つまずきのお話
おねがいします。
―――――――恋せよ乙女、その恋の幻想が霧散せぬうちに――――――― 曰くハウゼン・セルパズィル
さて、始まりました『君主には食べられないお菓子 第二話』。
私、作者の十字、と申します。
とりあえず、冬です。
冬まっしぐらというべきですか。
いや、冬とまっしぐらの間に空白をおいて「冬 まっしぐら」と妙にキャッチコピーみたいなかんじのほうがいいかしらん。でもこれがなんの商品、あるいは何の商業的アピールになるのかは甚だ不明です。むしろ五里霧中です。すみません意味わからずに使ってます。なんかゲームボーイにステッカーをぺたぺた貼りまくる小学生のごとき無分別で阿呆です。四字熟語って何かいいわぁ、と。これはばかですね。馬鹿の初期症状ですね。そういえば痴呆症の人は自身の病気の可能性をやたらことさらと否定するらしいですよ。とゆうことから類推してやっぱり私も、ほほえましき一バカヤローの端くれとして、烈火のごとく自分の馬鹿性を否定するとしましょう。わたし莫迦じゃないもん!
話戻って哀れその裸身にステッカーを張りまくられたゲームボーイの末路を話していきたいと思います。だって語りの風呂敷を無思慮に広げまくったから筆者は一体全体、何を言いたいのやらととほうにくれているのですよ。あ、でもこれ理由になっていませんね。まぁいいや。
おそらくそのゲームボーイは腕白盛りの少年の手によって雨にふやけ引っ掻きに傷つき、一ヶ月とその元の姿を保たないでしょう。
この頃の少年は好奇心旺盛な一方、恐ろしく移り気の早いこと。
するとどうなるかって日を見る、もとい月を見るより明らかです。
そうですよ、読者諸賢。どうやらあなた方はとても思慮と機知に富んでいらっしゃる。
少年は大事なゲームボーイに張り付いたみすぼらしく汚れくすんだステッカーを嫌悪し、迫害するのです。
その迫害ぶりたるや、かのナチスヒトラーのユダヤ民族一掃作戦もかくやと思わせる徹底した鬼畜ぶり。そもそも一切の根源的原因というのは彼にあるわけですが顧みることもなく、もはやこの忌々しきステッカーを張り替えんと躍起です。まぁ、そこらへんに彼ら特有の可愛らしさがあるのですが。
おりしも、他でもなく彼が大好きな絶賛放送中アニメ「ピチャットモンスター」のコマーシャル中に何となくゲームボーイに目をやったときのことです。時間が時間でした。早くしないと『ピチャモン』始まっちゃうよ~。少年は無邪気にこう言い放ったことでしょう。あとですればいいぢゃないか~というこえがちらほらと耳に届きますが、問題は彼が子供は風の子猪の子という点にあります。
だが、読者諸賢。
時間に追われた時の腕白小僧の衝動的行為といったら血も涙もおやつもありません。無論お小遣いもありません、あしからず。
たとえば、ペーパーテスト中、重い通りに事が運ばなければ腕白少年は時として、テストをくしゃくしゃに丸めて口の中に押し込むという荒技をやってのけるのです。
これは私の持論ですが、おそらく腕白だった頃の少年の頭にはエヴァ風暴走回路が内蔵されているのです。そしてときおり頭の中の妖精が気まぐれに押してみたりするのです。だから、ときおり彼らは初号機みたく「うぉおぉおんん」とか奇声をを発するんですね、鬼ごっこの時のように。
さて、閑話休題。
少年は猫の俊敏さで引き出しの中をまさぐります。
そして手にするは、小学生に唯一所持することを許された一対の凶器。
は~さ~み~。かれはすでに勝者の顔つきでこう叫んだに違いありません。
さて、はさみをつかみちょうどゲームボーイの真上にかざし・・・。
すっ、とためらいもなくゲームボーイを打ち据えたのです。
愚かにも彼はすでに愚行を行っていたのです。愚が二回連続使われるほどの愚かしさです。
《ちょっと休憩します》