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救世主魔王 魔勇者ベリオン  作者: レイス
第1章 魔勇者の資金稼ぎ編
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第15話 魔勇者護衛に挑む

 「では、ベリオンさん。しばらくの間ですが、よろしくお願いします。」


 翌日、ベリオンは、アイクとその仲間である三人と共に、隣町へ行くべく村の入り口にいた。


 彼らの側には、ウルフの死骸を載せた荷車があった。隣町に行った際、換金する獲物である。


 「任せてもらおう。何が来ようと、俺が脅威を排除する。」


 「でも、本当にそんな安物の剣でよかったんですか?確かに、村にある武器は、安物ばかりですけど、ベリオンさんは弓が・・・。」


 「俺は、武術なら大概使える。剣もそうだが、槍も斧も、棍棒も問題なく使える。当然、弓もだ。あの時は、手に入る武器がそれしかなかったから弓を使ったまでだ。」


 「・・・凄い人だな。俺なんて、剣術も満足に使えないのに・・・。」


 「俺は、弓は使えるけど、ウルフを一発で仕留めるなんて無理だ。ベリオンさんってやっぱり凄いんだな・・・。」


 「そろそろ行くぞ。町まで三日はかかるんだ。」


 「はいはい。」


 「気を付けていくんだぞ、皆。ベリオンさん、四人をお願いします。」


 数名の村人達が見送る中、ベリオンとアイク達は、村を出立する。村人達は、神に祈るかのように、天を仰ぐのだった。




 しばらくして、ベリオン達は森の入り口に辿り着いた。


 「この隣町まで行くには、森を通らないと駄目なんです。その森には、魔物が棲んでいるので、いつもはアイクさんが護衛をしているんです。」


 「なるほど。これは、確かに腕に覚えのない者が入るには辛そうだな。」


 「ですけど、アイクさんがいても、危なかったことが結構あったんです。・・・特に、森の主に襲われた時なんて、生きた心地がしなかったな・・・。」


 「・・・森の主。トレントか何かか?」


 「植物系じゃなくて、獣でした。デカい熊みたいな魔物です。」


 「・・・だとすると、グリズリーか。或いはレイジングベアーか・・・。」


 「・・・詳しいですね、ベリオンさん。」


 ベリオンの博識っぷりに、アイクは驚く。


 「・・・魔物のことは、散々叩き込まれた。知識は武器になるとは師の言葉だ。」


 「なるほど。厳しい人だったのかもしれませんが、ベリオンさんが強くなるために、色々教えてくれたのですね。」


 「・・・ああ。」


 全く架空の人間の話を信じる彼らに、ベリオンは少々複雑だった。嘘だと見抜かれては困るのだが、簡単に信じるのもそれはそれで困ると思っていた。


 「・・・さて、無駄話はここまでだ。・・・来るぞ。」


 ベリオンは、アイク達に注意を促す。


 「え?・・・まさか・・・魔物ですか!?」


 「でも、どこにも気配は・・・!」


 アイク達も、周囲を見渡す。だが、何も見当たらない。


 「・・・下だ!」


 ベリオンは、地面に剣を突き刺す。刺したと同時に、何か生き物の鳴き声のようなものが聞こえた。


 「!?地面に潜っていたのか!」


 「・・・他愛ない。」


 ベリオンは、剣を引き抜く。剣にはべっとりと血が付着していた。


 「おそらく、キラーモールだな。地面に潜って獲物を下から襲撃する、巨大なモグラだ。・・・掘ってみるといい。」


 「・・・掘り返してみよう。」


 アイク達は、地面を掘る。すると、一メートルを超える、眉間を叩き割られた巨大なモグラの死骸が現れた。


 「!デカい!こんな魔物がいたなんて・・・!」


 「弱点は、眉間だ。眉間を貫けば、呆気なく死ぬ。」


 「・・・よく分かりましたね。こんな魔物がいることを・・・。」


 「あそこにある、異常に盛り上がった土を見たからだ。あれが、キラーモールのいる痕跡だ。」


 ベリオンが指した場所は、確かに異様に土が盛り上がっていた。


 「なるほど・・・ああやって棲息していることが分かるんですね。勉強になります。」


 「こいつも荷車に載せていいか?換金できるかもしれん。」


 「はい。これはベリオンさんが倒した獲物を運ぶものですから、ご自由に使ってください。」


 「・・・なら、もう少し重くなるな。」


 「・・・え?」


 「・・・囲まれている。どうやら、森の主より先に、植物系の魔物に目を付けられたようだ。」


 ベリオンが言い終わるや否や、森の木々の間から、木に似た魔物達が姿を現す。


 「トレントだな。木に魔力が宿り、自立できるようになった魔物だ。乾燥させれば、いい薪になる。」


 「こ・・・こんなにトレントが!?多すぎる!」


 「トレントにあったことがあるが、これは異常だ!」


 「ど・・・どうします、アイクさん!」


 冷静なベリオンとは対照的に、村人達は困惑していた。彼らにとって、トレントは強く、出会えば真っ先に逃げなければいけない魔物なのである。


 「・・・ベリオンさん・・・この数のトレントを相手に・・・戦えますか?」


 アイクは、不安そうな面持ちでベリオンを見る。だが、ベリオンは冷静な態度を崩さない。


 「問題ない。寧ろ、金の方から飛んできてくれたようなものだ。」


 ベリオンは、剣を構えると、トレントに向かっていく。


 (・・・この身体で行う初めての白兵戦だ。どんな感覚だろうな?)


 ベリオンは、自身の力を試すべく、トレントの群れに挑むのだった。

護衛イベントで襲撃は基本。

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