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金色の 菜の花畑の 向こうから    作者:
第2章 私は驚いている
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私は驚いている 8

・・・・倫太郎・・・・


「倫太郎様」

 呼ばれる声がしてげんなりした。

 この声は百華だ。会いたくないやつに遭遇してしまった。何かと媚びを売ってきて,僕とよく話す広川さんに,嫌みを言っていることを,僕は知っている。

 ・・・無視していこうか・・・


「倫太郎君ったら,呼んでいるのに返事くらいしたら?」

 倫子ちゃん,余計なことは言わないで欲しいよ・・・・


「やあ,百華さん。令佳さん,嘉穂さんまでおそろいでどちらまで?」

「私たち、高学園で使う物を見に来たんですの。」

「倫太郎様もご一緒しませんこと?!」

 うれしそうに3人が近づいてきた。


 この子は親戚の子?

 倫太郎さんの親戚にこんな年頃の女の子がいたなんて聞いてませんわ。

 3人の会話が筒抜けだ。どうしたものか・・・


「今日は,私たち春から高学園1年の吉井令佳と藤井百華,清水嘉穂です。

 お嬢さんのお名前を教えてくださるかしら。」

「若槻 倫子と申します。どうぞよろしくお願いします。」


 倫子ちゃん。何で律儀に応えるかなあ・・・仕方ないけど・・・

 さらに3人が何か言いかけたので, 

 僕は慌てて倫子をさらうように引き寄せると,

「僕たち急いでいるから,またね。」

 と言って歩き出した。 

「ちょっ・・・」

 引き留めようとする声がするが,相手をするつもりはさらさら無い。

「倫太郎君、お友達なんでしょ?いいの?」

「友達なんかじゃないよ。・・・後で話すよ。」

 

 その足で左側にあった宝石屋に飛び込む。

 さすがに宝石屋まではついてこないだろう。

 

「いらっしゃいませ。」

 満面笑顔の店員さんに・・

「いえ・・・」

 倫子ちゃんは困っているようだった。



 ちょうどいい。倫子ちゃんの立ち位置を本人にも教えられる。僕の気持ちも・・・

・・・いや・・・まだ早いかもしれない。

 僕はめまぐるしく考える。


 店員が近づいてきたので,指輪を見せて欲しいというと,店員はにっこり笑っていった。 

「守護リングでよろしいですか?」

「・・・とりあえず,女の子の好みそうな物をいくつか見せてくれませんか」


「こちらへどうぞ」

 若い店員は僕たちを仕切りのかげのソファーに連れて行った。

「倫太郎君?」

 少し不安そうな倫子ちゃんの声がする。ままよ。


「守護リングをプレゼントさせて欲しいんだ。」

「守護リング?」

「ちょっとここでは詳しく話せないけれど,こちらの習慣だよ。」

座りながら倫子ちゃんの疑問に答える。


 しばらく待っていると,店員さんが四角い箱をいくつか重ねて持ってきた。銀ねず色のティッシュボックスを2つくっつけたくらいのはばの箱だ。


 それをテーブルの上に1段ずつ分けて,置いていく。・・・5つの箱がテーブルの上に所狭しと置かれると,箱の一つ一つに指輪が横に7~8個ずつ4段に入っているのが見える。一つがきらりと光った。


 僕は見たことがある。この指輪を。倫子ちゃんの華奢きゃしゃな指に。


悪役,ちょっとかすっただけでしたね。

なんか,倫太郎が危ない子みたいに見えちゃいます。倫子は見た目6歳なので。

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