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バグった師匠に育てられて  作者: かーむ
4/13

本を買って魔法具制作

2015/01/23加筆修正しました。

 とうとう十三歳になりました。

 時の流れは早いです。


 誕生日の日にニコラは自分との血縁関係が無い事をサラッと言われました。正直な感想として今さら血がどうのこうの言われようとニコラは俺の父親だと思っています、って言ったら泣いて抱きつかれたからもう言わない。


 自慢みたいになりますがエリファスという名が良い意味で街で囁かれる様になりました。十歳の時、バカラッシュを狩って買い取ったメリーさんが出荷したタイミングで貴族の人の目に付き「これを狩ったのは誰だ?」と、ちょっとした波瀾を生みました。


 ギルドにエリファスを入れよう

 いやいや、軍に入隊すべきだ

 魔法科学校に編入すべきだ


 とか貴族がニコラの家まで押し寄せ外に出れなくなるまでの面倒ごとに発展した。しかしニコラを見た途端に貴族は手を挙げて撤退していきましたね。ギルドの創設メンバーの権威ってこの国じゃトップレベルなのかね。



 背中越しにしか見なかったけどその時ニコラが今までにない威圧感を放っていたのは間違いなかった。  


『俺の息子に何してんだテメェら、アァン?』的な。


 めっちゃかっこよかったのを覚えています。


 

 ニコラが貴族に釘を刺した瞬間から平穏な日々が流れている。魔物の頭をかっぱ割いたり、クマと格闘技したり、壊れた建物を錬金術で直したり、治癒魔法で擦りむいた膝を抱える少女を助けたり、一応こんな感じで一日過ぎる。因みに魔法の修練と体力トレーニングは毎日欠かさない。


 腕を上げることにひたすら専念した。


 変化と言えばつい半年くらい前に稼いだ小遣いの金貨が二十枚に達したので街にある書店で本を三冊購入しました。

 前々から狙いを絞っていた魔法式の構造や生物図鑑、魔法具の作製方法の載っている本を買った。


 この世界には活版印刷の技術がないようです。

 そのために全て本に記載される文字や図は手書き。おおよそ街の本屋で売られる一般価格は本一冊、金貨を複数枚積まなければ購入は不可能なほど高価な品。


 大金を積んだ分三冊の本は有益なものでした。


 初歩的な段階に戻るけど人には魔法の属性適性みたいなのが合ってそれが水なら水系の魔法が上手く扱えるようになるんだとか。本の1ページ目の心得的な感じで書かれていて知らない自分は世間遅れしているのかもしれないと、焦りました。


 炎、水、風、土、雷の種類が在って大体の人がこの五族に該当する。

 炎に適性があるなら『炎系統』、雷なら『雷系統』と呼ばれる。


 そして俺は『陽系統』の適性が合った。

 いきなり例外にヒット。

 『陽系統』の得意魔法には付与魔法や錬金術、治癒魔法が該当するらしい。


 まぁ全属性一応使えるんだけどね。


 生物図鑑は食える生物(いきもの)や旨い魚や売れる肉が載っていてたからこれから全部覚えようと思う。サバイバルや突然家を追い出された時とかに役立つかもしれないし。

 そしてバカラッシュは野生生物の中でトップレベルの値がつく事も分かった。

 良質な肉、部位ごとに変わる食感、革は高級絨毯の材料になり捨てる部分がないという。それに加え捕獲難易度がバカラッシュの値段を釣り上げているのだとか。


 十歳の時以来、バカラッシュの姿を見ていない。見つけたら全力で捕まえてバーベキューしよ。誰誘おうかな。メリーさんとニコラと後……まぁいいや。


(この歳になっても異様に友達出来ねぇんだよね。なんというかエリファスって名前だけ独り歩きしてんのかね……)


 そして本によると魔法具の制作方法はなんと『付与魔法』で文字を付与すればいいだけなんだとか。流れ易い付与文字の順序って書いてあったけど俺この世界の文字使えないから意味ないっていうね。


 一冊はハズレっていうか知識の再確認程度だったなぁ。

 プラスマイナスで言えばプラスだったし良しとしますか。

   



 ◇ ◇ ◇




「……うちの旦那ってばむっかしからずーっと狩りしてるけどエリィちゃんの半分も獲物取れないわよ?」

「いやいや、メリーさんの旦那さんは自警団じゃないですか

 ……魔物狩りが仕事なんですから俺なんかと一緒にしちゃダメですよ」

「はぁ……俺なんか……ねぇ

 メリーさんあと二十若かったらエリィちゃんと結婚してたわ〜きっと♡

 っと、はいこれ。今日は銀貨三枚ね〜」

 

 メリーさんの肉屋に狼を売りに来た。

 会計を済まし夫が魔物狩りに出てお暇なメリーさんの雑談に付き合うのも俺の日課だ。

 最近は迫られている気がするけど。 


「ありがとうございます」

「いえいえ〜」


 メリーさんは何だかんだ言ってお世話になりまくってるよなぁ。

 他の店の取引見たことあるけど大熊ニ匹で銀貨一枚はやり過ぎだと思ったわ。

 メリーさん肉屋だったら市場価格で買い取ってくれるのに。




 ◇ ◇ ◇




 俺は森へその日やって来た。

 攻撃系の魔法の練習はたいてい森の中でやるようにしている。万が一にも暴発した時を考えるとやっぱり人気の無いところの方が気兼ねなくぶっ放せる。


 今日は魔法具の新開発。

 

 折角魔法具の作り方の本あるから作ってみた。


 はい、できました。


 今日は試しなので三つで止めておこうかな。

 アイデアが沸いたらまた作ろう。

  

 とりあえず今日作った魔法具。


 『イージス』

 :ポケットに入る大きさの伸縮自在甲殻盾。付与魔法の『硬質』と『強化』『変幻』『操作』を付与した。防御範囲を広げることが出来て尚且つ遠隔操作可能。

 因みにダイヤより硬い。人を殴ったら多分軽く骨折させられる。

 

 『ソレノイド』

 :『爆破』『帯電』『硬質』『変幻』『耐熱』を付与した、まんまレールガン。銃身を伸ばせば伸ばすほど射出される弾丸は速く威力も増すが全体的に脆くなる。

 弾丸は土魔法と錬金術による自前。


 『ボディアーマー』

 :『形状記憶』『変幻』『硬質』『自動治癒』を付与した。イージスよりも防御力は劣るが薄くして軽量化し体に身につける為、攻撃から守りやすい。『自動治癒』は念のためつけておいた。

 

 魔法具のベースは三つとも『土魔法』で土壌中の硬い好物を集めて『錬金術』で形を作った。


 襲ってきた獣の頭がすっ飛んで消えてみたり、襲ってきたクマの爪がバギんっていって折れたりしたけど。


 性能テストは問題なさそうだね。




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