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金色の 菜の花畑の 向こうから    作者:
第2章 私は驚いている
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私は驚いている 9

 目の前に置かれた指輪がたくさん入った箱に私は目を見張った。

 守護リングって言ってた。

 守護リングって何?・・・後で説明するって・・・

 ・・・あぁ私がこの辺の人じゃなくて,説明しなくては分かってないってことを知られたくないのかな。

 

「倫子ちゃんはどんなのが好き?」


 実は,私は指輪が好きだ。いろんな物を持っている。でも,年のせいか,指の節々が毎年ごつくなってきて,お気に入りもはめられなくなってきていた。毎年サイズ直しするのもしゃくで,最近はほとんどしていなかった。


「選んで。」

 倫太郎君が即す。

「でも」

「指輪は嫌い?」

「好きだけれど,この指ではサイズが・・・」


「それでもいいんだ。一番気に入った物を選んで欲しいんだ。」


 指輪には値段がついていない。


「値段なんか考えなくていいんだよ。」

「でも,倫太郎君は,まだ学生でしょ。自分のお金なんて無いはずだよ。」

 倫太郎君は苦笑していった。

「大丈夫だよ。僕は結構稼いでいるんだ。」

 ???

「僕はね。優秀な占い師なんだよ。」

 ???

「この話は家に帰ってからゆっくりと。」


 家に帰ってから聞く話がまた増えた。

 女の子達のこと,守護リングのこと,そして占い師のこと。 


 とりあえず,指輪に関心を戻さねば。きっと選ぶまでここにいるに違いないから。


「これなんかどうかなぁ。」

 倫太郎君が見せてくる。金色に光る花々の中心にルビー,サファイア,エメラルド,ダイヤを配している華やかな指輪だ。いやちょっとそれは・・・

「じゃあ,こっち。」

 倫太郎君は,花の形をした指輪を薦めたいらしい。

 薦めてきた3つの指輪は,どれも華やかできらきらしい花がデザインされている。

 花の指輪が好きなのかな。

 

 ・・・君の指に花の指輪がはまっている幻を見たのさ。つぶやくように言ってにっこりする。

「どんなのだったかよく覚えていないけれどね。

 だってもう君のほうで言うと50年も前の話だからね。」


耳元で倫太郎君がこそこそ話す。くすぐったい。


「もう・・倫太郎君が決めたのでいいよ。」


倫太郎君は嬉々として最初に選んだ指輪に決める。派手だなぁ。

 サイズを確認したら8号だった。昔の指輪のサイズだ。多分これで大丈夫・・・かもしれない。最終的には11号くらいにしないと入らないと思うんだけれど。


「鎖に通したいので,今度は鎖を見せてください。」

倫太郎君の言葉に,箱を片付けたお店の人が,別の箱を運んでくる。今度の箱は2個だけ。 

 全部金の鎖だ。鎖にもいろいろあるよね。うん。


 倫太郎君は40センチくらいの少し太めの鎖を選んだ。

 すぐ切れないようにするためだよ。なんて笑っている。

 そのまま指輪を鎖に通し,私につけてくれる。

「後で祈りを込めるよ。」

「祈りを込める?」

 これまた聞き慣れないような。


「後で話すよ。」

 4つめの,後で話すよ,だ。


箱を片付けた店員さんがお茶を出してくれた。ハーブティーにミニケーキだ。

 美味しい。

 どうもこの体はものを食べるときこぼしやすい。今もケーキがお皿にぽろぽろ落ちる。お皿を持ち上げておいて正解だった。お皿重い。


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