表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
速読オタク、魔法使いに転生しました。  作者: TK
第2話/幼馴染みと初めての黒本
6/10

この世界に転生してから、早くも十数年の月日が流れた。


12歳になった僕は、数ヵ月前から中院修学所に通い始めている。

これは前世でいうところの中学や高校にあたるもので、文学や数学など日常生活に必要な教養や、魔法・武術といった将来の進路に係わる特殊技能を学ぶ教育機関らしい。


「お母様、いってきます。」

「いってらっしゃいユーゴ、お友だちと仲良くするのよ。」

「はい。」


優しい微笑みで送り出してくれるアリアに、僕も笑顔で手を振る。

彼女は本当に理想的な母親だ。


「ユーゴ、ごきげんよう。」

「リアーナ、おはよう。」


「あらユーゴ、蝶ネクタイがゆがんでいるわよ。直してさしあげるわ。」


「ありがとう、リアーナ。でも自分で出来るから……」

「わたしがなおすの!リアーナの方がお姉さんなんだから言うことをお聞きなさい。」

「お姉さんって……、半年しか違わないじゃないか。」


このマセた女の子は、幼馴染みのリアーナ・ロッソ。

父親の親友であるドミニクおじさんの娘だ。


ウィンチェスター家とロッソ家は遠い親戚で、僕の家が多くの魔法使いを輩出しているように、ロッソ家は沢山の高名な剣士や勇敢な騎士を出した剣の名門らしい。


実際、現当主のドミニクおじさんは国王直属の近衛騎士団長を務めている。


「ほら、直った。」

「ありがとう、リアーナ。」

「遠慮することなんて無くてよ、何故ならリアーナはユーゴの将来のお嫁さんなんだから。」

「ははは……。」


リアーナの話は専ら冗談でもない。

何故ならあの酔っ払い親父共が、僕達がまだ喋れもしない頃に酒の席で盛り上がり、彼女を僕の許嫁にと勝手に決めてしまったのだ。


「私達は運命の相手なんですから。ね、ユーゴ。」


そう無邪気な笑顔で言われると、無下にも出来ず、物心着いた頃から僕はリアーナに頭が上がらなくなっているのである。


「……あ。ほら、急がないと中院に遅刻しちゃうからさ。じゃ、また!」

「え、あーん。待ってよユーゴー。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ