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寒いとトイレが近くなる

作者: 藤乃花

寒がりの柊紫津ひいらぎしづは寒さがピークになると、トイレが近くなる。それが悩みの種で、冷えないようにカイロを身に付けて寒さを凌いでいる。「寒い……授業に集中出来ない……」季節は一月中旬。強烈な寒さが紫津の体を衰弱させ、体温を奪っていく。手がかじかんでシャープペンシルが持てず、黒板の文字を写すことが出来ない。手も足もでない、とはこの事だ。(早く教台前のストーブに暖まりたい……教室ん中で凍死なんて、笑えないわ)その時、紫津の体がブルッと震えた。寒い日に起きる生理現象。よりによって授業中にトイレが近くなる現象が起きるとは、堪らなすぎる。「紫津ちゃん、我慢できる?」「私が紫津ちゃんを温めてあげようか?」近くの席にいる女子たちが紫津を庇うように寄り添い出し、接触してきた。「いや……気を使わない……で……」カイロは活用出来ず、足元から冷えが上りつつある。モジモジと膝を揺らす分かりやすい動きは、トイレがピークに近くなっている証拠だ。「先生!トイレに行かせてください!」近くの女子が叫んだ。「行かせてください!」「トイレに!」次々の女子たちがトイレ告知をし始める。「行ってきなさい……」先生から同情に近い返答。女子たちは我先にと教室から飛び出し、トイレにまっしぐら。「柊さんも行きなさい」「は……い……」紫津は限界の状態で立ち上がり、席の真後ろにあるトイレに内股の小刻み歩行で向かった。紫津が寒いとトイレが近くなるので、女子たちは皆、それを待ちトイレに行く。普段は廊下の端に在るのだが、この時間には紫津の至近距離にまで近くなっていた。






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