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第4王子は中途半端だから探偵することにした  作者: kkkkk
第10回活動報告:借地権の争いを解決しろ!
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底地を買取ろう!(その2)

(6)底地を買取ろう! <続き>


※本話では紛らわしい名前がいくつも登場します。間違わないように書いているつもりですが、間違っていたらすいません。


 俺はルイーザという聞き覚えのない名前をチャールズから聞いた。

 ルイーズは俺の隣にいる。だがルイーズはチャールズの言葉に反応していない。

 だから、チャールズはルイーズではなくルイーザと言ったのだ!


 それに、ルイーズが目の前にいるのに、ルイーズの予定をスミスに聞くのは常識的におかしい。


 つまり・・・、

 俺の推理によればルイーザとルイーズは別人だ!


 俺がルイーザのことを考えているとスミスは「多分、参加すると思います」とチャールズに答えた。俺は衝撃の事実を知る。


―― スミスはルイーザを知っている!


 俺は状況を悟った。今のところルイーザを知っているのはスミスとチャールズの二人だ。

 今この会議スペースには4人。もし、ルイーズが知っていたらルイーザを知らないのは俺だけになってしまう。俺を無視して3人でルイーザの話で盛り上がるだろう。

 そうしたら、すっごい疎外感が・・・


 俺が仲間外れにはらないために把握すべきことは・・・


―― ルイーズはルイーザを知っているのだろうか?


 ルイーズはいつも無表情だから何を考えているか分かりにくい。

 ルイーズはルイーザを知っているかもしれないし、ルイーザを知らないかもしれない。

 どっちだ?


 俺はルイーズにカマを掛けることにした。


「今日、ルイーザに会った?」と俺は小声でルイーズに質問する。


「何を言ってるの? さっきまで会議スペースで話していたじゃない。ボケた?」


 さすがにその言い方はないと思う。

 酷い言い方をされた俺だが、ルイーズは重要なヒントを俺にくれたようだ。


 ルイーズはさっきまで会議スペースでルイーザと話していたらしい。

 その会議スペースに俺もいた。だから、俺も今日ルイーザに会っている。


 俺は推理する。つまり・・・


―― ルイーザは内部調査部の誰かだ!


 俺はさらに推理する。

 冒頭、スミスのことを無視して話始めたチャールズが、男性の慰労会の参加の可否を聞いてくるはずはない。内部調査部に女性は2人、ルイーズとロイだ。

 ルイーズはルイーザではないのだから、自ずと答えは導かれる。


―― ルイーザはロイだ!


 はーん、そういうことか。俺はさらに推理を進める。


 短い方がニックネームだろうから、ロイはルイーザのニックネームなんだな。

 いや、逆かな?

 ルイーザがロイのニックネームか?


 俺は自分の推理が正しいかを確かめるため、再びルイーズに小声で質問する。推理小説の解決編みたいに。


「なんでルイーザって言うの?」

 念のために説明しておくと、ルイーザがロイじゃなかったら恥ずかしい。だから、俺はわざとロイではなくルイーザと質問した。


「逆じゃない? なんでロイって言うのだったら分かるけど」


「ごめん、間違えた。逆だった。なんで?」


「ルイーザ(Louisa)のニックネームは『ルー(Lu)』が多いんだけど、子供の時に周りにいっぱい『ルー』がいたんだって。私(Louise)も『ルー』だしね。だから『ロイ』にしたんだって」


「それにしても、男の子っぽいニックネームだね」


「大きかったしショートカットだったから、違和感はなかったらしいよ。それで今もロイを使ってるんだって」


「へー、そうなんだ」


 見事にルイーザの謎を解決した俺。


―― 俺の推理も捨てたもんじゃないな・・・


 見事に事件を解決した俺。事件解決に満足した俺は、内部調査部に戻ろうかと思って席を立った。

 チャールズの執務室から出ようとしたら、ルイーズが言った。


「どこいくの?」


 どこにいくって? 内部調査部に決まってるじゃないか!

 だって、事件を解決した探偵は去っていくものだろう?


 当のルイーズは俺を睨んでいる。何か悪いことをしたのだろうか?


 しかたないから俺はルイーズに「どうしたの?」と尋ねた。


「そこち」とルイーズは小声で俺に言う。


 そこち(底地)?


―― あ、忘れてた!


 俺は底地の買取資金を確保するために、チャールズに相談にきたことを思い出した。

 気まずいから「ちょっとトイレ」と言ってチャールズの執務室を出た後、俺は外で2~3分待ってから執務室に戻った。


 執務室に戻ってきた俺は、気を取り直して底地買取資金の調達のために、チャールズに説明することにした。



<続く>

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