4 ラグナ王国の奇襲
《アームデラード》それは、人間が造り上げた地球上で最強の兵器。15メートルにもなるそれは遠距離攻撃用のライフルに、近距離用のソードやアックスをもつ巨大人型兵器である。それが今、俺達の目の前に立っている。ラグナ王国の主力アームデラード《ダートヴィード》は、イグラート国の《イーヴァント》よりも装甲が厚く攻撃力も高い。イーヴァントは機動性に優れているが、装甲が非常に薄い。さらにイーヴァントはダートヴィードよりも40年も前に造られた旧型の機体である。そのためイグラート国はラグナ王国に圧倒的な戦力差があった。
「こ、殺される!」
アッド達は走り出した。そのとたん目の前の家が吹き飛んだ。
「ひいっ」
遠くにライフルを構えたアームデラードが立っていた。
「ここはだめだ。逃げるぞ!」
3人は来た道を戻り逃げた。その時、横にある建物が吹き飛んだ。アッド達は受け身も取れずに地面に叩きつけられた。かろうじて意識があったのは幸いだが、アッドの目の前には、そんなことは忘れさせられてしまうほどの風景だった。アッドと共に逃げていた一人であった少年は叫んだ。
「ゴ、ゴート!」
そこには腰から大量の血を流しながら宙を舞う少年の姿だった。しばらく宙を舞っていた少年はその直後地面に体を叩きつけられた。
「おい、ゴート!?」
急いで立ち上がり少年のもとに駆け寄るアッドだったが、彼の姿を見て絶望する。
「死んだ····のか·····嘘だろ·····?」
「アッド、前!」
突如後ろから声がした。顔を上げるとそこにはアームデラードがライフルを向けていた。
「ひいっ」
死んだ、と思った。あの状況で生きられるはずがないと。だがそのとき彼に幸運が訪れた。
鳴り響く轟音。同時に目の前の機体が傾いた。
「あれは!」
彼らが目を向けた先にはイグラート国のアームデラードである《イーヴァント》であった。
「彼らを狙っていたのか。一人、助けられなかったか。すまない。」
リグドはコックピットで静かに呟いた。
なんかストーリーが変かもしれないです。許してくれ!