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120.占拠/移動


「……ファブリカさん」



「ふっ、えー?」



「……? ファブリカさん、大丈夫ですか?」





彼女の反応……いや、彼女の後ろ姿。

彼女の動きを手本とし、進行を続ける最中に、私は気づいてしまったのだ。



────このまま問題なく進んでいけば、中央で試行錯誤を重ねて待機している彼女の元へと辿り着くのは時間の問題であると。



明らかなる挙動不審、最初こそ可憐なる動きを見せていた彼女は、中央その場所にてぎこちない動きをしていた。



私は案の定、彼女を手本にここまで進み……。

意図しない地点にて、合流することとなったのだ。





「大丈夫ー! ……には見えないよねー……」



「……二人で行きましょう」





彼女が中央の位置からさほど移動していなかったのには、明確な理由がある。



オリヴァレスティ、ダルミと順々に抜けていった時には。

この通りには、単なる人しか、往来していなかった。



だが、今となっては……。

積荷が満載された移動物体が道を占拠し、ファブリカを前にしている。



この人と物との差が彼女を静止に至らしめているのであると考えられるが、遥か前方より確認出来ていたはずの彼女が、ここまで接近させなければならないのにも、相当な理由があると考えられる。



私には、恐らくそれが、我先に逃れようものなら後発の存在を困惑させかねないと思ったが故の行動ではなかろうかと思えたのだ。





「そうだねー! どーしよっかー!」



「私も確信は無いですが、一旦迫る片方を避け、後に後方に張り付いて進みつつ、別の荷台の後方を移動していくというのはどうでしょう」





前方からも後方からも思えば、迫りつつある移動物体。



いざ挟まれんばかりのファブリカに対し……。

積荷後方に出来る隙間に上手く組み込んで人の波を避けつつ。

通過していく他の移動物体を乗り継いで反対側へと向かうことを提案する。


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