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アームリングファイター  作者: しゅうれい
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第2章 放浪(1)腕輪の種類と効果

レイとシュウは、SPEEDという村に着いた。殆ど若者はいない。皆年寄りばかりである。レイとシュウは、久しぶりに来た若者として歓迎してもらい祝宴を開いてくれ、さらに宿も貸してもらった。祝宴の最中、長老らしいおじいさんが近づいてきてこう言った。

「よく来てくださった。この村に若者が来てくれたのは30年ぶりだよ。若い者は全てゴールドシティの兵士に連れて行かれた。ここはゴールドシティから見放されているから安全だよ。ゆっくり旅の疲れを癒してください」

長老は98歳だそうだ。村人は、これで全部といっていたが、50人いるかいないかである。そして一番若いといわれているおばあちゃんも78歳だという。そのおばちゃんは50年前まではバージ宮殿で働いていたそうだ。戦争のどさくさに紛れ、この村まで逃げ、20年間地下に隠れていたのだという。

そのおばあちゃんがレイ達に話し掛ける。

「レイさんといったね。そのリボンは誰からもらったの?」

レイは自分の両親の事を話した。するとおばあちゃんは驚き喜んだ。

「レイン将軍の末裔じゃ。これはたまげたわい。シュウさんの腕輪は誰からもらったのだい」

「物心つくころからついてんだよ!あげないよ」

「何も取りわせんよ。でもその腕輪はKOOL将軍のものじゃ。もしかしたら、シュウさんはその孫かもしれないぞ」

村人達は前王家の将軍の末裔が来たという事で大いに盛り上がった。そしてその日から暫らくこの村に留まる事にしたのだった。


 朝になり天気は良いのだがレイはどうもお腹の調子が悪かった。そこへシュウがやってきた。

「グット、モーニーレイ!便所に行って、すっきりしたぜ!おや、レイ、顔色悪いぞ。ははん、便秘になっているな。まあそんな貞操帯してたらできないか?」

と半分冗談交じりに言った。

レイはシュウに反論する。

「ちょっと違うわ。便秘じゃないの。したいんだけど、この貞操帯に付いているものが邪魔で出来ないのよ!」

レイはもう涙ぐんでいる。気持ちはわかるが取り外し方が分からない。無理に外せば前のようになるのは必然である。

シュウはレイの顔を見て心配になった。

「と、取り合えず村人を探してくるよ」

そう言って宿を出た。暫らくして昨日のおばあちゃんが分厚いボロボロの本を持ってやってきた。

おばあちゃんがレイに話し掛ける。

「どれ、お腹を出してごらん」

レイは服をめくってみせた。

「ゴールドシティの奴等にやられたんだね。でも大丈夫レイさんのリボンがあればこれぐらい簡単に取れるよ」

おばあちゃんはレイに自分の手を握って貞操帯が取れるように祈るように言った。そしておばあちゃんが気を溜めて一気に貞操帯に叩き込んだ。するとどうした事か溶けるようにして貞操帯が無くなったのである。

「これで大丈夫。中に入っているものは自分で取れるよ」

一通り終わるとおばあちゃんは立ち上がり帰ろうとした。

レイはおばあちゃんに質問した。

「おばあちゃんも不思議な力を持っているの?」

「あらま!レイさんは自分の力をよく知らないんだね。この本をあげるから読んでみなさい」

そう言うとゆっくりと帰っていった。

 レイは自分の中に入っていたものを全て出し、川で体を洗って宿に戻った。シュウは、おばあちゃんからもらった本を読んだまま眠っている。レイはシュウに毛布をかぶせるとその本を読み始めた。

(将軍家の腕輪の種類と効果)

金-赤玉 全魔法・直接攻撃使用可

金-青玉 魔法・直接攻撃使用可

金-黄玉 直接攻撃仕様可

銀-赤玉 全魔法使用可

銀-青玉 攻撃魔法使用可

銀-黄玉 支援魔法使用可

銅-紫玉 幻覚魔法使用可

銅-黒玉 天候変化魔法使用可

銅-白玉 回復魔法使用可

銅-緑玉 植物魔法使用可

※この腕輪は互いに共鳴し、その時々により効果が変わる。

※リボン装備者は自身の能力により全ての腕輪を支援する。装備した者の全ての能力を引き延ばす能力も持つ。


 殆どが腕輪の記述でリボンの記述は少ない。フーとため息一つつき、それでもレイは確信した。シュウの身につけている腕輪は本当に将軍の一人が付けていた物なんだということを。そして、昨日おばあちゃんが言ったことは冗談ではなく本当だったということを。

横を見るとシュウはすぐ隣でグウグウと寝息をたて熟睡していた。

 

翌日、レイはシュウに昨日読んだ事を話した。

シュウは口をポカンと開けレイに聞く。

「なんか難しいけど俺の持っているのは魔法が使えるんだ」

「そうよ」

「ということはまだまだたくさんの種類があると言うことだな」

「ここにいてもいつまた捕まるかわからないわ。それなら、少しでも戦えるように練習しない?」

「俺はそれでもいいけど、レイのはどういう機能があったんだい」

目をくりくりしながら聞き返した。

「本には、ほとんど書かれていなかったの。関係あるのは全て腕輪らしいの」

レイは自信がなかった。シュウは、私を助けてくれるだけのパワーがあるけど私は一人では戦えない。でも練習すれば少しはまともに戦えるのではないかと期待を持っていた。

それから二人は暗中模索の中、練習に明け暮れた。

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