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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪意のある普遍的な思想

三本足の木片

作者: レー・NULL

何かあるわけでもないそれは、確かに三本足に見えたんだ



ボロボロになった大きめのお椀、インスタントラーメンのスープ、数円もしないような木の割り箸。面白味がない、面白くない。面白いとも思いたくない。何でこんなことになったんだ、自分が悪いとは思いたくない。


言わばよくある話。皆が皆、関係ないと言いながらも、そういうことは必ず誰かに有るわけで、アミダくじのスピードが速かったり遅かったりと、あっちこっち、誰がどうなるかは解らない


今はまだ、扉は沈黙しているけど、今か今かと爆弾のように待ち構えている。苛立ちのあまり目の前の四本足を蹴飛ばす、お椀が叫んで足元が生暖かい。箱はその様をみてゲラゲラと笑っている。


足が冷えてきた、足が、足が。重みに耐える四本足が、息を吹き掛ける一本足が、まるで己の二本の足を見ているようで、三本足なんだって。夕暮れてそれが、それが、それが、問いの答えだったか質問だった。


途端に、辺りは闇に包まれた。箱はもう喋らないし、一本足は息を失った。沈黙、扉が、扉が叫ぶ、泣き叫ぶ。

足が来る、足が来る、交互に単調に。足が、二本の足が、片方ずつ、徐々に、徐々に近づいて。


俺は何のために生きてる


足が悪いんだ、足が悪いんだ、足が悪いんだ、足が悪いんだ、良くなかったんだ、足が、足が、足が、足が、足が、足が、足が、足が。一本が近づいて、すると、もう一本が近づいて、交互に、足が、足が。


あー、あー、足が。木のそれだけか、貫いて貫いて終わりにしよう。足が悪かったんだから、それで、それで。終わり



首から生えたそれは、確かに三本足に見えたんだ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 詩ですか! 同じ様な書きかたの文章を小説だと思ってましたが、これは詩ですか! 何か似たような文章を昔書いた気がします。 それを思い出しました。 面白いのでまた見に来ます!
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