狙われたお瓜
※人が刺されます。
国主様が指を鳴らすと外にいた。
履物は何故か履いていた。
妖術の類いだろうか?
今度、父様に聞いてみよう。
今日は奉公先である風来者組合が改装のようなので一日中暇です。
昼餉にはまだ早いし、折角だから市に行きましょうか?
魚も見ておきたいので魚河岸に行くのもいいですね。
おっと、その前に組合通りにある道具屋に行って調理道具の値を見ておかねば。
お金は父様が奉公が決まった祝いとして大判1枚をくれました。
安いものであれば一式買えます。
あれ?いつもより人の往来が少ない様な・・・。
そう思いながら組合通りを歩いていると人が生き倒れていた。
「大丈夫ですか?」
倒れている人を仰向けにして声をかける。
「ええ、大丈夫です。人情ってのも悪くはなけど、人が良すぎると足元をすくわれますよ?こうやってね。」
ザクッ
え?
地面に赤いものが滴っていた。
血が滴っているところを見ると包丁が・・・胸に刺さって・・・。
お瓜はそこで気を失った。
「さて、これで仕事がやりやすくなります。」
そう言ってお瓜を刺した人物は去った。
その頃、頭と虎と城主は豆の加工業者達と話し合いをしていた。
「値を崩さぬ様にやるしか・・・。」
「伝統の味を守れるのか?」
「促進の壺ね。手間の割には実入りが良くないからね。成功すれば、ウチは助かる。」
様々な意見が飛び交っていた。
そこに、兵士の男が飛び込んできた。
「大変です!組合通りで若い娘が襲われました!
娘の名は、お瓜と言います。」
「何だと!?」
お瓜と名お聞いた時、虎は立ち上がり叫んだ。
「落ち着け、虎!上様、人払いを。」
頭の咄嗟の判断に城主は簾越しで頷きこう言った。
「皆さま、此度の件は又話し合うとしましょう。」
そういうと、加工業者達は部屋から出て行った。
「上様・・・いや、ふらんちぇすか、オメエさんも帰り支度してとっととお瓜の所に行くぞ。」