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第4王子は中途半端だから探偵することにした  作者: kkkkk
第5回活動報告:仮想通貨の詐欺集団を捕まえろ
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投資計画を説明しよう(その6)

(11)投資計画を説明しよう <続き>


ジャービット・エクスチェンジ案件のチャールズに対する説明は問題なく終わった。


これで私は社長手当に一歩近づいた。

後は、会社に提案してスポンサーになるだけだ。


チャールズの執務室から出て歩いていると、ロイが私に話しかけてきた。


「ねえ。会議中、ス●夫が私の胸元を見ていたような気がするんだけど・・・。あれが噂のエロ視線だよね?」


「あれがそう。ス●夫のエロ視線。私の胸元もずっと見ていたよ」と私が言ったところで、ダニエルが話に入ってきた。


「エロ視線って、あれのことだったのか・・・。あれは胸元を見ていたわけじゃないと思うよ」


「ふーん。ス●夫をかばうの?」と私は言った。


「違うって。チャールズは小心者の女性恐怖症だ。だから女性の目を見て話ができない。過去に何かあったんだろうね・・・」ダニエルは遠いところを見ている。


「女性恐怖症なの?」


「俺の推理が正しければ・・・」


「あんたの推理に興味はないけど、それで?」


「チャールズは女性を直視できないから、女性と話すときは目線よりも少し下を見て話す」


「目よりも下?」


「これは癖だな。恋愛カウンセラーにでも『女性の目を見て話せないなら、鼻か口を見て話せば良い』って言われたんじゃないかな?」


「へー、それで?」


「だから、女性と話すときに本人は口元か鼻を見ているつもりだ。でも、目よりも下に視線がいくから、視線は胸元を見ているように女性は感じるんだろう。きっと・・・」


私には、ダニエルがチャールズのことを必死にフォローしているようにしか聞こえない。

セクハラと騒ぎ立てられると面倒だから、ダニエルはチャールズを庇っているのだ。


「それ本当? 絶対に私の胸を見てたよ?」


「うーん、説明が難しいな・・・。例えば、今俺はルイーズの目を見て話しているよね」


「そうね」


「俺の目線を少し下げてみるよ・・・」


ダニエルはそう言って、目線を少し下げて言った。


「今、俺がどこを見ていると思う?」


「首かな?」


「残念! 鼻でした。これは?」


ダニエルはさらに目線を下げた。


「胸!」と私は言った。


「残念! あごでした。」


「本当に?」


「本当だよ。俺とルイーズは身長差があるからね。俺がルイーズの顎を見ていても、ルイーズは俺が胸元を見ていると思ったわけだ」


「じゃあ、ロイだったらどうなの?」


ロイの身長はダニエルと同じくらいだ。

ロイは一般男性よりも背が高い。女性としてはかなり長身だ。


「これは?」とダニエルがロイに言った。


くち?」とロイが答えた。


「正解! じゃあ、これは?」


「首?」とロイが言った。


「正解! 目線が同じくらいの高さだから、誤解は生じないみたいだ。良かった、良かった」


「何が?」と私は思わず言った。


「俺が言いたいのは、ス●夫の視線は必ずしもエロ視線ではないということだ」


「だから、何が?」


「ルイーズの胸元に向けられたス●夫の視線は、実際には口~顎への視線だ」


「そうかもね」


「そして、ロイの胸元に向けられたス●夫の視線は、実際も胸元を見ている。分かった?」


「・・・」


「じゃあ、私の胸元のス●夫の視線は、本当にエロ視線だった・・・・」

ロイはボソッと呟いた。


とりあえず、ジャービット・エクスチェンジへの提案内容は固まった。

社長にも一歩近づいたから良しとしよう。


ロイには申し訳ないが・・・



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