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金色の 菜の花畑の 向こうから    作者:
第3部 第1章 私は目を覚ます
39/69

私は目を覚ます 3

神殿は真っ白い建物だった。

ここは天の神殿。

周りはやはり木々で囲まれ,神殿への道だけが白く輝いていた。大理石か?

この神殿の周りには「人の神殿」のような賑わいがない。

ただ・・・あるだけの神殿。


その神殿への白い道を,おじいさんとおばあさんに連れられてゆっくり歩く。

遠くで警笛の音が聞こえる。あっちの方向に街の喧騒があるんだろうな。


白い道の両側も白い木だ。白樺とも違う。木の肌も,葉の裏すらも白く見える木だ。

シラカミノキ・・・胸の奥でヒカリがささやく。


神殿に入ると,神官とでも言うのだろうか,白い服の人が何人か待っていた。

私の姿を見てその人達は頭を垂れた。

「?」


囲まれるように部屋に案内される。

その間,誰も声を発しない。

おじいさんとおばあさんの姿がいつの間にか見えなくなっていた。

心細い・・・


後で知ったその部屋は,祈りの部屋だった。

その部屋は,何もない,広い部屋・・・いや。真ん中に柱が4本建っており,その真ん中に丸く区切られたところがあった。


・・・相撲?土俵?そんな印象さえ受ける不思議な空間だ。


・・・衣擦れの音しか聞こえない。ますます不安になる


その真ん中に案内され,座るよう身振りで示された。

戸惑っていると,脇で座るポーズをしてみせる。

その通りに座る。蹲踞とでも言う座り方だ。少し浮かせた片膝が震える。


そのまま頭を垂れ,祈るようにと仕草で伝えられる。

私は静かに頭を垂れた。それと一緒に人の気配が消えた。


???


・・・祈りだ。何に?


ナニニデナク,ナニヲ。

ナニヲデナク,ナニニ・・・


アナタガイノルノハ ワタシニ・・・

ワタシガイノルノハ アナタニ・・・


アナタノイノリハ ワタシノイノリ・・・

ワタシノイノリハ アナタノイノリ・・・


ヒカリガミチル

ミチルノハ アナタ ソシテ ワタシ・・・


何のこと?


突然,眩しいくらいの金色の光が,四角で囲まれた空間を満たした。


おおっ


押し殺したどよめきが聞こえる。



読んでくださっている方,ありがとうございます。

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