私は驚いている 10
それからまた通りに出てあちこち歩く。休んだおかげであまり疲れていない。
文房具屋さんみたいなところに入る。
倫太郎君はノートやペンなどを注文していた。
後で屋敷に届けてもらうらしい。
私は猫のイラスト付きのペンケースや小物を見ていた。どうも背が低くなっているせいか,よくみれないことが残念だ。そうしたら,いつの間にか坂木さんが来ていて見たい物をとってくれた。
「ありがとう」
「猫がお好きなんですか?」
「ええ。そうなんです。かわいいですよね。」
「いこうか。」
倫太郎君に声をかけられたので,店を出る。
「疲れたでしょ。もうすぐお昼だから,この先のレストランに行こうね。」
レストランは明るくてきれいなところだった。
「おすすめのランチA・B・C・・・迷っちゃう。」
「どれも美味しいよ。今日のおすすめなんてメニューもあるんだよ。」
「おきまりになりましたか?お嬢さんにはお子様ランチもご用意できますよ。」
・・・お子様ランチ・・・確かに見た目は6歳だから・・・いやしかし・・・むっとして,
「Aランチにします。」
大丈夫か?と言う目で見られている。
いいもん。・・・あれ?思考が60じゃなくなりつつある?・・・・
「僕は今日のおすすめランチにするよ。」
結論から言えば,ランチは食べきれなかった。倫太郎君が手伝ってくれたので残すことは無かったけれど・・・少し悔しい。
レストランを出ると,黒い車が止まっていた。
私たちを見ると助手席に乗っていた人が降りてきた。坂木さんだ。
後ろのドアを開けてくれながら
「どうぞ」
と言う。
車に乗り込むとすぐ神殿に向かって車が走り出すかと思ったら,
「学校を見に行こう」
と倫太郎君が言った。
「倫太郎君が行く学校?」
「そうでもあるよ。」
「どういうこと?」
「倫子ちゃん、君もこの世界の学校に通ってみないか。」
「行くって?」
「低学園の生徒としてさ。」
「は?」
私,大学,40年近く前に卒業しているんですけど。ついでに大学院も出ちゃっているんですけど。
ようやく第1部の第2章が終わりました。
次は3章です。
すごく楽しんで書いています。
これを予約している今日は,4月2日なので,どんな方々が読んでくださっているのか,(いや,一人でも読んでくださっている方がいたらうれしいです。)どきどきです。




