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東方逆接触  作者: サンア
18/66

EX運動話

下ネタいっぱい書けたぞ(満足)。


 彼と出会ってどれほど月日が流れたろう。思えばまだ一年にも満たない。なのに彼は、風見幽香という大妖怪へ大きな影響を与えた。


 彼との最初の邂逅は、心地好い暖かさに包まれたある春の日だった。


 特に何かしようと思った訳ではない。ただなんとなく、霊夢に差し入れでもしてあげようと思っただけだ。


 霊夢との付き合いは長い、というか博麗の巫女との付き合いが長い。なぜだか幽香は歴代の博麗の巫女と親交があった。幼い霊夢の面倒を見た事もある。


 季節の野菜や果物を持って行くと、普段とは少し違う霊夢の表情を見る事が出来た。それは幼い頃に自分へ向けていた笑顔とよく似ていた。


 博麗神社の境内には満開の桜が咲き誇っていた。風に揺らめく花びらを何気なく目で追い掛けると、いつだったか自分が買ってやった着物を着た“霊夢ではない誰か”が、竹箒を持ってジッとこちらを見ていた。



 風見幽香の家は洋風建築だ。三角の赤い屋根に白い塗装の壁、玄関前には白い円形のテーブルと木の椅子、そしてその周囲には百花繚乱の光景が……広がっていない。


 変わりに一面の銀世界があった。


 幽香は自然が、その中でも取り分け花が大好きだ。そのため花の少ない季節には、本質的な力が弱まったりはしないが……テンションが下がるというか、元気がなくなるというか……アンニュイというのだろうか。


 普通の人間がおいそれとは近付けず、来客も少ない場所に住んでる幽香だが、それでも最低限の身形は整えるし、わりと規則正しい生活をしている。


 だがこの季節はそうもいかない。まず起床が遅い。予定が無ければ一日中ベットの中というのも珍しくはない。元々くせ毛だからわかりづらいが、髪もボサボサだ。くしを通すのも億劫になるらしい。目も普段のように生き生きとはしていない、死んだ魚のような目だ。


 それでも予定があればちゃんとする。逆に予定にない来客にはこのまま応対する。ちゃんと“服を着ていない”この状態でだ。


 普段身形を整えているのは人目を気にしてるのではなく、単純に性格なのだろう。あるいは肌を晒す事に抵抗がないのか。


 冬の幽香がこんな有様だと知っているのは、歴代の博麗の巫女とほんの一握りの妖怪ぐらいだ。


 そんな幽香の家にノックの音が飛び込んできた。一人暮らしには少しばかり広い家で、寝室と玄関まではそこそこ距離があり、普段ならノックの音や呼びかけを聞き逃す事がある。


 しかし今はやや雪がぱらついてるが気候は穏やか、家には幽香しかおらず、その幽香はベットの中でボーッしているので生活音もない。まあとりあえず幽香の耳にノックの音は届いたのだ。


「…………ハァ」


 眉をひそめ、溜息を吐くと布団を大雑把に蹴飛ばし、床に足を下ろし、スリッパを履こうと右往左往させるが見つからない。もう一周してスリッパが見つからなければ居留守を使おうと決めると、つま先からモフモフした柔らかな感触が伝わった。


「……ちっ」


 舌打ちをしてファーのスリッパを履き、ゆったりと立ち上がった。上半身はブラウスのみで、ボタンは全て開いている。下半身には何も身につけていない。


 寝室の扉を開け、のそのそと廊下を歩き、リビングにつくとまたノックが鳴った。


「……」


 無言である。言葉を発するのも面倒になったらしい。玄関まで歩幅も速度も変えずに歩き、たどり着くと一呼吸置いてから扉を開いた。鋭い冷気が入り込んできたが、そもそも暖房も何もつけてなかったのでそこまで大きな気温差はなかった。


「はいはいどちらさ……ま……?」


 いつだったか、霊夢に買ってやった着物を着た彼が立っていた。



 幽香の行動は早かった。すぐに彼を招き入れ、ソファーに座らすと、次に暖炉の火を起こし薪をくべた。火力が上がり始めたのを確認すると、キッチンへ向かい、コンロでやかんの湯を沸かし始め、コンロの背後にある食器棚からティーポットとマグカップと紅茶の茶葉が入った金属の缶を取り出し、手際よく準備を進めた。


 彼はというと、慌てた様子もなくマイペースに羽織っていた赤い半纏とマフラーを取り、玄関の横にあるハンガーにかけ、幽香の行動を察してソファーの前にある白いテーブルをふきんで軽く拭き、ふきんをリビングの角に置かれた洗濯カゴに入れるとソファーに座った。


 幽香の家はそれなりにインフラが整っている。暖房こそ暖炉に頼っているが、その他、特にキッチン周りは充実している。水道もコンロもオーブンもある。無論、外の世界のような科学技術ではなく、あくまでも幻想的な何かを利用しているものだ。仕組みは幽香にもよくわかっていないが、便利なので気にしていない。


 とりあえず温まってもらう為にと用意した紅茶を、テーブルまで運び、ティーポットからマグカップに注ぐと、砂糖とミルクの入った容器と一緒に彼へ勧めた。


 彼は砂糖とミルクをスプーンを使って適量をマグカップへ入れ、数周掻き回し、口元へ近付け、口をすぼめフーフーと数回息を吐きかけてからゆっくりとマグカップを傾けた。


「ん……おいし」


「それは良かったわ」


 先程までのアンニュイさはかけらもない生き生きと輝いた笑顔だ。彼とは幽香にとってそれほど大事な存在なのだろう。


「で、どうしたのかしら?」


「ん?」


「何か用事があったんじゃないの?」


「んーん」


 首を振って否定する彼の隣に、キョトンとした表情を浮かべて座る幽香。


「じゃあどうして?」


「最近会ってなかったから」


 そういえば二週間前の宴会以来、彼と会っていなかった気がする。彼と出会ってから最低でも三日に一度は彼に会っていたので、さすがの彼も心配したのか。


「だから会いたくなって」


 この言葉がいけなかった。彼にとっては何気ない一言だったかもしれない。だが、この言葉を投げ掛けられた幽香には違った。少なくとも正気と理性を吹き飛ばすには充分過ぎる魔法の言葉だったのだ。


 ぐいっと彼に顔を近付けると一切の静止なく唇を重ねる。突然だが彼は焦らない。されるがままだ。


 幽香の舌が彼の口内へと侵入を始めた。奥歯の裏側からネットリと力強く歯茎をなぞる。歯茎が終われば歯を、歯が終われば頬を、執拗に何度も何度も……同時に幽香の手が彼の着物の帯を解き出した。彼は抵抗する所か幽香が帯を解きやすいように身体を動かしている。


「ぷはっ」


「んん、はぅ」


 口を離すと溜まった唾液が彼の口から首を通って、帯を解きはだけた胸元へ流れた。幽香は両手で胸元から着物を掴み、よりはだけさせるよう広げながら、胸元から首筋へと唾液を舐めとるように舌を這わせた。


「あ……やぁ、んん」


 彼が声を漏らしたのに気を良くしたのか、幽香の動きは更に激しさを増した。着物の隙間から下半身の方へ手を差し込み、尻へと移動させる。その間も舌の動きは止まらない。首筋から耳へ、耳に到着すると甘く噛み、溝にそって舌をなぞった。


 尻に到達した手は普段のような優しい動きではなく、荒々しい、だが決して彼を傷付けないように絶妙に加減された力で揉んでいる。


「ひぅ……ん、あ……あぁっ」


 幽香の劣情は止まらない。燃え盛るばかりだ。帯を投げ、完全に着物を脱がし、身につける物が下着と靴下だけの状態になった彼を仰向けに押し倒し、両足を両手で掴み広げた。羞恥的な格好だが彼の表情に……多少変化はあった。やや涙を浮かべている。感情からくるものなのか、生理的な反応なのかそれはわからない。


 少なくとも幽香の理性はその涙で正気を取り戻さなかった。むしろ、より興奮度を高めてしまった。


 幽香は彼の股間へと顔を近付けた。目的は言うまでもない。


「ちょっと……」


 しかし直前で彼の両手が幽香の頭を押さえた。まあ幽香には障害にすらならない妨害だが、彼の明確な否定を感じた理性が力を振り絞り、動きを止めたのだ。


「……ダメ?」


 甘えるような口調だ。このような声はきっと彼以外に聞かせた事はないだろう。


「……お風呂……入ってから……なら」


 幽香の動きは早かった。そしてインフラが整っている幽香の家では、風呂を沸かす時間は必要なかった。蛇口を捻ればお湯が出るからだ。



 風見家はバスルームも広かった。特に浴槽が大きい。二人ぐらいなら足を広げきってもまだ余裕があるくらいだ。彼と幽香は密着しているが。


 彼を背中から抱き、自身の胸を彼の背中へと押し付けている。湯に浸かって少しばかり落ち着いたが、それでも情欲はまるで衰えを見せない。


 彼の肩に噛み付いたり、太ももを撫でたりしても治まらない。増すばかりだ。何もしないで我慢するなんて出来ない。だが先程の彼の否定、感情をめったにあらわにしない彼の否定、それが幽香の理性を何とか働かせていた。彼に嫌われたくないからだ。


 しかしいつまで我慢出来るものか。実はもう既に我慢出来ていない。太ももを撫でていた手が徐々に股間へと近付いている。本能の行動に幽香は気付いていない。


 彼はその幽香の手をジッと見ていた。何をされるのかわからない訳じゃない。されたって別に構わないと思う。でも何故かさっきはああして幽香を制してしまった。


 なんでだろう。彼もよく理解していなかった。ただそう、寸前になると胸がドキドキして……なんだか、多分、恥ずかしく……なったのかな。


 そう彼が思っていると、とうとう幽香の手が彼の股間へとたどり着いた。それを感じた彼は今度は拒む事はなかった。



 数時間後、彼は帰っていった。霊夢の所に。彼がいなくなるとまた色んな事が面倒になった。幸いベットには彼の匂いが染み付いている。ベットの中でも飽きる事はなさそうだ。


 風呂を出てから幽香は何も身につけていない。そもそも妖怪は寒さや冷たさに強い。だが幽香が服を着ない理由は単純に熱さを感じているからだ。


 さっきまで彼にした事を思い出せば更に熱くなる。次はこうしようと考えればもっと熱くなる。


「ふふふ……はは、はははは……」


 込み上げてくるものを内側に留める事は出来ない。


「クッククク……ははは……ははははははっ!」


 決壊したダムの如く、幽香の感情は高笑いとなって吐き出された。


「ふふふ、ははは……彼は……彼は……私を、私を受け入れた! ハッハッハッハッハッ! こんなに嬉しい事があるか!」


 叫び声は止まらない。いつまでもいつまでも……彼女は笑い続けるだろう。少なくとも、ベットから彼の匂いが無くなるまでは……。



「ただいま」


「おかえり、幽香どうだった?」


「元気だったよ」


「そ……お風呂入ってきたの?」


「うん」


「……したの?」


「うん」


「うらやましいわね」


「マッサージが?」


「え?」


「え?」


「マッサージ?」


「マッサージ」


「比喩?」


「普通のマッサージ」


「……普通ではないでしょう?」


「舐められたりはしたけど」


「……直接的な事はしてない?」


「うん」


「あいつ、よっぽどあなたが大切なのね」


「そうなの?」


「多分、私と同じくらいには大切なんじゃないかしら」


「霊夢も?」


「ええ、あなたが大切よ。大切で大切で、肝心な事は出来ないのよ」


「肝心な事?」


「子作りよ」


「ぶふっ!? げふっごふっがっは!?」


「大丈夫、魔理沙?」


「だ、大丈夫だぜ……ってか……霊夢、ストレートだな」


「ストレートじゃないと伝わらないわ。とりあえず今はマッサージで我慢しておくわ。私はしてもらう側だけどね、お願い」


「はいはい」


「じゃ、じゃあ私は邪魔にならないように帰るぜ」


「魔理沙もしてもらえば? 私が終わってから」


「え………………………………………………」


「あ、気絶した」



「はあ」


 しばらくして幽香の感情は収まった。なんだか急に、急に収まったのだ。こういうのを賢者タイムと呼ぶ、と誰かが言っていたような気がする。


 服も着た。ベットから離れた。ソファーに座った。テーブルに突っ伏した。


「何が受け入れたあ……だ、このバカ」


 自虐である。肝心な所でヘタレて、ヘタレた故の行動で満足出来てしまった自分への自虐である。


「ああもう……も~……あほ~、ばか~……ヘタレ~」


 もうちょっと頑張れば何とかなったかもしれないのに、一線を越えれたかもしれないのに。そう考えれば考えるほど後悔した。


「つ、次は絶対やる……絶対にやる……うん、出来る、出来るぞ幽香! 今度やる時は勇気を出して、こう、色々と、シチュエーション何かも大事にして――」


 自己啓発をして次回に備えているようだが、彼の匂いが染み付いたシーツを傍らに置いているのを見ると……次回も同じ失敗をしそうに思える。



はい、ゆうかりんヘタレるというオチでした。ごめんね。


今回は彼の心情をやんわり描写してみました。まあ男の子だからね。行動は乙女だったけどね。


あとはゆうかりんがおっぱいで泡立てて彼の全身を洗うとか色々やりたかったけどこれは別キャラにとっておこうと思う。


今までは一応作品の順番で進めてたのですが、こうなんか具体的にいうとケロちゃんをはやく書きたい。うん。


フラン「ゆうかりんが嫁なんでしょ?」


私「ケロちゃんはロリ枠」


フラン「ふざけんな! どうせケモミミ枠とかもあるんだろ!?」


私「その発想はなかった」


フラン「変態に新しい選択肢を与えてしまった」


まあそれは置いといて単純にリクエストを受け付けたい。今まで登場してるのも可です。変なキャラ付けになっても許してね。


感想、メッセージ、ニュースのコメント、どこでも大丈夫ですんでどしどし下さい。


フラン「こういうのをコメント乞食っていうんだ」


私「しっ、黙ってればばれないから」


フラン「もうばれてるけどね」


よろしくお願いします。それでは。

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