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始まり(1)
人生ってなんでこうも不平等なんだろう。
全身が痛くて地面に突っ伏したまま空を見上げると、あざ笑うかのように太陽が僕のことを照らしていた。
おなかの上には不良から守った猫が心配そうに顔をなめる。
「いてて…さ、君も病院に行かなきゃね。すぐそこだから我慢してね。」
痛む身体を無理やりに起こして幼馴染の動物病院へ向かう。早くしないと怪我が悪化してしまうかもしれない。
「こんにちは…。」
カランカランと入口の鈴が鳴り響く、奥から幼馴染の伊藤 新世が顔を出した。
「こんにちは~…って、雪!またそんな怪我して!!!」