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金色の 菜の花畑の 向こうから    作者:
第2部 第2章 私は迷っている
27/69

私は迷っている 2

 昼間寝てしまったので,夜は眠れないかと身構える。一恵さんの蜂蜜入りホットミルクは,冬にはいいんだろうけれど,夏に近い今はちょっと・・・いえないけれど・・・・・言えないけれど・・・・美味しい。


 「おやすみなさい。」

 眠れないって言えないから,静かにベッドに横になる。一恵さんがお休みなさいと言って電気を消して・・部屋を出る気配がする。


 私はこのままでいいのかな。

 倫太郎君とおじいさんは私に何を望んでいるんだろう。

 天ってなに?

 解りたいけれど知らないままの方がいいような気もする。

 今日も蝶々が飛んでいる。この前の蝶々と違うみたい。少し銀色がかっているように見える。・・・私に何を言いたいの?


 倫太郎君。会いたいなぁ・・・

 いつの間にか眠ったらしく,気がついたら朝だった。ちゃんと眠れたみたい。


朝食も一人だと味気ない。もう何年も一人の食卓だったのに。慣れって怖いかもしれない。ここにいられなくなったら暮らしていけるんだろうか。


 倫太郎君がいない日が続く。


 いつの間にかもう2週間過ぎていた。


 火曜日の学園は,そうだった。体育があるんだった。


 4時間目の薬草学の時間は実験だった。制服の上から白衣を着て緑の草をすりつぶす。小さい白衣はかわいいと周りのお姉様方からは好評だ。

 あっという間にあちらこちらに緑のシミが飛び散ってしまうのもご愛敬。


 例の3人のお姉様方は最近ちょっかいを出してこなくなってきた。私の周りに広川さん達3人のお姉様方がいつもいるようになったからか。ありがたいことだ。いちいち対応するのも疲れてしまうから。

 

お昼,最近はいつも,広川さんと山名さんが中庭で一緒に食べてくれる。

 食べていたら,他にも何人かのお姉様方がやってきて,わいわいと楽しく食べることが出来た。おやつに持たされた結構たくさんのクッキーも,お姉様方が手を伸ばしてきて,あっという間になくなった。たくさんすぎて残したらどうしようと思っていたのでありがたかった。

 もしかしたら,倫太郎君がいないから,お姉様方と食べるって思ってたくさん入れてくれたのかな。コックさんにお礼を言わなくちゃね。


そこでいろんな話を聞いた。山名さんが冬彌君とおつきあいを始めたってことも始めて聞いた。知らなかった。冬彌君ってやたら倫太郎君にからんでくる子だよね。へぇ山名さんとおつきあい始めたのか。

 


 体育はいろいろな用途に使われているらしい体育館で,ダンスだった。

 

 グループごとにテーマを決めて踊るらしい。

 先生の説明を聞き,基本の動きをいくつか学習した後、グループに分かれた。

 さっきのお姉様方が,私を呼んでくれたのでありがたかった。

 「リンちゃんは何が得意なの?」

 「結構なんでも出来ます。(この体で試してないけど・・・)多分バク転とかも。やろと思えば。」

 「小さいのに,結構なんでも出来るのね。」

 「体操とか,ダンスとか,習っていらっしゃるの?」


くじでグループのテーマを決めるそうなので,広川さんが引きに行った。

 「うわ~」

 と言いながら戻ってくる。

 

  冬から春へ

 春から夏へ

  夏から秋へ

  秋から冬へ

 テーマはこの4つで,このグループのテーマは「秋から冬へ」だそうだ。


 躍動から静寂へ?

 落ち葉と朽ち木?

 みんなでわいわい話し合う。向こうのグループは早くも動きの練習を始めている。

 秋から冬へって難しい。植物?天気?人?動物?

 この日はそれだけで時間切れになってしまった。練習は後2時間。3時間目は発表だそうだ。曲は,あってもなくてもいいらしい。ちょっと楽しみ。


 こんな風に真剣に考えたり,楽しく体を動かしたり,なによりこんな体でも仲間扱いしてもらえるってうれしい。

 


平和な学園生活。

こんな日が続くといいな。


読んでくださっている方,ありがとうございます。


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