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第4王子は中途半端だから探偵することにした  作者: kkkkk
第3回活動報告:投資詐欺から高齢者を守れ
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国債を発行しよう(その1)

(9) 国債を発行しよう


IFAの3人から聞いた話の信憑性を確かめるため、俺たちは、劣後社債をIFAに売却した人たちと会うことにした。

これは調査の基本だが、IFAの3人が嘘を付いていないか裏を取る必要がある。


フォーレンダム証券に社債管理簿を開示してもらい、劣後社債を売却した保有者をランダムに20人ピックアップし、社債管理簿に記載されていた住所に訪問した。

内部調査部のメンバーで手分けして20人を訪問して話を聞いたところ、IFAの3人が言っていた内容に間違いはないようだった。


これで確定した。


どうやらIFAは犯人ではないらしい・・・。


俺は既に2つ外している。


・フォーレンダム証券は犯人ではないらしい・・・。


・トルネアセットマネジメントは犯人ではないらしい・・・。


俺の3度目の推理も当たらなかった。

ここまで当たらないと、モチベーションが保てない。


きっとChatGPTに聞いた方が、正しい答えを返してくれそうだ。


※ChatGPTは、OpenAIが公開しているチャットボット。人間のテキストを学習し、それに基づいて新しいテキストを生成する人工知能モデルです。



今後の捜査はChatGPTに任せて、俺は探偵を引退した方がいいのかもしれない・・・。


俺は既に毛利小五郎の域に達している。

もちろん、悪い意味で。


毛利小五郎は俺と同じレベルだったとしても、楽しそうに探偵を続けている。

事件に対するモチベーションも高い。自分では事件を解決できないのに・・・。


なぜだ?


毛利小五郎は凡人なのに名探偵の地位と名声を持つ。

すなわち、毛利小五郎が持っているのは探偵の能力ではなく、自分を名探偵と周囲に認識させる能力なのではないか。


俺は今までの事件を通して自分の実力を理解している。

俺は探偵の才能が無い凡人だ。

お世辞にも名探偵と言えるレベルにはないだろう。

凡人の俺が名探偵となるためには、探偵の才能ではなく、毛利小五郎が有する能力なのだと悟った。


つまり、俺は毛利小五郎を研究する必要があるのだ。

まず、毛利小五郎の事例を整理してみようと俺は考えた。



【事例1】毛利小五郎は事件を解決しない。でも、名探偵と言われている。


なぜなら、コナン君がいるからだ。

ここから導かれる答は、優秀な助手が必要ということだ。



【事例2】毛利小五郎はプロフェッショナルとしてのプライドがない。


プライドだけでは事件は解決できない。

毛利小五郎は、事件は運で解決できると信じている。

だから、彼にはプライドが必要ないのだ。



【事例3】毛利小五郎は相手が格上でも怯まない。


霊能力がなくても霊能力者を名乗っている奴は多い。

本当の霊能力者が出てきたら、偽霊能力者は怯むはずだ。

毛利小五郎は本当の名探偵が出てきても怯まない。

なぜなら『俺の方が名探偵だ!』と信じているからだ。

根拠のない自信を継続できる強い意志が必要なのだろう。



すなわち、凡人が名探偵になるためには以下の3つが必要だ。


①凡人は名探偵を雇う必要がある。

②凡人は運を味方にする必要がある。

③凡人は根拠のない自信を持ち続ける必要がある。


俺はこの3つが満たされれば、凡人は名探偵に昇華することを理解した。


今まで俺の推理が当たらなくても事件は解決している。だから俺には運(上記②)はある。

すなわち、今の俺に欠けているものは、名探偵の助手(上記①)と根拠のない自信(上記③)だ。


最近は推理が当たらないので弱気になっていたように思う。凡人が名探偵になるためには、弱気は禁物だ。

つまり、俺は『弱気を見せてはいけない』を常に心がけながら行動していく必要があるのだ。


俺は凡人が名探偵になるための方法を見つけたので、希望の光が見えたような気がした。


<続く>

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