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東方逆接触  作者: サンア
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乗っかり話

今回の下ネタは多分ひどいです。私にはわかりません。


「で、あんたいつ帰るの?」


 自分に言ってるのか、と彼の代わりに洗い物をしていた幽香が振り返った。


「帰るって……楽しそうね、それ」


 帰らない理由を言おうとした幽香だったが、霊夢の状態を見て、まずは感想を述べた。


 霊夢の状態というのは、なんてことはない、彼に膝枕をしてもらってるだけだ。


 普通と違う所があるというなら、仰向けではなく、うつ伏せになっている事だろうか。


 もっと正確にいうなら、彼の股間に顔を埋めている。


「ええ、楽しいわよ……で」


「今日は宴会でしょ? あなたに誘われたのよ」


「……ああ……そうね、そうだったわね」


 霊夢の態度から、霊夢が忘れていたという事に気付くと、幽香は呆れながら洗い物を再開した。


 霊夢はその逆で、忘れていた事を思い出し、もやもやしたものが晴れてスッキリしていた。


 疑問がなくなった霊夢は、現在の状況を楽しむ事だけに集中した。


 普通膝枕というと、横向きに寝転がるイメージがあるが、霊夢は正面に寝転がるのを好んだ。


 簡単に説明するなら、彼の太ももと太ももの間に頭を置く、という事だ。


 このまま彼が頭を撫でたりしてくれたら、尚嬉しいのだが、彼は今読書をしている。


 頼めばやってくれるだろうが、彼を邪魔するのも気が引けた。


 それにまあ、今は鼻先を突く彼の感触が堪らなかった。興奮しているといってもいい。


 股間に顔を埋めているのだから、鼻先の感触の正体は……彼の彼……なのだろう。そう思うと絶頂すら感じた。


 すると持て余していた両手が、彼の膝の裏側に侵入しようとした。彼は律儀にも軽く腰を上げ、膝裏に隙間を作り、両手が侵入しやすいようにした。


 両手が入った事を確認すると、ゆっくりと優しく腰を下ろした。すると両手は柔らかな圧迫を感じ始めた。


 ふくらはぎの裏側と太ももの裏側に挟まれる事で生まれる圧迫感だ。


 この圧迫に苦痛はない。むしろ快楽だ。霊夢の両手は更なる快楽を求め、親指と手の平を不規則に動かし始めた。


「……こしょばい」


 親指で太ももの側面をなぞるように動かすと、彼が珍しく抗議した。いやただの感想かもしれない。


 こしょばい、くすぐったいという意味だろう。方言的な可愛らしさがある。霊夢はそんな彼の発言に興奮し、露骨にくすぐり出した。


 両手を膝裏から抜き、鼻先の感触を名残惜しみつつ、後頭部で彼の読書を邪魔しないように気をつけて起き上がると、両手を彼の脇腹に当て行う。


 そして霊夢がニンマリと笑うと、脇腹に置いた両手を小刻みに動かし始めた。


「……ん」


 身をよじったりと身体的な反応は薄い。が、霊夢が彼の表情を覗き込むと、普段よりほんのわずかだが、表情が歪んでるのに気付いた。


「(我慢してる)」


 そう確信した霊夢は両手の動きに変化をつけた。揉むようにしたり、さするようにしたり、指でなぞったり、一つずつ試しては彼の反応をうかがった。


 彼の表情や声の張りの変化から、軽く爪を立ててくすぐるのが一番効果がある、とわかった。


 とはいえ、あくまで普段よりは反応がある。というだけで、普段との違いがわかるのは、彼と深い交流がある者ぐらいだろう。


「ひゃんっ!?」


 今神社にいる者は皆、彼と交流が深い。


 故に洗い物を終えた幽香が、霊夢の行為に興味をもつのは当たり前の話だった。


 幽香にしたら軽い不意打ちのつもりだった。


 首筋を唇だけでかぷっとくわえ、舌を這わせる。過去彼に対して何度かやった行為だ。勢い余って噛み付いた事もあった。


 霊夢に意識がいってたのか、単純に不意打ちに弱いのか、意外と首筋が弱点だったのか……とにかく彼が悲鳴を上げた。


 生娘のように、可愛らしい声で。


 その悲鳴が幽香にとって不意打ちになった。幽香はダラッと鼻から流れる血を手で押さえ、驚いたような表情を浮かべつつ、それでいて嬉しそうに口元を歪めた。


 この不意打ちは霊夢にも飛び火した。


彼の悲鳴……というか、大きな声を聞いたのは初めてだった。


 初めてだし悲鳴だし可愛らしいし、と頭がグルグル回って……結果は幽香と同じで、鼻血をダラダラ流した。


 幽香と違う所があるとするならば、鼻血を手で押さえないで流しっぱなしにしてる所だ。きっと鼻血を流してるという自覚がないのだろう。


 彼の下半身にポタポタと血の雫がこぼれ、着物や露出してるふくらはぎの側面を赤く彩る。


 更に飛び火は続いた。消火する者がいないのだから当然だが。


「霊夢元気かあ? 久しぶりの宴会だから、ちゃーんとお土産持ってきた……ぜ?」


 金髪の少女、魔理沙が籠いっぱいのキノコを抱え、縁側に面する障子戸からひょこっと顔を出した。


 血を流した幽香と霊夢、そしてその血で下半身を赤く染めた彼。


 まず籠が床に落ちた。その反動でキノコが宙を舞い、床や障子とぶつかって独特な音色を奏でた。


 そのうち一つのキノコが縁側から地面へ転がって行くのを見送っていると、甲高い悲鳴が辺りに響いた。



 博麗神社の一室、中々広い部屋である。装飾の類いのないシンプルな部屋だ。唯一の家具は真ん中の机、大きな机だ。


 机には様々な料理が置いてあった。和洋折衷どころではない。中華にフランス、イタリアを代表するピザまである。


 全て彼の手作りだ。


 しかし彼の料理は主役にはならない。それらはあくまでも、酒の肴なのだ。


 もっとも、彼の料理があるからこそより楽しい酒が呑めるのだが。


 様々な種類の酒がある。日本酒や焼酎を中心に、ビール、ワイン、ジン、ウォッカ等の洋酒も揃っている。居酒屋を経営出来そうな量だ。


 室内に収まりきらないので、ほとんどが外に無造作に置かれている。


 彼は先程からずっと料理をしている。それを紅魔館のメイド長、十六夜咲夜が手伝っている。台所に並ぶ二人の距離は異様に近い。


  咲夜の表情や仕草に違和感はない。偶然、側に寄ってるだけかもしれない。性格上、表に出ないだけかもしれない。


 近寄ってるのを、自覚してない可能性もある。


 出来上がった料理は、魂魄妖夢や鈴仙・優曇華院・イナバが運ぶのを手伝っていた。


 料理の皿を手渡された時に、彼の指に触れた妖夢が頬を赤らめたのを霊夢は見た。鈴仙が彼の腰つきをジーッと眺めていたのを霊夢は見た。


 個人差はあるが、やはり彼は周りを魅力する何かを持っているのだろう。霊夢はそう結論付けて、右手の猪口を傾けた。


「もう一杯……」


「自分で取って来なさいよ」


 隣でジョッキのビールを一気飲みした魔理沙に、特に感情を込めずに言い放つ。魔理沙はヨロヨロと立ち上がり、酒が置かれてる外へと歩いた。足取りはしっかりしている。


 先程の自分悲鳴を忘れたくて飲みまくっているのだが、不幸にも彼女は酒に強いらしい。


 外には、一々酒を取りに行くのは面倒だといった鬼、星熊勇儀と萃香がゴザに寝転がって酒を飲んでいた。


 その周囲で、楽しげに酔ったチルノやルーミアが走り回っている。鬼もまたその様子を見て楽しげにしていた。


 魔理沙はここでいっかと思い、寝転がる鬼に遠慮せずにゴザに座り、ずっこけたチルノを見ながら手を伸ばした先にあった柔らかい感触に向けて凄い勢いで首を振った。


「料理、どうぞ」


 彼だった。彼がしゃがんでいた。彼の太ももに触っていた。


「ご、ごめっ!? わ、わわ私、おおお酒取ろうとっ!?」


 霊夢の恋人、触っちゃった、さっき恥ずかしい所を見られた、触っちゃった、謝らなきゃ、触っちゃった、柔らかかった、触っちゃった、もっと触りたい、触っちゃった、女の子同士なのに、触っちゃった、恥ずかしい、触っちゃった、近くにいてほしい、触っちゃった――


 魔理沙が動揺してる間に、彼は台所へ戻っていた。魔理沙の顔は真っ赤に染まっていた。


  勇儀は彼を気に入っていた。触りたいという欲求を隠す事もしなかった。する必要を感じなかった。


 だが彼に触りたいから気に入ったとか、魅力されたから、とかではない。


 先程は地面にゴザなど敷いていなかった。料理もなかった。


 彼がこちらに集まってるの勇儀達を見て、わざわざ持って来たのだ。ただそれだけの事だが、忙しい時に自分の為に時間を使ってくれたのが無性に嬉しかったのだ。


 まあそれとは関係なく、彼を触りたいという気持ちもあるので、先程魔理沙が頭を抱えて悶絶していた時に、尻を撫でるように触っていた。


 しばらくすると料理が一段落したので、彼や彼を手伝っていた数名も宴会に本格的に参加していた。


「れぇれぇ、四つんはいになっれ?」


 呂律の回らない霊夢が、彼に寄り添いながら言った。


「四つん這い?」


「そう」


 彼が聞き返すと霊夢は嬉しそうに笑いながら返答した。


 霊夢の肯定を聞くと、彼は特に迷う事もなく四つん這いになった。


 ところで彼の服装だが、着物ではなくなっている。彼や霊夢は気にしなかったが、幽香に説得されて着替えたのだ。


 彼と霊夢が初めて出会った時の服装になっている。


 スリムジーンズに白いトレーナーだ。トレーナーの下にはTシャツを着ている。


 ジーンズを着用して四つん這いになっているので、ラインがクッキリと見えている。数人が思わず唾を飲んだ。


「もうひょっとおひり上げれ……そう……」


 彼が尻を霊夢に向かって突き出すような形になると、霊夢は自分の胸を彼の背中に乗せた。


「れ、霊夢……あの」


 近くにいたレミリア・スカーレットが止めようとした。周りの喧騒がそれを掻き消した。


 霊夢は自身の下半身を彼の下半身に密着させ、横に擦るように動かしている。


 ある程度動かしていると、気に入った位置が見つかったのか、下半身の動きを止めた。


「えへへへ、ふふふ、あはははぁ」


 すると霊夢は嬉しそうに笑った。彼は無表情で頬杖をついていた。


 周りには笑っている者もいた。ドン引きしている者もいた。照れてる者もいた。酔っ払って寝てる者もいた。


「あ、知ってる! あれって交尾でしょ?」


 霊烏路空が彼と霊夢を指差しながら言った。


「そんな事よりお空、この卵焼き美味しいよ」


「え、本当!? わー本当だ! 美味しい!」


 お空の傍らにいた火焔猫燐が瞬時に話題を逸らした。お空の性格をよく理解しているのだろう。


 一仕事終えた実感を得たお燐は、グイッとコップのビールを飲み干した。


「後で私もやっていいのかな!?」


「ぶぐほっ!?」


 盛大に噴き出した。


「わあ、お燐汚い」


「ゲホッ、ゲホッ……あんたねぇ~」


「悪いけど次は私よ」


 幽香が次の順番を主張した。お燐は呆れて言葉を失った。


「じゃあ次は私ね」


「嘘だろ咲夜」


「えっ」


「えっ」


 冗談のつもりだったのか、本気だったのか。魔理沙は自身のツッコミへの対応で、咲夜が意外と天然だと理解した。


「ちょ!? はしたない! やめて、やめなさい!? 霊夢お願いやめて!」


 レミリアの怒鳴りとも懇願ともつかない言葉に、何事かと霊夢の方へ振り向く。


 霊夢が前後に腰を動かそうとしているのを、レミリアが必死に止めていた。


 相変わらず周囲は笑い声を上げているか、ドン引きしているか、だ。


「ちょっと誰か……誰か助けて!」


 周囲に懇願するレミリアの姿に、紅魔館の主たる威厳などは感じられない。


 霊夢とレミリアの戦いを一番近くで感じてるはずの彼は、先程と同じように無表情で頬杖をついていた。


マウンティング系女子ってこうですか? わかりません。


私の中の酔いど霊夢はこんな感じです。酒を心底楽しむイメージですね。


本来ある程度周りのキャラクターを固めてから宴会の方が面白かったと思うのです。具体的には紅魔館編とか順番にやっていって、私の中の幻想郷を皆さんに見せるのが先だとは思ってたんです。


でも我慢出来んかった。お空に交尾発言をさせたかったんです。反省はするが後悔はしません。


それゆえか、キャラ崩壊もひどいですね。でも咲夜さんは天然可愛くても良いと思う。


まあ深く考えず笑っていただければと毎日思ってます。


次回は宴会の続きというかその後ですかね。今回登場しなかったキャラが出るかもです。具体的にいうと、幻想郷最速。


その次から紅魔館編になると思います。予定では。


ちなみに今回本当は金髪の子かわいそう的な展開にしたかったんですが、いつまにかカリスマブレイクになっていた。何を言ってるかわからねぇと思うが以下略


それでは。

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