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はやく返さねば…
あれから1ヶ月。
日々日差しが強くなるばかりだった
「今度の親睦会は長野県の白馬岳でキャンプをすることになったぞー。好きにグループ決めてくれ。1グループ男女3人ずつの6人なー。」
担任の加藤先生がだるそうに言った
「やったぁ!あんな、グループ自由だって!」
めいがはしゃいで言った
「やったね!6人だってよ誰となる??」
そこにあみが加わった
「ねーねー私も入れて?ふたりで組むんでしょ?」
「いいに決まってんじゃん!」
二人でハモって三人で爆笑した
「男子誰にする?」
めいが言った。
私はなんとなく、篠崎君の方を見た。
マフラーを貸してくれた、あの人だ。
あれから一度もしゃべっていない。
マフラーを返そうとしゃべりかけたら、
ガン無視されたのだ。あんときは相当面食ら
った。マフラー貸してくれた時はあんなに優しかったのに……
以来、マフラーを返しそびれたまま、今に至るのだ。
「なぁに見とれてんのさぁ。どうせまた篠崎なんでしょ。」
めいがニヤニヤしながら言った。
「べ、別に見とれてないし!」
「あっ!そうだ!篠崎君と同じ班にする?
そしたら杏奈もマフラー返せるんじゃない?」