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1章 友達4

1話更新です。

「あー悪いんだが…(つがい)だと思う。」


「ええ!本当に?」


「ああ。」


私は今までの殿下との経緯をレオに話した。レオは言いにくそうだが、私が殿下の(つがい)と結論付けたようだ。


「何が嫌なんだ?王妃になるなんて普通は喜ぶところだろ?」


「…私、18になったら国を出て旅をするの。理由は話せない。でも、必ず国を出て行く。考えを改めるつもりはないのよ。」


「ふーん。まぁいいんじゃね。ミリアにはミリアの都合があるだろ。王族の子孫の残し方が人間と同じであれば、必ずしも(つがい)を王妃にしなければいけないわけでもなさそうだしな。」


「そうね。そう思いたいわ。」


「ただ、(つがい)を簡単に手放すことはない。諦めるということがないんだ。説得すれば大丈夫なんて甘い考えは捨てた方がいいと思うぞ。」


「…分かったわ。」


レオは私の頭に手を置いてポンポンと叩く。ドラゴンは長寿でいつから生きているのか分からない。本人ももうあまり覚えていないと言っていた。そんな彼にとって、私の悩みなんて些細な問題なのだろう。そのせいか、ギラもレオも優しい。いつも全てを肯定してくれる。


(つがい)に関してはこれ以上話し合うことはなかった。今、話し合ったとしても結果は変わらない。その代わり、お互いのことを話した。今日で会うのは2回目で、初対面の時はギラのせいでほとんど闘っていたので、私たちはお互いのことをあまり知らなかった。レオは普段どうやって過ごしているのか、今まで何をしてきたのか(つがい)以外のことを色々話してくれた。私も前世のこと以外のほとんどをレオに話した。お互い、本音で話しができる相手を望んでいたようだ。喉がカラカラになるまで途切れることなく話し続けていた


気付けば海が青からオレンジ色に染まっていた。もう夕方だ。どんどん暗くなってきている。


「そろそろ帰りましょう。」


「そうだな。んじゃ、1番近くに移動するわ。」


私はレオの手を握る。ここに来た時と同じで瞬きのうちに移動する。気付けば、目の前には…森が広がっていた。どこを見ても雑木林しか見えない。しかし、この木の配列には見覚えがある。ここは、ギラがいる森の奥だ。しばらく不在にするというのは本当のようだ。ギラの気配がない。しかし、代わりにキメラがこちらに走ってきた。


「なんだ?あいつ…」


「この子は…私が作ったのよ。久しぶりね。」


キメラは私に擦り寄ってくる。ベースになっているのはグリフォンで右足や身体の一部がレッサーブルードラゴンになっている。瀕死の状態だったグリフォンを私が見つけ、生かすために他の魔獣を組み合わせた。ちなみに「生きたい」と望んだのはグリフォンの方だ。


「あぁ…さっき言ってたのがこいつか。」


「そうよ。好きに生きていいって何度も言っているのに聞かないのよ。」


私はキメラを撫でる。レオがさっきと言ったのは、このキメラを作った経緯を話していたからだ。キメラは私から離れようとしない。キメラを作るために命をかけたわけでも、苦しい思いをしたわけでもない。ただただ、修復魔法の実験のためだった。盗賊に行った実験で修復魔法は完成したが、その前は魔獣で実験をしていた。従って、私は懐かれるようなことはしていない。結果的にグリフォンの命を助けることになっただけだ。私のことは気にせず自由に生きてほしいと思っているが、なかなか伝わらない。私が森に入るとキメラが会いに来てしまうようになっていた。いつものように、私は少し撫でてキメラに別れの挨拶を言った。


「もういいのか?」


「ええ。大丈夫よ。」


「分かった。…よーし、こっからは走って行くか。」


「レオも行くの?ここからなら帰り道分かるけど…」


「またご飯食べたい。」


「………ふふっ。いいわよ。一緒に帰りましょう。」


確かに、今は夕ご飯の時間だ。お腹が空いても仕方がない。レオには転移(テレポート)があるし、今後の予定も特にないのだろう。夜遅くなることを気にする必要はない。


私たちは30分ほど走り続けた。

歩いて帰るといつまで経っても街に着かない。だから2人で走るのは分かるけれど、途中から競争みたいになっていた。私は魔力を使って走ったけれど、レオは魔法なんて使っていない。見た目は人間でも明らかに能力はドラゴンのままだった。


「はぁ、はぁ。…ミア、走るの速いな。」


「ふー…レオも速いよ。ギラのところから街までこんなに早く着いたのは初めて。」


街にある程度近付くと、人の目があるので私たちは歩いて街に向かう。私たち2人とも息を切らしているので、もしかすると周りから不審に思われたかもしれない。元々、話し続けて喉がカラカラだったのに、走ったせいで追い討ちをかける形になってしまった。


その後、お昼と同じ、大衆食堂で食事をする。料理人のおじさんが私たちを見てびっくりしていたが、喜んでくれた。



レオは大衆食堂の料理を大層気に入ったようで、その日からほぼ毎日、会いに来た。いつのまにか大衆食堂の名物客として有名になっていた。


今日の夕食もレオと2人で大衆食堂に来ている。

いつものように大量に料理を頼むレオ。


(毎日食べているのに、飽きないのかしら?)


少し呆れるようにレオを見る。

そのレオを右斜め後ろに見知った姿を見つけた。


「あれ……もしかして…オズリオ様?」

読んでいただきありがとうございます。

次話以降も読んでいただけると嬉しいです。

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