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意外に大事になるそうです。

次の日の朝


トントンと戸を叩く音がする。

こんな朝早くに誰でしょうか?

寝ぼけ眼をさすりながら戸を開けて来訪者を確認する。

「お瓜か。早朝にすまねぇーな。虎とふらんちぇすかはいるか?」

冒険者組合の頭が訪ねてきた。

父様を起こして頭が訪ねてきた事を告げると眠たそうにしながら玄関へと向かった。


「こんな朝早くに何ですか?」

お父様は欠伸をしながら応対している。

一応、上司の筈なんですが・・・。


「末娘のお瓜の事なんだが・・・。」

「あーその話ですかい。俺は聞きましたがフランはまだ聞いてないな。頭、上がってください。」

そう言って頭を家に上げた。


「お瓜、皆を起こしてきてくれ。」





「おはようございます。それでお話というのは?」

母様が話を切り出した。

「お瓜だが、風来者組合の料理番で雇う事にした。不都合はあるか?」

「私はありませんが・・・。」

「嗚呼、その事なんだが反対するつもりだったんだ。だが、お瓜が予想外な事をしてな。それで気が変わった。」

予想外の事?と皆首を傾げた。

「お瓜、あれを持ってきなさい。」

父様にそう言われて廚に促進の壺(梅果実酒入り)を取りに行った。ちなみに壺はひび割れている。(父様がひび割れの腕輪を使いこれ以上時間が進まない様にしてくれた。)


「コイツは促進の壺か。昨日、若いのが売りにきてたが二束三文で買い取られて泣いていたな。そんでこの使えない壺がどうしたってだ?」


(そんな人が本当に居たんだんですね。嘘にならなくて良かったです。)


「問題はここからだ。お瓜は氷砂糖と梅を交互に入れてそこに酒を流したらしい。」


「そんで、その果実酒は出来ているのか?」

頭のその一言に父様は頷いた。

「飲んでも大丈夫か?」

大丈夫も何も組合の新しい品として出したいので頭には飲んでもらう予定です。(先に旅人のお姉さんに飲ませてしまいましたけど。)


「そんじゃ、一口。失礼っと。」

「飲みやすいな。最近は他所から女風来者もやって来るようになってきて酒が強すぎるから売れ行きが悪くて困ってた所だ。お瓜、迷宮の(使い勝手の悪い)物を提供するからそれを使って料理をしてみないか?」

頭の目がお金になっていた。

(昨日、ナオキチさんに欲がどうとか説教してた人と同一人物ですよね?)

「頭、勘弁してくれ。俺は促進の壺でさえ非常に厄介な事態だと踏んでんだ。それとこの事は国主に相談するべきだと思う。」


国主様に?それほどの事なのですか!?


「そうだ。使い道がない物が実は有用な物だった。これだけで価格が変動する。急にそんな事が起こると市場が混乱するんだ。そうすると最悪の場合、一揆や打ち壊しなんて事もある。」


私がやった事は思った以上に大事のようだった。

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