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COLOR  作者: たぁく
6/16

すれ違い

やっと続きです。

色々忙しくて更新できませんでした……

この次の話で今章は終わりに出来るといいなって思ってます


あれから2時間が過ぎ、綺麗だった夕日も落ち街は闇に染まる。

白虎達もどれくらいの距離を歩いただろうか

実のところ彼らは殆ど進めていない

アルカダとの戦闘後身体を休める場所を探しつつ莉佳達を探していた白虎と千火

だがそんな彼らの邪魔をするように合計20以上の悪魔と戦闘をした

千火の索敵サポートが無ければ確実に彼の命は今消えていただろう

だが日は明け、適正者達も暗闇故危険と判断し撤退したのか、ほとんど周りには姿は見えない。

一方この周囲の人間は食い尽くしたのか悪魔の姿も見えない


そしてこの周囲の人間を食い尽くした、となると莉佳達は──────

そんなこと考えたくもなかった

誤魔化すように周囲を見渡し、何度も何度も莉佳達は食い尽くされたのでは。という考えを否定し拒絶し頭の隅に追いやる

「クソ……迷った……なんかグルグルしてる気がする」

疲れきった身体を無理に動かしながら白虎の口から弱々しい声が漏れる

(白虎、少し休もう。白虎が死んだらあの子達は助かるものも助からな……)

(それは違うだろ。俺がここで休んでいる間にアイツらは殺されるかもしれないんだぞ……!?)

白虎の心には不安、疲労、焦り等の負の感情しか無かった。

本来彼女達が適正者ならば千火の索敵で探せるのだが……。

不幸にも千火の索敵は〝一般人は検索できない〟つまり身を守る事を重視した能力なのだ

「ん?」

その時白虎が足を止める

地下道だ。凄く暗い

それもそうだ。この町は既に〝見捨てられている〟のだ

悪魔が出現した地域で見捨てられない町の方が珍しいのだ

明かり一つ付いていない地下道

冷たい風が地下道から吹き上げる

リンリンと鈴虫が何処かで鳴き、その高くも何故か綺麗な音色だけが暗闇に響く

白虎は深呼吸をすると1歩、また1歩と階段を進む

カツン……カツン……カツン……

時折ピチャン……と水滴が落ち、床を叩く音が細々と響く

とてもじゃないがここまで暗いと走るのは危険だ

「暗いな」

責めてこんな時白虎のケータイが壊れていなければ大分助かっていただろう

そして階段を降りきると壁に身を潜め、

(千火、索敵)

(了解。んー誰もいないみたい)

「はぁ……」

溜め息混じりに早々と地下道の廊下を渡り切り、階段を昇ろうと階段に足をかけたその時

(白虎!誰か居る!!)

「!?」

急いで身を隠す

(悪魔か!?)

(違う……)

(……適正者?)

(違う)

(…………?)

じゃあ何者なんだ────

千火の索敵にかかるのは非適正者以外の全ての異能物だ

(白虎!悪魔が前方に!数は……1、2……24!)

(24……?嘘だろ……)

(狙いはさっき索敵に引っ掛かった奴みたい)

白虎は息を殺し出来るだけ近付き、その得体の知れない千火の索敵に引っ掛かった〝何か〟を視認しようとする

「!?」

白虎が目にしたのは信じられない光景だった


グシャグシャ!と、刃が肉を断つ音が空を切る

「がぁぁぁぁア!?」

黒焔に蝕まれ、悲痛の叫びをあげなから悪魔が消滅する

「うん……よし。もう大丈夫だよ!」

周りを見渡し悪魔を全滅させたイリーナが、物陰に隠れていた莉佳達に言う

「本当に強いわね、あなた」

莉佳が周りを見渡しつつ驚いた様子で言う

「はぁ……女に助けてもらうってのは、なんか納得がいかねぇな」

と大村

「こんなの呪われた力だよ……トラックまで行くんでしょ?」

「急ごう」と目配せをするとイリーナは2人に指示しつつ安全を優先しトラックへと向かう



「な……!?」

白虎は驚愕の表情を浮かべ、その衝撃的な光景に思わず声を漏らす

イリーナの黒焔に包まれ跡形もなく消滅していく悪魔

その少女にはどんな悪魔も争うことが許されない。

その言葉しか出ない程の力の差

まるで、人類と悪魔のように──────

「こん…………た……………力だよ………………………………ックまで……………………………………でしょ?」

先程の少女が歩き出す。

その後深くフードを被った2人の男女が追っていく

「行っ……たか?」

(行ったみたい。後を追う?)

しばらくの沈黙

(いや…………やめておこう。このまま進もう。あいつは絶対に危ない……)

(そうだね……行こうか)

階段を登り地下道を抜ける

目の前には誰もいなくなり、廃墟と化したマンション。そして壊れかけ時折点滅する信号

白虎は一歩踏み出し─────

(白虎、右!!!)

千火が白虎に言う

「っ!?」

突如グチャァ!!と白虎の腹部から痛々しい音が響き渡り視界が歪む

「ガ…………ァ!?」

白虎の右腹部を中心に[く]の字に曲がった白虎の身体は次の信号機がある横断歩道まで吹き飛ばされる

(白虎!?大丈夫!?)

「ガ……バァ!!ゲホッゲホッ!!」

バチャァ!と白虎の血液が逆流し口内まで押し上げられ吐き出される

例えるなら人間が歯磨きをした後口をゆすぎ、その水を吐き出す。その要領で吐血したのだ

「痛……ぃ……」

あの時千火が白虎に右腹部への奇襲を教えていなければ彼は死んでいただろう

腹部から赤黒い煙が発生し傷は再生する

(治癒は終わったよ。今は動かない方がいい)

傷は再生していても肉体へのダメージは相当だろう

そして動いたらまだ生きていることがバレてしまう



「倒せたの?隠れてた悪魔」

莉佳が言う

「うん。ヒュドラの毒は注いだから時間の問題」

イリーナが言った

「あいつも消滅すんのか……まさか学校に悪魔が忍び込んでいたなんてな」

と、大村

「反撃してくるかもしれない。行こ?」

イリーナは踵を返しトラックに向かう






(白虎……ごめんなさい)

「え?」

思わず口から声が漏れる

(索敵……できなかった……)

イリーナは気配を消したわけではない。千火の索敵をイリーナの能力で相殺していたのだ

だから気付けなかった

千火には相殺される程の力しかなかった。ということだ。

(いいよ……誰にだって失敗はある。それにお前が教えてくれたから俺は今生きてんだぞ?あのまま死んでいたら……どうなってたか……)

蘇生するにはその分膨大な魔力を使用する

もし死んでいたのなら、蘇生による膨大な魔力の発生で確実に息の根を、本当の意味で止められていただろう。

(ありがと)

ぼそっと口を開き千火が言う

(そろそろ……行くか。探さねぇと)

そう言って痛む身体を起こし、先程すれ違ったとも知らず莉佳達を探すため歩き始める





何分経っただろうか

身体が──重い

息が─────息が……苦しい……

吐き気もする

頭を襲う激痛も

(……こ?き……こ……る?)

意識が遠のく

何歩歩いただろうか

「ブッ!?ガッはァ!!!」

突如体内の血液が逆流し身体中の痛みが白虎を襲う

「ガァァァアァァァァァああああぁあ!?痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いッ!?」

もがき苦しむ白虎

(どうしたの!?白虎!ねぇ!!大丈夫!?なんで……治癒が間に合わない…………!?)

(白虎!白虎ぉ!!)

泣き叫ぶ彼女の声

プツン─────

次の瞬間、白虎の意識は途切れた。

1週間以内には次作出したいと思っております。

今回は短くてすみません……

この小説を読んでくださっている方々本当にありがとうございます!

次作も楽しみにしていてください!

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