう

                    敬具


やぁ皆殿。しろぬでござる。神の不手際で転生して森の中の侍でござる。このまま木になってもいい気がしてきたでござる。

「......スンスン」

現在転生して三ヶ月。どこからか甘い匂いが。このまま進むか甘い匂いへと行くか。ここが分水嶺でござろうか?

「ちょっくらいってみるでござるか!」

神の不手際(パート2)で能力がなくなった代わりに速度が飛躍的に上昇した。その速度を用いてその匂いの正体へと最高速で進む。木を貫いている気がするが気にしないでおこう。ごめんね。

「......ついた!」

走ること数分。森を抜け、人の気配のある所へときた。大きさ的に村だろうか。農業が盛んで活発な村という印象でござるな。

「お!旅人かい?」

元気な青年が話しかけてくる。

「あぁ。こんにちは」

「いらっしゃい。ここは○○(まるまる)村だよ」

「あぁ、〇m......ん?」

今彼はなんといった?拙者の聞き間違えでなければ○○村といったよな?

「うん。○○村」

「あぁ......えっと、見てる人に配慮して具体的に......」

「ん、だから、○○村」

「......あ、村が○○って名前なんでござるね!?」

「そうそう」

え?何故?

「あ、僕、次期村長の○● 〇◎(まるまる まるまる)だよ。よろしくね!」

「まるまるまるまる!?」

なんだそのマル〇ルモ〇モリみたいなの!?あと微妙にそれぞれの丸の大きさが違う!書きずらそう!

「テストでいっつも時間が足りないんだ!」

「名前の書く難易度のせいでござるね!?」

ってか名前って記号オンリーでもいいんでござるね......いやいいわけ無いでござろうが

「んで、この村に来たってことは、アマト君に用があるのかな?」

「アマ......ト?」

知らぬ名前でござるね。あたりまえだけど

「あれ?知らないの!?うちの村出身の絶大異様解決者!」

「ぜつだいいようかいけつしゃ?」

「え!?本当に知らないの?」

「まず異様から知らないでござるね」

移動生活ではあったがずーっと森の中にいた故この世界の社会情勢を恐ろしいくらい知らないんでござるよね......

「じゃあ、異様から解説しようか!」

「よろしく頼むでござる!」

「まず、異様とは、ある生物が種の存続あるいは私腹を肥やすためなどのために世界に甚大な被害をもたらしかねない現象のことなんだ」

「ほうほう」

つまり生き残るために手段を選ばない......みたいなものでござるかね?

「その異様にもランクみたいなのがあって、最高が絶大。なんだ」

「ほうほ......う!?」

つまりそのアマト殿とやらは......

「すごい人?」

「そう!すごい人!」

「なるほど......」

「アマトと俺は同い年でさ、いつの間にか手の届かないところにいてびっくりしたよね!君も、17歳になったら世界救ってるかもね?」

拙者は今17歳なのだが......あ、そういえば拙者、大体3尺4寸3分(130cm)程度しかないんでござった......

「拙者も17歳でござるよ」

「え!?ごめんね!?」

「いいでござるよ別に。気にしてないでござるから」

「あ、そうそう。今日。アマト帰ってくるんだよ!だからさ、一目見とかない?」

ふむ。この世界の中でもかなり高い水準の方と見受けれる。どのような人か見ておいて損はないでござるな。

「そうするでござる」

「よし!それじゃあ、改めて!ようこそ○○村へ!」


──数時間後


「あ!来たよ!」

そう言って〇殿(長いのであだ名つくりました)が拙者がいた森の上ら辺を指さす。それに促されて拙者もその地点を見ると、竜巻の様な物がぷかぷかと飛んでいた

「あの人が......!」

ようやくご対面でござるね!









......












......あの



「......遅くないでござるか?」

「すっごい遅いね......」

彼是10分はいるがそもそも動いている気配すらない。

「残念後ろだ」

「「くぁwせdrftgyふじこlp」」

びっくりしたぁ!

「アマト!いるなら言えよ!」

「悪い悪い。どう反応するか気になってな!」

人が悪いでござるなぁ......

「んで、隣のちっこいやつは?」

「あぁ、彼はしろぬって言って、ここに迷い込んだっぽい人だ!」

「しろぬでござる」

改めてみると大きいでござるなぁ......拙者3人くらいあるのでは?

「そうか。しろぬ」

反射で体が動く。拙者がいたところは火柱が立っていた。

「やっぱか。おいしろぬ。魔王の差し金だろ?」

先刻の笑顔とは大きく変わり真顔でこちらを見つめる。何故?そもそも魔王を知らぬのだが......?

「どゆことでござるか?」

「とぼけんなよ。お前の身長がまず人間じゃありえねぇし、獣人特有の耳と尻尾。魔族だろ?」

「......ん?」

耳?尻尾?どゆこと?

「頭......」

「頭......?」

アマト殿に言われ頭を触る。髪の毛とは違う獣の耳の様な触感が拙者の手にぶつかる。

「......なんかあるぅぅぅ!!!???」

「は?」

「え!?これなんでござるか!?」

怖いにもほどがある!三か月間ずーっとよくわからんのがあったってことでござるか!?あのドラ〇もんの幻の六人目の逆!?

「姦しいな!」

「ひぃん!」

しょうがないでござろうが!よくわからんのがあったらそりゃ姦しくもなるでござろうが!


──閑話休題


「かくかくしかじかで......」

元は別の世界の住人であること、耳と尻尾は何か拙者もわかってないこと、この速度はこの世界に来た時に得たものであるとアマト殿に説明する。

「とりあえず、お前が俺の思う悪いやつじゃないのはわかった。別の世界から来たってのも、異様の影響かなんかだろうな」

「かもしれぬなぁ......」

神がバカしたとか正直に言えるわけがないので濁す。

「改めて自己紹介だ。俺はアマト。ちょっと前に魔王をぶっ倒したやつだ。喧屋が一番嫌いだ」

「拙者はしろぬ。別の世界から来た人でござる。前の世界ではよく喧屋と揶揄されることがあるでござる」

「こいつ追い出そうかな」

とりあえず一息つけるところに出会えたのはかなりの幸運だろう。波瀾万丈はひとまず終わりでござるかね。

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― 新着の感想 ―
130cmかよ!ほんでもってアマトお前...3m超えてんの!? と思った話でした! とても読みやすく、かつ面白かったです!
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