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救世主魔王 魔勇者ベリオン  作者: レイス
第1章 魔勇者の資金稼ぎ編
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第14話 魔勇者仲間を欲する

 「・・・この村の人間は、意外と考えて生きているようだな。正気に返れば冷静な判断ができている。」


 村長との話を終え、宿に戻ったベリオンは、ベッドで横になり、ルシフと話していた。


 「そうだね。もう、人間はすっかり、選民思想に毒されたものだと僕は思っていたんだけど・・・。まだあんな人間達がいたとはね。探せばまだ、いくらでもいるかもしれないね。」


 「だが、隣町の人間もそうとは限らなさそうだな。村長が言うには、色々苦労しているらしいしな。」


 「そうだね。・・・で、隣町に着いたら、君は何をするつもりだい?」


 「・・・冒険者というものが気になった。それに登録しようと考えている。」


 冒険者。村長の説明によると、金で魔物退治や素材採取、護衛などを引き受ける何でも屋だという。それに関しては、ベリオンもアユムの記憶から知ってはいたが、村長からさらに色々なことを教えてもらった。


 冒険者は、冒険者ギルドで試験を受け、合格すれば登録できる。試験に合格さえすれば、種族は問われないのだという。冒険者は、中民扱いとされるため、他種族が中民の身分を手に入れるには、冒険者になるのが唯一の手段だという。


 冒険者は、実績を積めばランクと呼ばれる等級が上がり、受けられる依頼の幅が増えていく。そればかりか、功績しだいでは、貴族になることもできるのだという。


 もっとも、ベリオンは貴族になど興味はなく、種族を問わずなれること、実力主義といったものに興味があった。


 「この先、何をするにも金が必要だ。だが、俺のような素性の知れない男を雇ってくれそうな人間はいまい。なら、腕が立てば誰でもなれる可能性があり、手っ取り早く稼げる冒険者は理想的だ。その上実力を示せば正当に評価されるというのだ。ならない手はない。」


 「なるほどね。君にピッタリというわけだ。」


 「・・・それに、やはり仲間は必要だ。」


 ベリオンの言葉に、ルシフは目を丸くする。


 「・・・意外だね。そこまで強くなったのに、仲間が必要なんて。」


 「・・・ブライが何故負けたか。単純だ。どんなに強くても、ブライは一人だったから負けた。アユムには、仲間がいたのだからな。」


 「新しい守る者がほしいのかい?」


 「そうではない。どんなに強くても、俺はできないことが多すぎる。」


 「それを補える者がほしい、か。なるほどね。アユムの知識のおかげかな?」


 「おそらく、そうだろう。ブライは、最後まで一人だった。なんでも一人でやろうとするから、無駄に消耗もしたし、危なくなっても助けに入る者もいなかった。・・・単に戦士として生きるならそれでいいが、それでは俺の目的は達成できない。その点は、アユムに感謝だな。」


 ベリオンは、自嘲気味に笑う。


 「・・・あいつらのような仲間が・・・見つかるだろうか・・・。」


 「いい仲間達だったんだね。それはそうか。アユムが最後まで守ろうと思った人間達だからね。」


 「・・・セイは上層部のスパイで、ナイとは敵対したがな。・・・だが、二人のアユムに対する想いが本当だったのが救いだがな・・・。」


 ベリオンは、どこか遠くを見るような目で天井を見ていた。そして、そのまま眠りに就いた。




 その夜、ベリオンは夢を見た。正確には、アユムの過去の光景を、ベリオンが見ているような形だが。


 「僕は、魔王を倒して世界を救う。皆が平和に暮らせる世界を作るんだ!」


 「勇者様ならできます。俺も手伝えることがあれば、力になります。」


 ナイが、力強く言う。


 「勇者様はお優しい方ですね。ですが、不安です。勇者様は人が良すぎるので・・・。」


 メディは、不安そうな面持ちで言う。


 「そうそう。アユムって、詐欺師に騙されて破産しそうなイメージだからね。僕達がいないと生きていけないかもね。」


 シーが満面の笑みでメディの意見に同意する。


 「二人共、アユムさんに失礼ですよ。いくらアユムさんでも、詐欺師に騙されたりしません。」


 マギが二人に反論する。


 「・・・皆さん、勇者殿をからかうのはやめてください。今日の戦いで、お疲れなのですから。」


 セイが、その話を制する。


 「それに勇者殿。今は、未来のことよりも、現在のことに目を向けてください。未来のことは、その後でゆっくり考えればよいかと。」


 「・・・そうですね。明日は魔王領に入るし、今日は早めに寝よう。」


 「俺が、寝ずの番をします。勇者様は休んでください。」


 「でも・・・昨日も一昨日も僕がするはずだったのに、皆がしてくれたんだ。今日は僕が・・・。」


 「一番戦っているのは勇者様なんですから、休むのは当然です。」


 「・・・でも・・・。」


 「いいからいいから。アユムは寝てなって。」


 「・・・分かった。・・・ありがとう、皆。」


 そう言うと、アユムは眠りに就く。それを見ていた他の仲間達は、皆、アユムを優しい目で見ていた。

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