7 救世主
街の住民達が一斉に走っている。理由は単純だ。死にたくないからだ。そこにはアッドの姿があった。
人々が向かう先には地下シェルターがあるという。
「全員シェルターに入れるのか?」
「はやく!入れなくなるよ。」
周りからそのような言葉が聞こえてきた。皆、逃げるのに必死で、周りを見ていなかった。だからだろうか、人々はその存在に気づけなかった。
「みんな!前!」
一人のその声によって皆それに気づいた。アームデラードだった。そしてそれは、ラグナ王国のものだった。アームデラートはライフルを撃った。たったの3発、それだけで前にいる人々が吹き飛び死んでいった。奇跡的に生きていた僕は急いで逃げ出そうとした。
「い···ったい。」
そんな声が聞こえた。聞いたことのある、美しい声。
「フェレシュさんですか!?」
急いでその人のほうに駆け寄った。やはりその人はフェレシュさんだった。
「大丈夫ですか?今助けるので待っていてください。」
幸いにも彼女は軽い怪我で済んでいた。しかし安心している暇はなかった。
「早くにげましょう!」
彼女の手を握ったとても細く力を入れると折れてしまいそうな手だった。そのとき僕は、命懸けで彼女を守ろうとおもった。
「走りますよ!」
僕はそう言って手を握ったまま走り出した。その直後、後ろから爆発音が聞こえた。コンマ一秒でも遅れていたら死んでいたかもしれない。だが逃げ道が無くなってしまった。どこに続いているのか分からない道をひたすら走っていった。そのたびに後ろから爆発音が聞こえてくる。しかし、突如音が止んだ。いや、音は止んでいない。代わりにアームデラートが倒れる音が聞こえた。イーヴァントが横から攻撃していたのだ。たすかった、と思ったが、こんどはイーヴァントが攻撃を受けた。イーヴァントは2体の敵と同時に戦っていた。
「今のうちに逃げろ!」
大人の男の声が聞こえた。
あの人は僕達のために命を懸けて戦ってくれている。だけど僕は何も出来ない。彼女を守れるかもわからない。そう考えていると、目の前に開けた空間ができていた。そしてその空間には、
「アームデラート·····イーヴァント。」
左肩の装甲が外れたイーヴァントが倒れていた。
深い文章って難しいんだね。(デジャブ)