表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金色の 菜の花畑の 向こうから    作者:
第2部 第1章 私は浮かれている
20/69

私は浮かれている 2

 教室に行くと,やはり名簿順だった。一番後ろ~。その前にトイレに行かなくちゃ。

 教室から回れ右して出て行こうとすると,倫太郎君に捕まった。

「どこに行くの?」

「自然が呼んでいるの。」

「連れて行くよ。」

 

「倫太郎様,私たちがお連れしますわ。女性用のところですもの。」

 後ろから聞こえるその声に倫太郎君は顔をしかめる。

「女性用だから,案内してもらう。その方が倫太郎君も変な目で見られなくていいんじゃない?」

「変な目?」

「女性用休息室前で待つってことは・・・」

「分かったよ。不本意だが・・・頼む。」

 最後の「頼む」は,3人娘に言った言葉らしい。

 3人につれられてトイレへ。

 トイレも大人用は若干高い。苦労するなぁ。


 トイレへの道すがら3人娘はいろいろ探りを入れてくる。60歳から見たら,青い青い。

 当たり障りなく受け答えして無事教室に。

 教室の前でうろうろしているあれは倫太郎君。どんだけ過保護。


 席についてしばらくすると先生が入ってきた。

 落ち着いた感じの3~40代の男の先生だ。

 その後ろに20代くらいの男の人も続いてきた。


 担任の先生の名は,東野 康司と名乗った。あの東野先生のお子さんらしい。

 20代の先生は三波先生。副担任だと言うことだ。

 生徒の数は40名。副担任も必要だよね。私が最後に持った子ども達は,4年生だったけれど,24人だったわ。40人は多いわねえ。でも小さい子と違うから大丈夫なのかな。

 

 東野先生は歴史学の先生だそうだ。やっぱりねぇ。

 今後の授業カリキュラムの話を聞いた後,お約束の自己紹介の時間。

 私は最後だからみんなの言うことを聞いて何を言うか考えよう。と思っていたら,

「1番は,名簿の最後から行きましょうか。

 皆さんも多分聞きたくてうずうずしているでしょうからね。

 はい,若槻 倫子さん。」


「・・・・・」

 泣いて見せてやろうか・・・ふん

 おばちゃんをなめるなよ。

「皆様,初めまして。私は若槻 倫子と言います。6歳です。よろしくお願いいたします。」

 余計なことはしゃべらない。どこまで話していいものか分からないから。6歳のところでどよっとざわめきが聞こえた。中身60歳ですって言いたい。


「若槻さんは,歴史,天文,呪術以外は満点の成績で飛び級を果たされたんですよ。」 

 ザワザワ・・・・

 そんないらない情報を・・でも,あの3科目以外満点だったのか。偉いぞ私。あの3科目は何点だったのかな。結構思ったまま書いたんだけど。


「その3科目は「何点だったのですか?」」

おいおい,個人情報だぞ。この世界にはそんな概念はないのかい???

「75点、70点、70点ですね。」

 ・・・シーン・・・


 だって記述式の他は,ほとんど○×式だったんだ。どれか選べば・・・確率の問題だと思うんだけどな。・・


 その後,気を取り直した級友達の自己紹介は続いていった。


 倫太郎君が立ち上がった。空気がキンと冴え渡ったような気がする。


「城山 倫太郎です。さっきの若槻さんとは,内の関係にあります。今,一緒に住んでいますのでご承知おきください。」

 内の関係と言ったとたん女性徒の悲鳴が響いた。

 なに?ウチノカンケイ?どういう意味?

「やっぱりおまえ、ロリコンじゃん。」

 そういった生徒はさっき倫太郎君にロリコン発言した生徒だ。

「何とでもおっしゃってください。」

 倫太郎君はそう言って座った。


ウチノカンケイ・・・説明は多分次回に。

読まれているかたが,思ったような関係だと・・・思われます・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ