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1章 人身売買と麻薬取引2

1話更新です。

2日に1話を更新出来るように頑張ります。

「おかしいわ…」


レオと私は建物の中で行われている戦闘をこっそり伺っていた。役割としては、私が魔力で様子を伺って、レオが建物の周りの騎士団の様子を伺う。私はオズリオ様と対峙している敵集団に違和感を覚え始めた。魔力の質が何か気にかかる。


「レオ、違和感があるの。集中するから3人はよろしく。」


「ああ。分かった。」


私は騎士団3人のことは完全にレオに任せて、魔力を建物内に集中する。…4本目のポーションを飲んだ。


(敵集団の魔力がいつもと何か…違う。これは…もしかしてセレリィブルグ王国の人間じゃない…!)


何か違和感があると思っていたが、敵集団は他国の人間だ。魔力は出身地によって微妙に差がある。といっても、その差には個人差があるし、魔力が似ている国もある。人間の顔と同じで、例えば前世で言えば、ヨーロッパの顔つきとアジアの顔つきは違う。ただ、日本と中国は似ているし、日本人からすると西洋はみんな同じに見える。魔力も同じだ。ただ、集団がどこの国出身なのかは分からないがセレリィブルグ王国ではないことは確かだった。そして気になることがもう一つ…


私は魔力を個人に絞って観察する。この人だけ明らかに感情の変化が違う。悲しみと殺意。建物内にいる人間はオズリオ様も含めて皆、殺気を放っているが明らかに1人、明確な強い殺意を持っている。


(誰…何故…?)


彼は、オズリオ様に一番最初に挑み、倒されてしまった。しかし、殺意が消えていないということは、まだ殺す機会を伺っており、今は倒されたフリをしているとみて間違いないだろう。倒れた男の感情からは痛みを我慢しているようには伝わってこない。どのような攻防があったかどうかまでは把握できていないが、現在オズリオ様が見向きもしていないということは、確実に倒した相手だと思っているということだ。倒された男は軽傷ではないのだろう。それでも痛みを感じていないということは、私のように痛みに慣れているのか、痛みを感じないようになっているのか…。前世では痛覚がない病気もあったはずだが、今回はその可能性を削除して考える。


(となると、一番可能性が高いのは…薬ね。)


そして、ならず者が手に入れる薬といえば、麻薬が定番である。麻薬漬けになれば、感覚があやふやになり、痛覚も鈍くなる。私は1番最初に倒された、強い殺意を持った人を麻薬漬けだと仮定した。


1人だけ麻薬漬けで明確な強い殺意。そして、今は倒されたフリをしてオズリオ様を仕留める機会を冷静に伺っている。ここまでくれば、この人だけ、他の敵集団とは別の目的を持っているとみて間違いない。明確な殺意から予想すると、この人はもしかするとオズリオ様がここに来ることをあらかじめ知っていたのかもしれない。


(騎士団の情報が漏れていた…?それとも、オズリオ様が受けた任務自体、相手の思惑なのかもしれないわ!)


どちらにせよ、このままではオズリオ様が危ない。それに、殺意を持っている人の悲しみの感情についても理由があるはずだ。私は頭の中で今後の作戦を簡単に立て、レオに話しかける。


「レオ。やっぱり気になることがあるの。外の騎士団は私が無力化するわ。その後、レオにはオズリオ様の相手をしてほしい。」


「俺が?外は俺で、ミリアがオズリオでいいんじゃないか?」


「相手の組織についても調べたいの。それに私の正体をオズリオ様にまだ知られたくないわ。お願い。それにレオは剣が得意って言ってたでしょう?」


「…色々考えがあるんだな。分かった。」


私はレオに急いで計画を伝えて、すぐに騎士団3人の無力化に移った。3人がオズリオ様の加勢をする前に無力化をしなければいけないからだ。私は一瞬で騎士団の背後を取り、そのまま意識を奪う。後の2人も同様にし、建物の裏手に3人まとめて座らせた。意識の奪い方は、よくある首の後ろに当て身をくらわせる方法だ。盗賊相手に何度も練習したので、相手に後遺症が残るようなへまはしない。しかし、この方法はかなり力を入れる必要があり、角度も重要だ。練習中、失敗した時もあり、相手を死なせてしまったことがある。指名手配の盗賊なので、最後は首を切ってギルドに提出するので、結果問題はないのだが、倫理的には大問題である。私は命を弄ぶような行為を幾度となく行ってきた。


「レオ、この騎士の剣を借りましょう。あと、正体を隠すために上着を脱いで欲しいの。髪色は私が黒に変えてあげるわ。」


「剣を持つのは何十年ぶりだ?まぁ倒されることはないだろうから安心しろ。…これでどうだ?」


レオは私から剣を受け取り、軽く振る。その後、上着を脱いでオズリオ様と対峙する準備をした。


「ええ。これでいいわ。オズリオ様の実力なら1人でも相手集団を倒せると思うの。ただ、1人だけ…オズリオ様の命を本気で狙っている人がいる。その人からオズリオ様を守りながら、オズリオ様の相手も頼むわね。」


「事情をオズリオに説明するのはダメなのか?」


「オズリオ様の任務自体、相手の思惑の可能性があるわ。そうなると上級貴族に敵がいることになる。未確定の情報をオズリオ様に与えて、危険に晒すわけにはいかないわ。とりあえず、得体の知れない敵のフリをレオにはしてほしい。」


「分かった。剣を振るのは久しぶりだな。楽しみだ。」


レオにとって、人間の事情なんてどうでもいいのだろう。退屈しのぎになって、楽しいと判断すれば、快く手を貸してくれる。


「姿を消して2人で建物内に入りましょう。オズリオ様は目の前の敵に集中しているはずよ。私はそのまま地下に行って相手組織について調べるわ。レオは残って、私が戻るまでオズリオ様をお願い。」


「了解だ!」


私は5本目のポーションを飲んで、レオと姿を消し、建物内に侵入した。オズリオ様の相手は残り1人。相手は剣を構えてはいるが、腰が引けていて何とも格好悪い姿になっていた。


オズリオ様の剣をレオが払いのける。


私はそのまま地下へ向かった。

読んでいただきありがとうございます。

次話以降も読んでいただけると嬉しいです。

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