071.埋込/魔術
「なにかなー」
「なんだろうか」
「=うん、ぎ……。うん」
「睡眠、恐らく私も、彼女と同意見でメノミウスは現在、短期的それか長期的な休息に入っているのだろうと考えられます」
エルヴィラは、メノミウスの閉じた目元に指を向ける。
「……ま、ケゴヒリカによる融解でもないみたいだしナ。寝ているなら寧ろ好都合だナ」
「だよねぇ。つまりは、作戦を考える必要があるんだよねぇ」
「……そうデスね。こちらが一方的に攻撃を仕掛けられる状態下での作戦……デスね」
「いいじゃん! いいじゃん! ファブリカお姉ちゃん! 立てようよ! 作戦! ……あは!」
ファブリカはアンの言葉により腕を組み、困り眉をしてみせる。少しばかりの時が流れ、まるで融解が始まるその前を懸念したかのように。彼女は、それこそ焦がすが如く様にて……身体を動かす。
「うんうんー! そうだねー! じゃあーアンー! 意見お願いー」
「はいはーい! 任せて! んとね! あたしが後方に回り込んで埋め込み式をねじ込むから! アイーダ、エーファそしてエルヴィラ、エミリーは左右に展開、引き付けて! ファブリカお姉ちゃんとファブリカお姉ちゃんは空中から攻撃して、地上にいるオネスティさんを援護してほしいの! ……あは!」
「ありがとー! さすがー経験者ーだねー。オネスティーくんの使い方も分かってるー!」
「え」
「オネスティさんは地上部隊だから、私達と一緒だぜェ! 足とか破壊しようぜェ!」
「だよねぇ。オネスティさんの、……それ、たのしみだよねぇ」
陰湿な笑みを浮かべながら視線を送るエーファを見て、私は気づいた。そういえば、こんなにも目立つものが腕に付いているのにも関わらず、初対面でのア号姉妹の誰もが「魔術槍」に触れなかった。最初からこの情報を受け取り、共有した状態にて接触をしていれば、あえてそこに触れる必要などなかったということだ。この武装、武器性能を知ることを含めた上で、計画……作戦を立案するに至ったのだと考えると、一定の違和感はない。
「……これを、撃つということですか」
「そうそう! オネスティさんには色々と慣れてもらわないとね! 力がある無し分かったとしても、今後の方針は色々とあるからね! ……あは!」
「その通り! 私達が空から守り、ア号姉妹ちゃん達が多方面から注意を惹き付けてくれてるおかげで、兄ちゃんは気にせず撃てるんだから!」
「=うん。羨ましい……。うん」
「……分かりました。これも有益な情報、になりますよね。それと、気になったのですが、その埋め込み式というのはどのようなものなのですか?」
「だよねぇ。埋め込みとは対象に埋め込む魔術のことだよねぇ」
「……そうデスね。埋め込み式。皆さんが注意を惹き付けているうちに、回り込んだアンが隙をついて、展開、起爆すれば有効デスね……」
「……ま、そうしたら私達地上部隊、そしてオネスティさんは、ひたすら攻撃する必要があるナ」
「よしッ! これだよこれェ! 待ってましたァ!」
「オネスティさんにもちゃんと役割があるから! 頑張ってね! ……あは!」




