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救世主魔王 魔勇者ベリオン  作者: レイス
第1章 魔勇者の資金稼ぎ編
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第23話 魔勇者冒険者となる

 「こちらが、冒険者カードになります。」


 受付に戻ったベリオンは、ミレイから黒色のカードを手渡された。カードには、ベリオンの名前と、自身のランクであるFの文字が書かれていた。


 「・・・これが、冒険者の証明書ということか。」


 「はい。同時に、身分証にもなります。身分証の提示を求められましたら、こちらのカードを見せれば問題ありません。・・・あと、紛失した際、再発行もできますが、金貨一枚必要になりますので注意してくださいね。」


 「分かった。なくさないよう気を付けよう。」


 「おめでとうございます、ベリオンさん。これで晴れて、冒険者ですね。」


 登録を見届けていたアイク達は、ベリオンを祝福する。


 「ありがとう。お前達のおかげで、無事に登録できた。礼を言う。」


 「そんな・・・俺達こそ、村を助けてもらったり、トレントから守ってもらったりで、世話になってばかりでした。礼を言うのは俺達の方です。ありがとうございます。」


 アイク達は、ベリオンに深々と礼をする。


 「構わない。行きずりでそうなっただけだ。」


 「それでも、俺達はこの恩を一生忘れません。」


 「大げさだな。・・・!そうだ、すまないが、ここで素材を買い取ってくれると聞いたんだが、それは可能か?」


 ベリオンは、ミレイに素材の買い取りが可能かを尋ねる。


 「はい。魔物の素材は、冒険者ギルドで買い取りが可能です。冒険者の方だけですが。」


 「そうか。実は、この町に来る前に、魔物を倒したんだが、下手な店では安く買い叩かれそうになってな。冒険者になったのも、適正の値で売りたかったのもある。」


 「なるほど・・・村人の場合はよくあるんですよね。分かりました、素材を見せてください。」


 「分かった。今持ってくる。」




 「これが、その素材だ。」


 ベリオンは、受付に素材を置いていく。だが、あまりの量のため、全部は置ききれず、一部は床に置くことにした。


 「・・・何ですか、この数は?」


 「ウルフが二十五匹、ハイウルフが一匹、キラーモールが一体、トレントが十体だ。」


 「・・・これ、全部ベリオンさんが倒したんですか?」


 「ハイウルフはアイクだ。だが、それ以外は俺が倒した。」


 「・・・まあ、ゴドールさんに勝ったんですから、何も不思議ではないですね。」


 「それで、買い取ってくれるのか?」


 「はい、では、今から査定を行いますね。」


 ミレイは、素材を一つ一つ、丁寧に査定していく。それから三十分ほどが経過した。ミレイは硬貨の入った袋を持ってきた。


 「お待たせしました。合計で金貨七枚になります。」


 「?待て、額が少し多いぞ。合計して銅貨六百九十枚だから、金貨六枚の銀貨九枚のはずだ。銀貨一枚分多いぞ?」


 「ハイウルフ以外は、素材の状態も良好でした。その分を上乗せさせていただきました。・・・それと、未来の有望な冒険者へのサービスです。」


 そう言うと、受付嬢はウインクする。


 「・・・まあいいだろう。受け取ろう。これで装備が整えられる。」


 ベリオンは、金貨の入った袋を受け取る。


 「それで、装備を整えるのにいい店はあるか?値段もそうだが、質もしっかりしたものを扱っている店がいい。」


 「そうですね。それでしたら、ガルドさんのお店がいいですね。町一番の鍛冶職人がいる、冒険者御用達の武器屋です。」


 「ガルド?」


 「ガルドさんは、この町一の鍛冶職人で、わざわざ遠くから武器を打ってもらおうと尋ねてくる人がいるらいの腕前なんです。少々値は張りますけど、どれも素晴らしいものばかりです。きっと、ベリオンさんも気に入ると思いますよ。」


 ミレイは、そこまでの簡単な道筋を描いた紙をベリオンに手渡す。


 「ありがとう。では、明日から依頼をこなすとしよう。今日は、準備に充てたい。」


 「分かりました。では、依頼に関する詳しい話は、明日しますね。」


 「では、また明日来る。」


 ベリオンはミレイに別れを告げると、ギルドを出ようとする。すると、待っていたアイク達がベリオンの許に来る。


 「ベリオンさん。」


 「アイク、俺は、これから装備一式を整える。お前達は、どうする?」


 「俺達は、自分達の用事をしに行きます。・・・ベリオンさん、これは、護衛していただいた報酬です。」


 アイクは、硬貨の入った袋をベリオンに手渡す。ベリオンが中を見ると、銅貨が十枚入っていた。


 「・・・お前達にとっては相当な額になるのではないのか?」


 「はい、決して安くはありません。ですが、ベリオンさんの働きに比べれば、全然足りないでしょう。・・・でも、今はこれくらいしか・・・。」


 「・・・そこのお前、少し聞きたいんだが・・・。」


 「?俺か?」


 突然、ベリオンに話を振られた冒険者は、困惑気味に用件を尋ねる。


 「ああ。護衛の相場はどれくらいか聞きたい。」


 「ええと・・・護衛相手や日数にもよるな。」


 「彼ら四人を三日ほど護衛した。」


 「村人四人を三日か。・・・なら、護衛の相場は一人銅貨二枚ほど。それを三日だから銅貨二十四枚だな。」


 「そうか。つまり、相場の半分以下か。」


 「まあ、これはだいたいの目安だけどな。」


 「・・・だが、俺は彼らに色々世話になった。ここのことも教えてもらった。・・・となると。」


 ベリオンは、銅貨の入った袋をアイクにそのまま差し出す。


 「これは釣りだ。受け取ってくれ。」


 「ええ!?・・・ですけど・・・。」


 「お前達が教えてくれなければ、俺はもっと苦労していた。感謝の代金だ。相場の差額と足し引いて、銅貨十枚だ。」


 「・・・ベリオンさん・・・。」


 「それに、金がいるのはお前達も同じだろう。どうせ、近々異常発生が起きる。それが解決するまで町に滞在しなければならないだろう。足しにしろ。」


 「・・・ありがとうございます。」


 アイクは、ベリオンから袋を受け取る。


 「じゃあな。機会があれば、力になろう。・・・無論、報酬はもらうがな。」


 ベリオンはそう言い残すと、ギルドを去って行くのだった。

次回、装備を手に入れます。

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