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金色の 菜の花畑の 向こうから    作者:
第3部 第2章 私は歩き出す
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私は歩き出す 7

不意におじいさんが立ち上がった。

「どうしたんですか?」

聞くまもなく,

『助けて助けて影!倫子ちゃん!』

広川さんの声だ!!!

私は慌てて立ち上がる。

「おじいさん!!」

「緊急の時押せといった番号に連絡が入った。」

「どんな?」

おばあさんが聞く。

「いや。いざというとき押せと言っただけなので内容は分からない。」

私は心の中で光を呼ぶ。


ダイジョウブヨ イマノトコロハ

クルマノナカニ イルワ

アズマト ナノルモノガ ウンテンシテイル


光の言葉をおじいさんに伝える。


「今のところは大丈夫だそうです。

 ・・・東と名乗る者が運転しているそうです。」

「・・汎国の神官か。」

「ええ。」

私は立ち上がって部屋から出ようとする・・


「待ちなさい。」

おじいさんに止められた。

「今君はここを出るわけにはいかない。

 彼が本当に神官ならば命を取ることはない・・・はずだ。」

「その人一人でしたらね。他にもいるとしたら?」

おばあさんが顔をしかめて言う。

おじいさんは黙って立ち上がり,対策を取るために部屋を出て行った。



マッテマッテ イマジキニクルカラ


何を待てと?

いらいらするくらいの時間。


「ただいま戻りました。何がありましたか。」

影だ。


すぐ事情を説明する。

「東か。城山さんは?」

「情報処理室にいるわ」

「では我々もそちらに。」

影は一瞬で水戸君に姿を変えた。

「見られても倫子ちゃんが二人いると思われることはありませんね。」

おばあさんがのんきに言う。


三人で情報処理室と言われた部屋に行く。前案内されたとき,おじいさん達の部屋があると言われた場所の一角にその部屋はあった。


今,おじいさんは警備関係の人たちと連絡を取り合っているらしい。

水戸君はおじいさんのそばに行って車の特徴などを教え始めた。


車はまだ見つからない。


 もう一度光に話しかける。


どこにいるか分かる?

どうしているか分かる?


フツウノヘヤニイル ソファー テーブル

テーブルノウエニハ オチャ

アズマト モウヒトリ ワタシタチノ シラナイ ヒト

ハンコクノ テンノシンデンノ カンケイシャ カシラ

イヤナ カンジハ シテイナイ ケド・・・


マッテ マダナニカアル クルマニニタ ナンダロウ

ヒコウキ?

ヘヤノシタニ ナニカアル ワカラナイ

アア ジュウノ ケハイガスルワ 

ダレカガモッテイル・・・


そこに行ける?


イケルワ

ハコンデ アゲラレル


・・・私一人では心許ない。


カゲモイッショデモ ダイジョウブヨ


おじいさんに

「光が連れて行ってくれると言っています。」

と教える。

「私行きます。」

三人にかなり強く反対された。

「影はよい。慣れているだろうからな。」

「だが倫子ちゃん。君は違う。」


光がささやく


ハヤクシナイト ベツノトコロニ

イドウヲシテシマウ


別のところ?


ドコカ ワカラナイケド


慌てておじいさん達にそのことを伝え,

心の中で光に願う。


連れて行って


イイノ?


影もよ。


一瞬で影と私はその部屋に着いた。


「倫子ちゃん。」

「ほう。水戸か。」

「この方は?」

それぞれがびっくりして叫ぶ。

私は広川さんに駆け寄って手を握りしめた。


「行って。俺のことはかまわずに。」

「え?」

「早く!!」


私は光に願った。


一瞬のうち,私たちはまた情報情報処理室にいた。

・・・・・・


影はどうなったんだろう。

 もう一度。


 ヤメテオイタホウガイイワ

 アノヒトタチハ アナタノチカラヲ 

 ミテシマッタ 

 キット

 アナタヲ トラエヨウト

 スルハズ


 コンカイハ ウマクイキスギタ・・・

 スコシ ヘン 

スゴク ヘン・・・・



 


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