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金色の 菜の花畑の 向こうから    作者:
第2部 第2章 私は迷っている
31/69

私は迷っている 6

・・・倫太郎


 倫子ちゃんがけがをした・・・・意識が戻らない・・・

 僕は一瞬頭が真っ白になったような気がした。

 守りは働かなかった。なぜだ。


 井部氏との話を早々に終わらせてもらい,僕は今,家に向かっている。速く速く・・・心は急くが・・・

 何でこんなことになったんだろう。僕が甘すぎたのか。 


 家に駆け込むと,坂木さんが玄関で待ち構えていた。


「様子はどうなんですか?」

「左足の骨折が主ですね。ちょっとひどく折れていて・・・」

足早に倫子ちゃんの部屋に向かいながら話を聞く。

「意識はさっき戻ったんですが。いいえ,検査では異常は見つからなかったそうです。」

・・・でも,意識が戻らなかった。2日も・・・


いったい何があったんだろう。

もしかしたら・・・あの3人の上に見えた『黒いもや』が原因か?

そうだとしたら僕の落ち度だ。


ちょうど部屋の前で,一恵さんが食事を運んでくるのと一緒になった。


部屋に入る。

「倫子ちゃん」


倫子ちゃんの元気そうな顔を見て少し安心した。これから食事だというので,僕は祖父と部屋を後にした。


僕は歩きながら祖父に,3人の上に見えていた黒いもやの話をする。

祖父は立ち止まって僕を見る。僕も祖父を見つめ返す。

「今回のことは僕の完全な落ち度です。」

「いや。まさか直接攻撃してくるとは。」

「ええ。もしかしたら,行き帰りの隙を見て,さらっていくくらいはするかもしれないとは思っていたんですが・・・送迎と,友人達に頼むだけでは手薄でした。」


・・・・

 応接室に座って僕は頭を抱えた。


 倫子ちゃんは腕を取られていて,指輪を握ることが出来なかったそうだ。

 ネックレスでも万全ではない。それは分かっていたが。


 指輪が体の一部に触れてさえいれば,僕には分かるはずだった。現に今までは,健全な波動がちゃんと伝わってきていたのに。 

あの黒いもやは僕の祈りを妨げるほどの物なのか?!出かける前まではそんな風には思えなかったのだが。出かけてから何があったのか・・・


 「おじいさん,分かっていることをもう一度整理して教えてください。」


 祖父はポケットからメモ帳を取り出した。

 ノックの音。誰だ?


 祖母が入ってきた。

「おばあさんも来てくださっていたんですか。」

おばあさんはソファーに腰を下ろしながら,

「いいえ。今来たところなの。」

と言った。


 祖父の話では,ちょうど帰ろうとしたとき,広川さんは担任に呼び出された。山名さんはたまたま席を外していたそうだ。英田さんは部活に行って,いなかったので,一人で昇降口に向かっていた・・・そこにどうにかして人を払ったあの3人がやってきたようだ。

 広川さんは,担任のところまで行ったところ,呼んでいないと言われ,慌てて教室に戻ったそうだが,すでに倫子ちゃんはいなかったようだ。

 

広川さんはおびき出されたと思っていいだろう。山名さんはおそらく冬彌と一緒だったに違いない。邪魔者をどかした後,あの3人に空き教室に連れ込まれ,何かあったようだ。

 ちょうど井部先輩がその部屋で耳栓をして眠っていたと言うことで,すごい声と音で目が覚めたとか・・・


 よく眠っていたので,最初は夢かと思ったみたいだ。

 もっと早く目覚めていればと悔しがっていたそうだが。

 彼もいろいろ忙しそうだから,眠りが深かったに違いない。



 ・・・・・ 

 ここで憶測を言っていても仕方がない。詳しいことは,本人から聞くことにし,部屋に戻ろうと言うことになった。


 


この回だけ間違って16時投稿してしまいました。

毎日17時投稿しています。すみません。


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