スチュアート家の日常
パーティーから1週間が経過した。
あの日の事は夢だったんじゃないか、と思うぐらい至って平凡な日々を過ごしている。
「今日も暑いなぁ……」
私は庭の草むしりをしている。
ホントに自分が貴族だ、という事を忘れてしまう。
両親は畑仕事に精を出している。
「お〜い、飯にするぞ〜」
「は〜い、今行くから」
私は作業を一時中断して両親と一緒に昼飯を食べる。
「今年はなんとか野菜が育ちそうだな」
「えぇ、今の所災害も無いしなんとか育ちそうね」
「でも、前みたいにずっと雨が振らないのも考えものよ。去年だって今の時期は大丈夫だって安心していたけど……」
「そうだったな……」
我が家が貧乏な理由、それはこの土地がとにかく災害が起こりやすいからだ。
地震、台風、山火事、様々な災害が我が領地を襲い食物が育たないのだ。
なんとかならないものか、と国に相談しても相手にされず現在に至る。
「1回は視察ぐらいは来てくれてもいいんだがなぁ、最早見捨てられているのか……、国からの援助金も少なくなっているし……」
そう言ってお父様は深い溜め息をついた。
「このままではエマも嫁げないしお婿さんも迎えられないし」
「お父さん、お母さん私は別に結婚とか今は考えてないし家族3人で暮らしていけるなら満足だよ」
「エマ、ホントにこの子はいい子に育って……」
お父さんは涙ぐんでいる。
コレ、いつもの光景なのだ。