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1章 占い師が明かすミアの秘密1

誤字脱字報告ありがとうございます、助かってます。


更新が遅れてすみません。話が長くなってしまったので、もう1話更新するかもしれないです。

更新日は水・金・日です。


アレクシル殿下目線です。

「占い師?」


「そうだ。父上が名君と言われているのは知っているだろう。(つがい)を王妃にできたというのも、もちろんあるだろうが、優秀な占い師と関わりを持つことができたのも、その要因らしい。それで、父上から占い師に(つがい)について占ってもらったらどうかと提案してもらった。」


「あーミアのことを探るということだな。」


「ああ。今のところ何も見つけられていないからな。藁にもすがる思いだ。」


ミアは現在、フェレスと共にギルドと商人組合との計画で奔走している。以前、ミアについて調べるために、ミアの友人であるレオという者を調べていた。王族の諜報員やレノヴァティオ公爵家の諜報員を使って調べても、街の人から目撃情報を得るだけで、何も手がかりを掴むことができなかった。それに、レオは、私がミアを王宮に連れてきた時以来、姿を現していないらしい。


「そういえば、オズリオには、レオについて何も聞かないように口止めをしたか?」


「ああ。首に剣が通らないとか人間じゃありえねぇ。しかも、魔法ではなく皮膚が硬いんだろ?皮膚が硬い亜人はいるが、オズリオの剣が通らなかったというのが信じられねぇな。流石に、これをミアに聞くとオズリオの記憶が消されそうだ。」


皮膚が硬いというと竜人族や魚人族等が思い浮かぶが、見た目がまず人間と大きく異なる。今では亜人であるという理解が浸透してきたが、魔獣と間違われて討伐されていたほどだ。オズリオが見た相手は亜人には見えなかったというし、私もレオのことをちらっと見たが、普通の人間のように見えた。


「ライル、部下の交友関係を今まで調べたりはしなかったのか?ミアとは長いんだろう?」


「…調べたこともあったが、その時もよく分からなかったな。友人がいるのは知っていたが、確かそいつは引きこもりだってミアは言っていた。街で一緒に歩いているレオとは別人だろうな。」


「情報が引きこもりだけなら調べようがないな。……ここだけの話、占い師は本物の魔女らしい。長く生きているそうだから、占いが駄目だったとしても、レオのような人間に心当たりがあるかもしれない。」


「魔女か…俺も会ったことはないが、かなり気まぐれな存在だと聞いたことがある。コネがある陛下に感謝しないとな。」


「ああ。」


占い師にミアのことを聞くといえば、ライルに反対されると思ったが、そんなことはなかった。寧ろ賛成してくれたようで、占い師との対談は、静かに準備されていった。


父上は1年に1度、占い師に占ってもらうように盟約を結んでいるらしい。これは王国とは関係がなく、父上個人が結んだ縁らしいので、占い師の存在自体は伏せられていた。その存在を知っているのは王に近い役職の者だけで、もちろん宰相であるレギイラ侯爵も知っている。しかし、今年は父上ではなく、私を占ってもらうということは、レギイラ侯爵には知られないようにとお願いした。


父上にはレギイラ侯爵が敵であることを伝えていない。どこで情報が漏れるか分からないので、証拠が集まるまでは黙っておくことにした。また、私の(つがい)についても侯爵には伝えないようにしてもらっている。侯爵は自分の娘を推薦しているので、(つがい)の存在を知られれば、ミアが殺されてしまうかもしれないからだった。それについては父上も同意見だったので、占いについても知られないようにすることはすぐに理解してもらえた。


(つがい)について占ってもらうとなると、ミアにも来てもらった方がいいよな?」


「そうだが…ミアには占い師のことを知られたくない。上手い口実はあるだろうか。」


「…なら、アレクの体調を治すということでまず王宮に呼ぶか。それに、占い師がどうやって占うかも分からねぇし、とりあえず占い師が来る日に、ミアを連れてくるわ。」


「そう、だな。頼んだ。」


ギルドと商人組合との計画が始まって以来、私達は寝る間も惜しんで奔走した。日頃の業務に加えて、増える人口、騎士の統制、犯罪の軽減化。処理しても処理しても業務は増え続けるばかり。ただでさえ業務量が多いライルはかなりの負担になっているだろう。それでもライルは弱音を吐いたりしなかった。あいつの原動力は何なのだろうか。私もライルやミアが頑張っている中で怠けることは出来ないと、少しでも2人の負担を減らせるように業務を片付けてきた。そして、疲労が蓄積していった。


もう少しで、ミアに会える。


(つがい)が王族に与える影響は無視できない。ミアに会えるという希望だけで、地層のようだった疲労が、雲のように軽くなるのだから。



……



コンッ コンッ


「どうぞ。」


占い師が到着したという連絡は入っていた。父上が占い師に事情を説明した後、準備が出来次第、私が呼ばれる手筈となっている。執務室の扉をノックする音がしたので、腰をあげたが、思わぬ来客だった。


「レギイラ侯爵令嬢がお見えです。いかがいたしましょうか。」


「侯爵令嬢?そんな話は聞いていない。私は忙しい。帰るように伝えろ。」


レギイラ侯爵令嬢、確か名前はリーナという名前だった。いつも社交界ですり寄ってきて、勝手に話し出す。レギイラ侯爵令嬢は王太子妃の第一候補と言われている。身分でいえば、ライルの妹である、レノヴァティオ公爵令嬢の方が高いが、彼女は社交界に顔を出さない変わり者で、ライルも妹の話は避けているようだった。もし、(つがい)が見つからず、レギイラ侯爵がテロを画策していなければ、レギイラ侯爵令嬢が王妃となっていただろう。しかし、今となってはそれは実現させない未来だ。


「殿下、レギイラ侯爵令嬢が一言だけでもいいから話をしたいとおっしゃっています。」


「はぁ、しつこいな…。分かった、どうせ私もすぐ退出する。扉前で待つように伝えろ。」


「はっ。」


結局、私は父上の遣いが来るまで業務を片付け、侯爵令嬢とは一言交わしただけで終わった。冷たい対応だと思われるかも知れないが、未来のない者と会話をするのは時間の無駄だった。


(ミアも、私に対してこんな風に思っているのだろうか………)


私は勝手に想像して、勝手に落ち込んだ。最初から自分よがりな想いであることは自覚している。それでも諦めるわけにはいかない。


(あぁ…これではハイエナのようだと言っていた令嬢達と何も変わらないな。)


沈みそうになる気持ちをぐっと堪えて、表情を引き締め、私は占い師がいる応接室に会いに行った。





「貴様がガイナスの(せがれ)か。女が夢見る王子様そのものだな。モテるだろう?」


「…アレクシル・セレリィブルグと申します。想い人にモテていたなら、占い師殿の助言をいただきに来てはいないですよ。」


「それもそうか。あーあとそんなにかしこまらなくていい。ガイナスから事情は聞いた。(つがい)を見つけたのに難儀なものだなぁ。」


長く生きていると聞いていたので、年老いた女性を想像していたが、目の前にいる占い師は40代くらいの生気溢れる女性だった。見方によっては20代くらいに見えなくもない。父上はこの国の王であるが、占い師は友達のように接していた。父上に対してそのように振る舞える者を見たことがないので違和感があるが、父上も咎めることはなかった。占い師の名は、親しくなった者にしか伝えないらしく、私は「占い師殿」と呼ばせてもらうことにした。


私は占い師にミアについて話した。もうすぐ国を出て行くこと、レオのこと等を全て話した。ミアの知らないところで秘密を暴くということは、礼儀に反することであるのは重々承知している。ミアが本心で国を出ていきたいと思っているのなら、こんなことはしない。しかし、ミアはそうではない。国を出て行かざるを得ないのならば、解決方法を探せばいい。


占い師が私の話を聞き終えて水晶に手をかざし、何かを唱える。私はその様子をじっと堪えるように見た。背中に汗が流れ、喉が渇く。


「うーん?王子様の伴侶については…見えないな。あまりこんなことにはならないんだけど…何も分からない。原因はやっぱり(つがい)か?」


「どういうことだ?」


父上が占い師に問う。父上も占い師の結果に驚いているようだった。


「未来は色々な作用で変化する。だから、占った結果が確実になるとは言えない。でも、多くの可能性がある未来ならその可能性を映し出すし、未来がないなら死が映し出される。でも、水晶には()()()()()()。…(つがい)の友人。レオと言ったか。剣が通らない皮膚を持つ人間だったな?」


「あ、ああ。」


「長年生きてきて、そんな種族がいたという話は聞かなかった。しかし…………。いや、これは(つがい)を直接見た方がいいな。(つがい)を呼ぶことはできるかな?」


「ライルが男装をさせて、私の執務室に待機させています。」


占い師の話では、距離が近ければ近い方が正確な未来が占えるとのことだった。それならば、ミアに気付かれずに占うことができるだろうと思い、こっそりライルに伝言をしようとしたが、応接室から出ていたセジルから思わぬことを聞かされた。ミアは、レギイラ侯爵に目を付けられて、近衛騎士と戦わされるらしい。彼女はライルの部下として戦闘もできると聞いていたが、女性と男性では力の差がある。直接助けに行こうとしたが、父上に止められ、私達は修練場が見える部屋へ移動することになった。


読んでいただきありがとうございました。

ブックマーク&評価でやる気が上がるのでお願いします。


アレク目線続きます。

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